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マツコとつんく♂と松岡茉優と〜映画『勝手にふるえてろ』〜

松岡茉優主演映画『勝手にふるえてろ』を観てきました。映画の存在自体は知っていたのですが「ラブコメ」と聞いて正直観る気が起きず、特にチェックしていない作品でした。ちょっと苦手なんですよ、邦画のラブコメ。

そんなわたしがこの映画を観る気になったきっかけは、映画好きの知人からのオススメでした。先日「そうして私たちはプールに金魚を、」という映画をレビューサイトで絶賛したところ、その知人から「それが好きなら『勝手にふるえてろ』を観て欲しい」と連絡がきました。「きっと気に入るから、なかなか突き抜けているから」と。

そしてその知人のレビューによれば、「松岡茉優にしかできない、彼女のための映画」であったと。

なかなか強い表現をするなあとも思っていたのですが、観終わってまずわたしが口にした感想は「松岡茉優だわ・・・」でした。知人のレビューに偽りなし。そしてわたしの映画の好みを完全に突いてきていました。感謝。

演技をしているのに圧倒的に松岡茉優である理由を考えたくなり、帰り道に黒猫チェルシーを聴きながら思案したところ、先日の『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』という番組でのマツコ・デラックスとつんく♂の対談に行き着きました。

つんく♂の大ファンであることを公言しているマツコはこの対談の中で、「つんく♂さんの歌好きな人って、圧倒的に幸せじゃない人が多いと思う」「幸せではない意識を持って生きている人に『こういう幸せあるんだよ』って教えてくれるちょうど良い詞」と語りました。

わたしはこのマツコの推察に成る程と思わされたのですが、今回『勝手にふるえてろ』を観た帰りに思案していたところふと思い出したのです。

「松岡茉優って、ハロプロオタクだったな。」

彼女が以前バラエティ番組でモー娘。愛を語って止まらなくなっていた姿を思い浮かべました。そして今回の映画でヨシカを演じながらも圧倒的に松岡茉優であった彼女を思い出し「松岡茉優、つんく♂じゃん、、、」と思い至ったのです。

「幸せじゃない人が好きな音楽」を愛していながら、彼女もまたその生みの親であるつんく♂同様に「幸せではない意識を持って生きている人に『こういう幸せあるんだよ』と教える」ことを演技という仕事を通して実現しているのではないでしょうか。

つんく♂は『カレーライスの女』や『シングルベッド』は一人の寂しさを表現した曲であり、『LOVEマシーン』や『ザ☆ピ〜ス』は一人の寂しさを楽しく仕上げた曲であるという風に語っていました。そう考えると、寂しさを楽しく仕上げる、そして「こういう幸せがあるんだ」と気付かせてくれるラブコメというのもまた悪くないな、と思わされました。

『勝手にふるえてろ』はまだ一部の映画館で上映中、マツコ×つんく♂の『SWITCHインタビュー達人達(たち)』は2/11(日)15:00〜再放送が予定されているようです。「幸せではないという意識を持って生きている」方は、是非。

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