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【いとしさが止まらない】本棚の作り方&手元にあるだけで幸せな気持ちになる12冊

「本棚」。世界で2番目くらいに好きな言葉だ。本棚。本棚本棚。本棚本棚本棚。ほんだな。HONDANA。何度言っても飽きない。本棚は私にとって特別な存在だ。一言であらわそうとすると、「人生」「世界」「自分自身」「パートナー」なんてワードが浮かぶ。

おおげさだなあと感じる人もいるかもしれないけれど、ほんとうなのだ。本棚は私自身であり、人生そのもの。そしていちばんの理解者。恋人。友だち。過去であり今であり未来。この世のすべて。え、結局なんなの?ナニモノなの??本棚さん。

定義しがたいマイラバー


これは本気。超本気。

だって本棚を見ると思い出すから。あの頃のことを。わかるから。いまじぶんが向いている方向と、向きたい方向が。見えるから。毎日の生活のなかでは交差しがたい、いろんな人のいろんな世界が。見たことのない風景が。人間の可能性が。

本棚は知っている。持ち主の好きなものも興味のあることも心の奥深くに眠る願望も悩みも葛藤も悲しかったことも無知なところもまだ出会っていない人も世界も。ぜんぶぜんぶ、怖いくらい知っているのだ。

ねえ、あの頃のあんた、恋に飢えてたでしょ?
就活生のとき、焦って気負って新書買い込んでたよね〜。中身が頭に入ったかは知らないけど、がんばったね。
これもこれもこれも、まだ読んでないでしょ?あんたには知らないことがたくさんあるってことよ。知らない世界がたくさんあるってことよ。自惚れちゃダメだよ。

なーんでもお見通し。

そして静かに問いかけてくる。

じゃあ今は?これからは?

どうすんの?? どうしたいの?? 

まあ、落ち着いて考えな。

あんたが選んだ方についてくからさ。


って(ツンデレで可愛い)。

そんな妄想をしながら本棚を楽しく眺めて過ごしている。


前置きが長くなったけど、ここからが本番。

今日は気持ち悪すぎて気持ちいいくらいに、本棚と本への愛を語りたい。

さっそく、じまんの本棚を紹介します。


どんっ!!

見てくれ!私のいとしの本棚を!!


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マイ本棚が片っ端から好きなので、「本」のまえに「棚」から紹介させていただく。

なんたって、シンプルイズベスト。板と柱だけでできている。岐阜県のとある町にふるさと納税をして手に入れた家具で、ナチュラルで温かみのある木の風合いとコンパクトに折りたためるところが気に入っている。主役の本たちをしっかりと引き立ててくれる棚だ。

存在そのものが大好きだから、いつでも見えるようにリビングに置いている。朝起きてウトウトしているとき、ご飯を食べているとき、疲れてソファに倒れこむとき。本棚が目に入ると、

ああもう!好きっ!!生きる!!

となるように。

棚の上には趣味で集めているポストカードやウイスキー、時計、アクセサリーなど好きなもの・大切なものをたくさん並べている。これも日々のテンションを上げるための秘策である。お気に入りのものを、すぐに見えるところに置いておく。これだけで、リビングに蛍光灯がなくても暮らしていけるんじゃないかってくらいに部屋が明るく見えるんです(盛りました)。

では次に本棚の構成と概要を。
(*本のリンクはアフィリエイトではありません。)

<一段目>

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いちばん上の段は実用書やビジネス書が中心。文章、ことば、マーケティング、デザイン、思考法に関する本が多い気がする。昨年から小説以外はもっぱらkindleなので、更新は滞っている段だ。絵を観るのが好きだから、美術関連の本もちょっとある。

ちなみに原田マハさんの美術小説では、『シヴェルニーの食卓』という短編集が好き。登場する画家や作品を知っている状態で読むのもよし、まったく知らない状態で読んで、あとから作品を観るのもよし。

書き手の人生や人となりに触れたり実際に会ったりすると文章が心に浸透しやすくなることがあるように、作品の裏にあるストーリーや画家の人生に触れて絵の見え方が変わることもある。絵画を身近に感じさせ、楽しみ方を広げてくれたのがマハさんの小説だった気がします。


<二段目>

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二段目に並ぶのは小説とエッセイだ。好きな作家の小説に、友だちが貸してくれたエッセイ集、装丁にひとめぼれしてポチった本。少しずつ読んでいるアンソロジー。最近よく手に取るのはここのコーナーの本たちだ。

川上未映子さん木皿泉さん、今村夏子さん……前列は今をときめく作家の文庫本が中心で、後列は古典や近代文学、作家論などが多め。甲乙つけがたい名作ばかりだ。

個人の作家の本はあとでいくつか紹介するので、ここでは分厚くて本棚に入りきっていないアンソロジーを(絶賛読書中の作品のひとつです)。

日本人作家の短編を海外の翻訳家がピックアップして編纂した、ちょっと変わった短編集。

「日本と西洋」「忠実なる戦士」「男と女」「自然と記憶」「近代的生活、その他のナンセンス」「恐怖」「災厄 天災及び人災」という7つのテーマに分かれているのがおもしろい。

芥川龍之介や川端康成、三島由紀夫から星新一、中上健次、吉本ばなな、川上未映子、星野智幸まで、時代も文体も幅広いのがうれしいポイント。私は順番は気にせずに、スキマ時間に1作品ずつ、気分でセレクトして読んでいます。

今気づいたけれど、そろそろ一段目と二段目を交換したほうがよさそう。興味や生活にあわせて本棚も変化させていくと心地よいから。暮らしになじむ、自然な形に

これを機に整理してみます。ありがとう、本棚企画!


