夢はおそらく、偶然と必然の産物【勝手にリレーエッセイ2023冬 #0】
本編
「イトーさん、将来の夢は?」
東京から出張でやってきた前職時代の社長と、なぜか北海道の千歳市の喫茶店で面談していた私は、少し考えて真顔で言った。
「年収1億円ですかね」
当時27歳。本気で思ってた。
独身時代、特に夢も目標もなかった私は、毎日ただ目の前にある仕事に全力で取り組んでいた。なんやかんや未来の自分は、世代を代表する経営者になって、ビジネスニュースに取材され、それで年収1億円を手に出来るのではないかと空想していた。
社長は言う。
「1億かぁ…どうでしょうね」
当時所属していたベンチャー企業は、
年間売上が約16億円。
超大手と比較すれば大きな数字ではないが、叩き上げでここまでの規模にした、業界では有名な社長であった。
「日産のゴーンさんでも年収でいえばそれ程でもありません。が、彼の場合は株式を持っていますからねぇ…」
この社長は、私の空想を現実化するための具体策を真剣に考えてくれた。この人は、どんな社員にだって、カラッとした敬語で話してくれる。私はこの社長が好きだった。
「まぁ、起業するしかありませんね」
…
この社長はよく「クランボルツ教授の計画的偶発性理論を意識して、キャリアを描きましょう」と言っていた。
少し解説する。
要は、キャリアの8割は偶然から作られる。その偶然を自ら作り出し、活かせ、というのが計画的偶発性理論である。
就活で考えよう。
なぜ今の会社にいるのか? たまたま合同企業説明会に行き目にとまった、偶然CMで名前を知っていた、たまたま面接官が自分のフィーリングと合致した、こんなところ。
恋愛で考えよう。
なぜその人を愛しているのか? たまたま同じ地域の学校で隣の席になった、新卒入社した会社でたまたま同期だった、行きつけの居酒屋が偶然同じだった、こんなところ。
ある事象に偶然はち合わせ、それに適切に対処した結果が現在なのである。裏返せば、適切に対処できなければ、そこに進歩はない。必然性などない。
この偶然を、意図的に創り出せたとしたら?
今テーマの夢の見つけ方であるが、私が思うに、ある日突然降って湧いたように夢は見つからない。意図的に行動を続ける必要がある。
行動し続けた先に見えてくるのが夢なのだ。
ならば、
正しい行動の理論を身につけさえすれば、夢は半自動的に見つかる。そのために必要な素養を書いて、次の方にリレーを繋げよう。
今の私が「将来の夢は?」と聞かれたら、なんと答えるだろうか。パッとは浮かばない。
だから今日も行動し続ける。
私の夢の見つけ方は、行動し続けること。
他の方はどうだろう?
(1,241文字)
【勝手にリレーエッセイ2023冬"夢"】
おつぎは…
『よよ@』さん、
『じゃむむ』さん、
『ヤス(ウエダヤスシ)』さんにお任せします。
【フォーマット参考】
「2022秋」の2番目の記事(勇敢なヘラジカさん)
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