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話し手/さかい あきこ さん

さかいあきこさんは「kyu_yuru」の名前で作家活動をされています。
kyu_yuruさんといえばがま口バッグ。
kimonoyarnにとっても代表的な作品となり、作っていただくたびに売り切れる人気ぶりで、まだ作り始めて2年ほどというのが信じられないくらいたくさんのがま口バッグを販売させていただきました。
さかいさんにハンドメイドのこと、着物のこと、趣味のこと、お話を伺いました。

(聞き手:谷美和子)

―まずはじめに、
さかいさんがハンドメイドをはじめるきっかけはなんだったんでしょう?

(さかい)
始めたのは小学校2年生。手芸クラブに入ったり、手芸店で教えてもらったり。はじめのころはマフラーを編んでいたと思います。
編み物をはじめたきっかけは叔母さんで、手編みの夏帽子を編んでもらい、私も編んでみたいと思いました。
母が洋裁をしているのを小さいころからそばで見ていたので、私にとってハンドメイドは身近にありました。
服飾関係の専門学校に通っていて、卒業後はニットデザイナーをしていました。


―キモノヤーンを使いはじめたきっかけはなんでしたか?

(さかい)
もともと京都だし、編み物も好きだし、着物地を使ってみたいという思いがありました。
キモノヤーンと出会うまでは、ポリエステルの着物地などを裂いて使ってみたことがあったのですが、解れがすごくて素材として使うのが難しかったんです。そんな時にネットでキモノヤーンを知り、使い始めました。


―さかいさんは、着物に対しても思い入れがあると聞いていますが。

(さかい)
主人が呉服会社に勤めていて、私自身の働いていたこともあり着物には思い入れがあります。ちなみに義理の母はアトリエを構え、60年近い洋裁のキャリアを持ち、洋服の縫製の仕事を現役でしています。
着物は嫁入り道具のひとつでしたし、娘の成人式にも家にある着物を着せたいなと思っています。


―Instagramなどで拝見していると、がま口バッグを中心にコンスタントに制作していらっしゃる印象なのですが、作家活動についてお伺いしたいと思います。

―日常の中で、いつ制作されていますか?

(さかい)
子供が小さいころから、合間をみて小物やアクセサリー作りをしていました。今も家事、育児は今はだいぶ手が離れたのですが、仕事をしている合間を見て作っています。
仕事のない日は集中して制作することもあります。音楽もかけず、無心で没頭してます。


―新作を作るときのアイデアはなんですか?

(さかい)
ときめくヤーンに出会ったときに、どうしたらこのヤーンが輝くかな?どんなヤーンと組み合わせたらより魅力的になるかな?とワクワクしながら出来上がりをイメージして作っています。
アイデアや制作中に迷ったときは、夫に相談することが多いですね。
いつも褒めてくれるので自信になります。

(谷)素敵な旦那様ー!(羨ましすぎる)

―制作する上でのこだわりはなんでしょう?

(さかい)
納得がいかないときは何度でもやり直します。ヤーンで見る雰囲気とバッグに編みこんだ時のイメージが違ったなんてことも多々あります。がま口バッグは一点作るのに、家のことや仕事をしながらですが、約2週間くらい。がま口バッグを作り始めた当初は、パターンを作るのに試行錯誤して、紙で立体にしながら作りました。約3カ月ほどかかりましたが、納得がいくものが出来上がりました。
内布やがま口、土台に編んでいる糸等の素材は“絹”や”国産”のものにこだわって使用しています。

―さかいさんといえばがま口バッグ、キモノヤーンにとっても代表的な作品ですが、最初はモロッコカゴを作られていた印象があります。

―がま口バッグを作られるようになったきっかけはなんだったのでしょう?

