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《ハーブなしには始まらない》南仏🇫🇷の美味しい暮らし① : SAUGE ANANAS 【地中海地域名産】パイナップルセージ


フランス暮らしは《ハーブなしには始まらない

美食といえば…なフランスだけれど、家庭料理は案外シンプル。地域によって様々な郷土料理もあって、それがヴァカンス滞在の楽しみだったりもする(フランスの学校は7月早々学年修了で9月の始業までが夏休み。祖父母や家族と別荘や貸し物件で長いこと過ごす例は少なくない)。

南仏、とくに地中海に面した街ではヴァカンス・シフト(と勝手に名付けている)な暮らしが愉しめるから子育て世代には人気で、ここマルセイユもそのひとつ。フランス第2の都市でビジネスは活気があるし、海も山も近い自然にも恵まれているし、教育事情もいい(ので我が家も転勤希望してパリから移って17年になる)。

“先住組”からのクチコミもあって、パリからの転勤・転職家庭はとくに目立つし、ちょっとしたネットワークが出来ていて、支えあっていたりする。引っ越し先探しや子どもの転校先のアドヴァイス、生活基盤づくりのフォローもしあう体制は、海外転勤の場合とちょっと似ている。(そちらについては、追って改めて)

バターでなくオリーヴオイル、素材を活かした塩の華&ハーブ使いが定番

マルセイユ暮らしになって、友人知人と招き招かれの機会を重ねるうち知ったのは、(私の周りの)南仏プロヴァンスではフランス料理の魅力のひとつ・芳醇なソースはプロにお任せしておくもので、ケイタリングや市販のものを使うことがあっても、家庭でわざわざ作ったりすることはほとんどないこと。

調味の基本は、オリーヴオイル、塩、胡椒、そして、柑橘やハーブ(これが数え上げたらキリがないほど)。

面白いのは「料理はしない」という人にもよく出会うことで(暮らし始めた最初の頃は)驚いたけれど、“料理”の定義は、ソースや詰め物や下拵えといった手間のかかったものを作ることで、“調理”はもちろんする。

(意外と忘れられているけど)農業大国フランスなので、お肉も野菜も果物も新鮮な食材は山ほどあって旬を追っているうちに、1年の幸せな食卓が続く。

お店やマルシェで初めて出会うもの、見たことも聞いたこともないものがあったりもするけれど、ネットで検索する必要はないの。

フランス人は食材を前にすると実に饒舌になる(と感じている。これは絶対)

知らないものは、どんどんその場で訊いてみることにしている。名前や味や調理法も…地産地消が1番と言われる通り、何ならチーズやワインとの組み合わせまで教えてくれたりする人もいるから。

このSauge ananasパイナップル・セージも、そう。パイナップルともセージとも違うのにこの名前?

ハーブ農園のムッシューが、「葉っぱをこすってみるとわかりますよ。ほらいい匂いでしょう?」…そう、指先にはしっかりパイナップルの香り。

「レシピはどんなのが?」と訪ねた途端、ムッシューが答えるより早く、後ろと左にいたマダムたち2人がそれぞれ、でも、声を揃えて唄うように、「ただ刻んでサラダやトマトに混ぜるだけでもいいし、お買い得よ」

というわけで、我が家のバルコニー花壇の一員となったばかりのパイナップル・セージ。さっそくトマトサラダにしようと思っていたのに、肝心のトマトを買い忘れての週末。あとで、買いに行かなくちゃ。ちょうど、牛の心臓(という名の)トマトの美味しい季節。お料理の方のご紹介は、また改めて。


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