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他方だけでは生きられぬ

5月9日

新曲「雨降り 花が咲く」

公開しました。


今回のボーカルは、v flowerと、私雨草の2人です。

この曲の投稿日5月9日はflowerの誕生日。
今年で彼女は10周年。

大切な相棒flowerに贈る曲ということで、今回ものすごく迷走しました。
可愛らしいアイドルソング、過去曲の要素を全部入れたメドレー風パレード曲、病みかわボカロ曲…
たくさん作ってはボツを繰り返し、直前まで出すの諦めてました。

しかし、5月5日にこちらの舞台を観に行きまして。

劇団まきじゃく「回り道」という公演。
学生時代、演劇をやっていた頃の後輩たちが、主宰や役者、裏方にと奮闘している劇団です。

久々の小劇場…
ここ最近の、ニコ動とかYouTubeとかの活動ではなかなか感じられない、全員が同じ空気を今吸ってるなっていう、独特の感覚。
演者が直接目を合わせて何か訴えてくるとかそういうのではなく、演者同士のやり取りをただ自分は垣間見ていて、誰かの人生をただ見ていて、そこから自然に自分の心が動いていくという、感覚。

この小劇場の生感覚、私も音楽でやりたい、とふと思った。

それから、その劇団に関わっている後輩たち、自分が初めて脚本を書いて主宰やった時の役者とか頑張ってくれた子達が多くて。
自分が描いた物語に、登場人物たちに、彼らが命を吹き込んでくれた時のことを思い出しました。

それを描こう、flowerで。

そんな衝動に駆られて、舞台を観終わった後速攻で帰って一気に描き上げました。

私の世界に命を吹き込んでくれる役者。
役者に登場人物の命を吹き込む私。

他方だけでは、誰も舞台で生きられない。

これは私の音楽でも同じだなと。

私の曲は演奏録音一切なしの、全て打ち込みDTMだ。
機械音の集合体で私の世界を紡いでいる。

その機械仕掛けの私の世界に、flowerの歌声が命を吹き込んでくれるから、私の世界は音楽になる。

flowerはflowerで、彼女一人では機械音だ。
そんな彼女に、私は私の世界を差し出す。
そうするとflowerは、私の世界の主役として命が芽生える。

他方だけでは私たちの音は機械仕掛けのまま。
他方だけでは生きられぬ。

それを曲にしました。

曲のスタンスも、小劇場の生感覚を意識しました。
聴き手に聴かせよう!とパフォーマンスするのではなく、flowerと私の二人だけの世界を聴き手はただ垣間見ただけ。
そんなスタンスの曲作りをしました。
ここ最近聴き手を意識しての曲作りをずっとしていたので、久しぶりにこういうのもいいなと思いました。

周りにあまりflower勢いないし、架空アニソン祭から立て続けの投稿だしで、あんまり聴かれないだろうと思って投稿したのですが、聴きに来てくれて素敵なコメントくださる方がたくさんいて、とても嬉しく、自分は素敵な人たちに囲まれて恵まれてるなぁと改めて感じました。
ありがとうございます!

そして花ちゃん、10周年、お誕生日本当におめでとう!
「雨草といえばflower」から「flowerといえば雨草」を目指して、これからも一緒に頑張ってください花ちゃん!!!


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