(さかい)
以前からモロッコカゴを作っていたのですが、もっと私らしい作品を作りたいというのと、京都らしさを出したいと思い、キモノヤーンを使用したモロッコカゴを作ったところ、キモノヤーンの藤枝さんから褒めていただき、博多阪急で展示販売していただくことになりました。
お客様から作ってみたい、ワークショップをしてほしいとのご要望をいただいたのですが、モロッコカゴはチームで活動していて私の完全オリジナルではなかったので、せっかくなら1から完全に私のオリジナルのものを作りたいと思い、がま口バッグの制作をスタートしました。
最初表も後ろも全面編み地にしたいと考えていたのですが時間と費用が掛かりすぎてしまって。
たまたまたキモノヤーンではぎれセットを購入していたので、つなぎ合わせてみるといい感じに仕上がり、現在の形になりました。
内布の着物地や飾り玉に使用している帯揚げも趣味で集めていたのでそれを使用しています。

―がま口バッグのおすすめポイントを教えて下さい!

(さかい)
着物を実際に身に纏うのは少し大変です。でもこのがま口バッグを持つだけで着物を纏っている気分になれます。和の色柄、風合い、可愛さがコーデ力をアップしてくれると思います!
マチ、内布、飾り玉、すべて着物地を使っていて、編地も一目一目丁寧に編んでいます。
ヤーンの組み合わせもこだわりポイントで、たくさんの中から一番お互いに魅力を高めあうヤーンを選んでいて、オンリーワンの組み合わせです。
和装でも洋装にも、カジュアルにもフォーマルにも合わせていただけるよう作っていますので、ぜひ和の美しさを身近に感じていただきたいです。

(谷)さかいさんの作品は、色の組み合わせや作りの細かさが、単なるバッグというよりアート作品のようですよね。他にはない魅力を放っていて、一点一点、惹きつけられます。

―次は、さかいさんご自身について少しお伺いしてみたいと思います
がらりと話が変わるのですが、さかいさんの趣味はなんでしょう!?

(さかい)
近くの植物園に自転車に乗ってお花を見に行ったり、美術館に行くのが好きです。服飾系と美術系の進路を迷うほど絵が好きで、画家になりたかった時期もあります。
制作で疲れたときは料理で息抜きしたり。料理も、この素材をどう活かそうか?と考えるのはハンドメイドと近いものがあって好きなんです。

(谷)さかいさんのヤーンの組み合わせ方、いつも独創的だなと思っていました!私から見ると全然会いそうにないヤーンがさかいさんの手にかかると魅力的になっていて。アートの感覚なんですねー!

―これからの目標を教えてください!

(さかい)
”自分のなりたい自分になる”ですね。
作品づくりでいうと、キモノヤーンで棒針編みの作品を作ってみたいなと思っています。

(谷)“なりたい自分になる”私も見習いたいです!


―最後になりましたが、
キモノヤーンのおすすめポイントを教えてください。

―これまでのお気に入りヤーンなどもあったら教えてください。

(さかい)
過去は振り返らないタイプで、常に新作ヤーンが気になります!

(谷)かっこいい!<拍手>

(さかい)
自分が着る着物を選ぶときは、切るときのTPOや自分に似合うかどうかを考えて、無難な着物を選びます。でも、キモノヤーンでは、着物の時には好みでなかったはずの色柄が、キモノヤーンになるとどのヤーンも個性を出して素敵なヤーンに生まれ変わっているように感じます。
「この美しい地紋みてよー♡」「ピンクのグラデーションもきれいでしょ!」「裏側も輝いているのよー♪」「織りのこの繊細さも見てー!」
私には出来上がったキモノヤーンから声が聞こえます!
多分藤枝さんが魔法をかけてるんじゃないかと思っています(笑)
箪笥の中に眠っていた着物が素敵ヤーンに、そして、作家の手でさらに素敵に生まれ変わったアップサイクルの作品に、夢や楽しみや美しさや未来を感じるところがキモノヤーンの良さだと思っています。
この先もずっと愛していきたい素材です!

(谷)ありがとうございます(泣)そんな風に言っていただき、スタッフの一人として誇りに思います!

(谷)さかいさん、今日はお忙しい中、たくさんありがとうございました!さかいさんについ知ることができ、作品がより身近になりました。これからも作品楽しみにしています!


さかい あきこ
作家名:kyu_yuru
Instagram:@
kyu_yuru


さかい あきこさん
(作家名 kyu_yuru)
京都府在住
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