全7回に渡って川上弘美「物語が、始まる」の魅力を紹介します。
↓ 前回
第三夜 「物語が、始まる」ってどんな話?(後半)
さっそくあらすじの続きを追ってまいりましょう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
とうとう“私”と本城さんは破局する。
別れ際、三郎について「あまり深入りしすぎないように。なんといっても人間じゃないものなんだから」と本城さんは“私”に忠告する。
そして、三郎は外で働きはじめるようになる。
ある日、三郎の帰りが遅い夜があった。
三郎の身に何か起きたのではないかと心配する“私”。
すると……
三郎曰く、「先日うどん屋でたまたま隣りあった女の子」からコンビニに電話があり、食事のあとホテルに誘われセックスを何回かした、とのことだった。
この時点でもまだ“私”は三郎とセックスをしていなかった。
「三郎は、馬鹿なのかもしれない」と落ち込む“私”。
とりあえず“私”は「他の人とセックスをしてほしくない」と三郎に伝え、その日は終わった。
翌日、熱が38度ほど出て“私”は会社を休む。
事を始めようとしても、いざ“私”を目の前にすると不能になってしまう三郎。
二人はその原因を話し合う。
ただ、セックスは出来ずとも、二人は満ち足りた感覚を覚える。
しかしそんな矢先、三郎にある決定的な変化が訪れる。
これが、「物語が、始まる」という話の全貌です。
引用と言いつつ最後の方はほぼそのまま本編の紹介となってしまいましたが、重要と思われる箇所が多く、こういう形になってしまいました。
どのあたりが「グッとくる」ポイントなのかを意識しつつ、次回からこの物語を読み解いていきます。
それではまた明日。
↓ 第四夜