<三段目>

三段目の写真は省略。旅行本や登山の本など、夫のものや共有しているものが中心だからだ。

私が趣味で集めているポストカードをまとめたファイルや大人の塗り絵、スケッチブック、美術展のカタログなども雑多に並べている(夫から片付けるように注意を受けている)。

これらもやっぱり、好きなもの。目に入るとテンションが上がるところが共通点だ。「BOOK」とついているので本とみなし、本棚にあるポストカードボックスを紹介しておきます。無心になりたいときに、ぜひ!

その他、本棚に入りきらなかった小説や専門書などが、段ボール2箱分ほど仕事部屋に置いてある。残すのか売るのか捨てるのか、引っ越しのときに困らないように整理していきたいものよ……(白目)。


それでは最後に、いとしの本棚からいとしの本たちを紹介します。心に残ったフレーズも一部紹介。(*リンクはアフィリエイトではありません。)

【何度も読んじゃう、クセになる小説】

1.愛の夢とか(川上未映子,講談社文庫)

川上未映子さん初の短編集。彼女の文章って、どうもクセになる。やさしいようでいて激しくて、ふんわりしているようでいて闇がある。何気ない日常のように見えて、人生の大事件だったりするその不思議さとおもしろさを存分に味わえる作品だ。「お花畑自身」という短編の一節が妙に心に残ったので紹介する。

上質で、明るい匂いのするものだけを自分のまわりに集めて、それを心の底から楽しんでいるようなそんなふりをもう何年も何年もやりつづけてきて、まわりの人間や自分自身にそれを内面からおのずとあふれてくる自信だと思い込ませることに成功していると安心している、わたしの目の前にあらわれたのはそんな女でした。


2.昨日のカレー、明日のパン(木皿泉,河出文庫)

夫を亡くした妻が「ギフ(義父)」といっしょに暮らしながら死を受け入れていく話。これだけ聞くと悲壮感が漂った「お涙頂戴」な小説を想像する人もいるかもしれないけれど、実際にはユーモアとやさしさに満ちた小説だ。

視差小説のような形式を取っており、長編というよりは短編が組み合わさってひとつの物語が完成する(ように感じられる)仕組み。個人的にはギフとギフの妻の若い頃のエピソードが好きだ。ぞくっとする。

著者の木皿泉さんは人気の夫婦脚本家。本作の登場人物のセリフや心の声にも珠玉の言葉が多数登場する。

人は変わってゆくんだよ。それは、とても過酷なことだと思う。でもね、同時に、そのことだけが、人を救ってくれるのよ。
生きるって、本当は殺伐としてんだよ。無駄ってものがなかったら、人は辛くて虚しくて、やってられないのかもしれない。

「すいか」というドラマの脚本も文庫化されているので、好みの人はぜひ読んでみてほしい。心を救ってくれる言葉が見つかるはず。

その他、現代の作家では今村夏子さんの『こちらあみ子』、彩瀬まるさんの『骨を彩る』などもよく読み返す作品。一方で読んで衝撃を受けるものは近代文学が多い。あまりの衝撃に言葉を失って名作と呼ばれるものはやっぱり名作だよ……という内容のない感想に行くつくのでここらへんにしておきます。

【感情表現が豊かなエッセイ】

読んで笑えて切なくなれて温かい気持ちにもなれる、珠玉のエッセイたち。

1.いくつもの週末(江國香織,集英社文庫)

恋愛小説の名手、江國香織さんが自身の新婚生活を綴ったエッセイ。「甘くビターなエッセイ集」と裏表紙に書いてあるとおり、甘い甘いのろけかと思いきやスパイシー?ビター?いや、やっぱり大好きじゃん!と突っ込みながら読んでしまう作品だった。

新婚ホヤホヤハッピービーム!!という感じではないのだけど、危険な香りもするんだけど、深い愛が静かに流れているんだよねえこれが。困ったもんだ。

全体的にやさしい空気感ながらも感情の起伏は激しいタイプの本作。よろこび、さびしさ、苦悩……さまざまな感情をいっしょに味わえる。印象に残ったフレーズを紹介する。

誰かと生活を共有するときのディテイル、そのわずらわしさ、その豊かさ。
私は、夫を他人として意識する瞬間が好きだ。
無論結婚は“struggle”だ。

私のエッセイを読んでこの本を勧めてくれた友人に感謝したい。


2.生きるコント(大宮エリー,文春文庫)

