見出し画像

中秋の名月の晩に起こった不思議なこと⁉︎

 昨晩は世界中で中秋節であり、しかも満月が重なるという非常にレアなケースだったらしい。サンパウロの気になる天気は予報では曇り。しかしながら「ひょっとしたら月が顔を出す瞬間があるかも知れない」と云う望みを捨てきれぬままその日の夜を迎えた。果たして、天気は予報の通りだった。白い雲が空一面を埋め尽くし、明るい月が顔を見せるような兆しは微塵にもなかった。それなりに楽しみにしていたのに、残念無念。

  それはこちらでは9/29(金)の夜のことであるが、地球の反対側の日本は、同時期にすでに9/30(土)の朝を迎えていた。この日は日本の父の命日で、父が亡くなったあの日から実に1年になる。1年前の9/29の夜(日本時間では9/30の朝)、父の呼吸が止まった、心拍が...…と病院から知らせを貰ったと日本の家族から連絡があった。

 二度目の誤嚥性肺炎での入院で、残念ながら復活は叶わなかった。リハビリで嚥下の練習をすれば肺炎を繰り返し、抗生剤投与の治療を受ける。そんなこんなで父は少しずつ体力や、生きようという気力を失っていった。一般の病院から看取りの病院に転院、入院生活は実に4ヶ月にも及んだ。医師からは老衰で亡くなる日も近いと診断され、その数日前には家族にも面会が許可された。

 その数日前からのことは今でもよく覚えているのだけれど、弟からの知らせを受けても、肉親との別れを間近に控えても、私は割と冷静だった。もちろん哀しみはあった。でも泣き崩れることはしなかった。周りからしたら、なんと薄情な娘、ということにもなるだろう。

 意識の確認で医師に起こされるたびに「うるさい」と怒っていたらしい父。きっと苦しくもなく気分良く眠っていたのだろうと思う。覚醒している必要のあるそのひとときは、本人には辛かったのかもしれない。

 そんなことを考えていたら、自分でその日を選んで旅立って行った父には「今までお疲れ様でした」という気持ちが自然と湧いてきたのだった。

 この大切な時にそばにいて見送ってあげられなかったこと、訊いてみたいと思いながら訊きそびれていたことなど色々あって、後悔は全くないと言えば嘘になるけれど。今生きている私たちが、まずは健康で、家族間の揉め事がなく、まぁまぁ幸せであったら、それは父には最高の贈り物になるのではないかと今では思っている。

 そんなこともあって、昨晩はしつこく夜空を見上げていた。特別な日の特別な満月はどうしても見たかった。1週間前の猛暑が嘘のように冷え込んだ晩だった。気温は20℃を下回り、風も強く吹いていた。あれは11時ごろだったか、ほんの一瞬だけ、霞んだ雲にぼうっと光る月を拝むことができた。アプリによれば月はほぼ明け方まで夜空にあって、沈む直前は明け方の4時すぎ。夜半過ぎても戻らない息子がUberで帰宅の途にいることを確認して、その時間に目覚めることが出来たら良いなと思いつつ、とりあえず眠りについた。

 あまり深い眠りには陥らなかったように思う。何度かの寝返りで時計を確認したら朝の4時すぎ。息子の帰宅を確認し、月が拝めるはずのキッチンの窓辺に移動した。やはり月は顔を出してはくれなかった。満月と重なる中秋の名月は、次回は7年後になるという。私たちはその時に一体どんな風になっているのだろう。もっと落ち着いた人生を送っているのだろうか。

  夜が明けてスマホを見たら、日本の弟からメッセージが届いていた。今日は母とお嫁さんと霊園を訪れ、その後に馴染みの鮨屋さんで会食をしたらしい。弟らしく坦々とした報告に、供えてきた花束と、鮨ランチの写真が添えられていた。こんな時くらい家族の写真を見たいものだが、皆元気そうなのでまぁ良い。

