下萌
枯れ色に染まった地面から、
冬を耐え忍び、力を蓄えた命が芽吹き始める。
「下燃え」
同じ語感に漢字を当て、恋の歌も詠まれたらしい。
身体からふつふつと湧き上がる炎は、恋だけだろうか。
ちろりと漆黒の瞳に灯が宿る。
踏み出した足元からは、熱に呼応して次々と草木が迸った。
人知れず熱病に浮かされて、
私は筆を執る。
消えない。
下萌(したもえ)
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語句元来の瑞々しい感じより、
ギラギラした雰囲気の話にしてしまいましたが、改めて決意表明です。
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