大宮エリーさんのコントのような人生を綴ったエッセイ集。はちゃめちゃで思い切りが良くて、いつもギリギリで生きてる感じ。それをすべて笑い飛ばしてしまう感じ。「え、まじで!?」と驚く人も「え、まじか…」と引く人もいるかもしれないけれど、本当の話らしいです。

映画監督、脚本家、作家、演出家、CMプランナーと幅広く活躍する著者の勇気と行動力、「人たらし力」満載の作品だ。

下記は『生きるコント2』に出てくるカメラマンのセリフ。ミュージックビデオの企画で「走るネギ女」というテーマを立てた著者が、なぜか自らネギ女を演じなければならなくなる話だ。無茶ぶりを引き受けて笑いに変えるエリーさん、強え。

「君の企画なんだし、なにより君が演じた方が商店街の場末感に勝てると思うんだよね」


3.いとしいたべもの(森下典子,文春文庫)

現在読書中の『いとしいたべもの』。前書きに「たべものの味にはいつも、思い出という薬味がついている……」という名言があり、うんうん唸った。

食べ物×人生、食べ物×家族……。思い出を愛情深く綴る文章と手書きタッチのほんわかしたイラストが相乗効果で美味しいんです。表紙のメロンパンが中身を読むまえから食欲をそそってきて、ずるいったらありゃしない。こちらも私の食べ物への執着を知った友だちが勧めてくれた本。ごちそうさまでした。

なお目次を見て気になっている未読の話は「水羊羹のエロス」と「夜更けのどん兵衛」です。


【イラストが可愛すぎる本】

とにかく可愛いんです。とにかくワクワクするんです。そんな本たち。

1.言の葉連想辞典(イラスト:あわい,編:遊泳社)

ヒトメボレだった。「日常を少しだけ豊かにしてくれる」という視点から選ばれた美しい日本語の数々を、悶絶級に可愛いイラスト付きで紹介してくれる。収録語は「自然」「感情・行動」「色」「場面・その他」の4テーマに分類されている。

イラストで言葉を味わい、情緒を味わう。不思議な体験に浸れます。

何度でも言いますが、あわいさんのイラストがとにかく可愛いです!Twitterからも見てみてください。


2.人生を変えた本と本屋さん(著:ジェーン・マウント,訳:清水玲奈,エクスナレッジ)

こちらもイラストに心をぶち抜かれた本。本が好きすぎて本のイラストを描きまくっている海外のイラストレーター・デザイナーさんの作品だ。本に本屋、作家の顔……。どれをとっても愛情に溢れたイラストばかりで、眺めているだけで心が踊る。置いておくだけでインテリアになる。

でも中身はめちゃくちゃオタク。「表紙コレクション」「作家の愛したペットたち」「物語のなかの一皿」……オタクな企画がぜーんぶイラスト化されてます。狂ってます。海外文学がほとんどで、知らない作品もたくさん登場するけれど、新たな出会いが生まれる一冊。


【目で見て楽しむ本】

視覚に訴えてきて、楽しいし役に立つ本たち。

1.配色アイデア手帳 めくって見つける新しいデザインの本(桜井輝子,SBクリエイティブ)

127のテーマで3175選の配色見本を紹介する本。仕事用に買ったはずなのに、スキマ時間になーんかペラペラめくっちゃう。四季を感じるから。子どもの頃に戻れるから。いろんな場所に連れていってくれるから。「縁日のヨーヨー釣り」「ハーブの手作り石鹸」「こだわりの万年筆」……。毎回毎回、テーマ設定がツボ。

デザインの「デ」の字も知らない私だけど、仕事にもがっつり使わせていただいた。2色・3色の配色がとくに参考になった。ハンドメイドやインテリアにも使えそう。

その他、色に関する本だと『かわいい色の本 デザインと言葉の配色ブック』も実例満載で役に立ちました。


2.なるほどデザインー目で見て楽しむデザインの本。ー(筒井美希,エムディエヌコーポレーション)

デザインの本といったらこれ!みたいな感じで本屋に行くといちばん目立つところに置かれていることが多いこの本。「目で見て楽しむ」とあるとおり、構成や文字づかい、色づかいが工夫されていて最後まで飽きがこない。次はどんなページが来るんだろう、とウキウキしてしまうのだ。

デザインの超初心者(私)でも目で見て楽しくエッセンスを取り入れることができました


その他デザイン関連の本だと、『けっきょく、よはく。』『ほんとに、フォント。』『あるあるデザイン』は目で見て楽しく学べた。『デザイン入門教室[特別講義] 確かな力を身に付けられる ~学び、考え、作る授業~』は教科書のように手元においておきたい一冊だ。


以上、本棚が好きすぎて長くなってしまいました。気になるものがあれば、手に取ってみてもらえたらうれしいです。

これからも楽しい本棚ライフを〜!

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