 年末に89歳になる母は元気に独居生活を送っている。週に2度ほどデイサービスに通い、月に2回は合唱のサークルへ。近所には友達もいるそうで、お宅を訪問したりなにかと忙しいらしい。弟やケアマネさんのサポート、隣人や友人、生協のお弁当宅配の方など、温かな見守りに支えられて、日々の生活をこなし、楽しんでいる。

 前日にNHKの朝ドラ「らんまん」の最終回を感慨深く観たのだが、実家の場合は母の方が父を見送ることが出来て、本当によかったと心から思った。

 そうこうしているうちに夫が起きて奇妙なことを言い出した。夜中にリビングに行った時、喫煙者の居ない我が家では、物置的存在であるガラスの灰皿がカタカタ音を立てていたと。地震のある国ならば大して不思議な話でもないのだが、ブラジルは地震のない国なのだ。そのくだんの灰皿はヘッダー写真。タイミング的に父がサインを送ってきたのだろうか。それとも......。私が直接見聞きしたわけでもなく、何とも推測の仕様もないのだけれど。


先週お披露目をしたばかりのちびカタツムリは、あれからたったの1週間で虹の橋を渡ってしまった。餌のきゅうりをとても気に入って一生懸命に食べていたようだけど、やはり腐葉土の方が体に合っていたのかな。前のアパートの花壇で勝手に芽吹いていて連れてきたアンブレラツリー(!)の植え替えをしたので、元々のふるさとに帰してあげることに。R.I.P.

 本日の夕食時に、夫からその奇怪な現象の解明がなされた旨、報告があった。今日、リビングでTVを観ていた時に強い隙間風が吹く瞬間があった。その時に繊細なガラスの飾り物(灰皿ではない)が音を発していたと言うのだ。原因は父でも、その他のお方でもなく、ちゃんちゃんという感じ。寂しいようなホッとしたような。でも、あの重厚な灰皿が真夜中に勝手に動いていたとしたら、それはそれで怖い。ポルターガイスト現象か(笑)

 
 もう一つ。本日の夕食後に見上げた空。

 中秋節から一夜明けた空に、昇り立てのほぼ満月が朧げに浮かび上がっていた。リベンジ、大成功!


【オマケ】

 千ともさんである、福太郎さんのこの記事に触発されて、デジタル絵画で少々お遊びをしてみた。


 
 指一本でこんな繊細なイラストを描くことができるなんて。ジャズピアニストの大江千里さんと愛犬のぴちゃんの、眺めているだけでほのぼのと心温まるイラスト。可愛い♡

 Apple Pencilなどの道具も、有料のアプリも、はたまた技術も全くない私も、無謀にもチャレンジしてみることにした。

 参考にした元の写真はこちら。

大江千里さんのNY富ジャスライブに参加した時、店内に貼られていたライブ告知のフライヤー。何度見ても良い表情でとても好きな写真だ。

 夫に道具につき相談したところ、先が柔らかい丸いゴムになっているペンがあるとのことで、とりあえずそれを譲り受けた。引っ越し荷解き中に出てきた、DS(ゲーム機)のタッチペンは先が細くて描きやすそうながら、iPadの画面には無効なようだった。

 格闘すること数時間?やっと出来上がった作品はこちら。本当は蝶ネクタイを摘む可愛らしきおててがあるのだが、私には複雑すぎるので断念。世界中の千里さんファンの皆さん、すみません、愚作でイメージダウン。許してね。

なんとも雑。そして色塗りも適当。

 今週は急激な気候の変化もあってか少々疲れ気味だった。胃腸の調子も良くなければ、片耳が詰まった感じでなんとも気分が悪かった。(今は回復傾向に。)このお遊びをして、ちょっとした気分転換にはなったようだ。でも最後の仕上げの段階で何故か足が攣ってしまった。。やっぱり私には合わない趣味なのかも知れない。

 皆様どうか素敵な日曜日を。。

この記事が参加している募集

やってみた

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?