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【あなたの家族の「旅育」を幸せにする提案(1)】データに振り回されない 一般論のデータとゼロイチのわが子は別物

子供が生まれたとき「この子がなんとか幸せに生きていけるように」と強く願った瞬間が記憶にあるママパパも多いはず。

もちろん私もそうでした。旅の編集者の私にとってそれはよく言われる「旅育」らしい体験を子供にシャワーのように浴びせて体験させることからスタートしました。

美術館や科学館、アスレチック、キャンプ、ブドウ狩り、山登りから味覚狩り、遊園地まで一通り関東近郊で行ける場所は仕事がら行き尽くしたと思います。楽しい思い出や幸せな時間もたくさん思い出に残っています。

また、仕事でたくさんの親子と一緒に出かけることも多く、それぞれ違う教育方針をもった親子の旅先での様子も見てきました。

子供も上の子が中3になり「旅育」についてこれを知っていたら、我が家らしい幸せな旅育がもっとできたかもしれないなというポイントを少しずつ紹介したいと思います。

「旅育」の代名詞⁉ 「キャンプ」と旅育

子供が小さなころ、キャンプブームがき始め、「山ガール」などの言葉がはやった時期だったので、雑誌やWEBの記事などで「キャンプが子供の自己効力感を高める!」といった内容のものをよく目にしました。

そんな記事を読んで、初めてキャンプを2歳4歳の子供と実際にしてみましたが、どう考えても1泊2日の経験で「自己効力感」がたかまった感じはしませんでした。

はじめての外での体験や、想定以上の夜の寒さや、まったく上手につけられない火起こしで夕食に食べるものがないなどの経験で、子供が半泣きになるのをなんとか盛り上げて親スキルは上がった気はしています。

キャンプ 自己効力感 論文」などで検索してみると、それらしい論文も見えるのに、おかしいな。もしかして、これは定期的にしなければいけないのかしら? と一時期、数カ月に一度キャンプに出かけましたが、それでもそのときに「自己効力感」が高まった気持ちにはなりませんでした。

この時、アンケートや調査の結果を通してわが子を見ると子育てをするのは難しいのではないか? という視点を持ちました。

学校や体験団体の先生はデータが良ければ〇、ゼロイチのわが子はデータからもれる可能性も

学校の先生であれば見ている子どもたち数十人や数百人のうちの80~90%の子供が「キャンプで自己効力感」を高められたと回答したというデータを出せれば成功といえそうです。しかしそのデータは絶対に100%にはなりません。

親はわが子の場合は「キャンプで自己効力感」をまったく感じないどころか、その経験がトラウマになる1%かもしくは0.1%に相当する可能性があることを受け止める点が、学校の先生や体験学習の先生たちと親の違います。

体験の時間のみの先生、一生一緒にいる親子では「旅育」視点は異なる

また、学校の先生や体験学習の先生たちが子供と過ごす時間は体験の時間のみですが、親が過ごす時間は一生です。

経験の価値というのは、時間が経つにつれて解釈が変わりやすいものです。

子育てをしていると、短期でよく見えた結果のいくつかが長期で見ると、さほどでもなかったということもよくあります。

子育てが終わりに近づいた先輩ママや、保育園の先生、子供たちの祖父母に「旅育」の話をすると、みんな少し気まずそうな顔をして、「あなたの子供への愛情はとてもよくわかるよ。だけど肩の力を抜いて子供との時間をまずは『楽しむ』のが一番おすすめかな」という言葉を返してくれたことを思い出します。

未熟な母親だった私には、その意味がよく理解ができていませんでした。

「旅育」?なにそれ? 我が家はとにかく「楽しむ」が流儀です! というご家族と旅をしたことも何度もありますが、そういうご家族のほうが、キャンプにたくさん出かけているお子さんよりもむしろのびのびと積極的だったりするのも目にして、「この子はキャンプにたくさん連れていかれても、楽しく感じないタイプかもしれないな」と思いながら見守ることもあります。

子育てデータをゼロイチの「わが子」に当てはめることは本当に解釈が難しいことだと実感する時です。

データを片目でみつつ自分の家族らしい「旅育」体験を作っていくのが幸せだなと今は考えています。

【あなたの家族の「旅育」を幸せにする提案(1)】のまとめ

❶「旅育」は「親」がするか「学校やプログラム運営者」がするかでまったく別物に! 「親」がする場合は要注意
❷「旅育」で良い結果が出ているデータとわが子はまったく別もの
❸自分の家族にあった「旅育」を自分で作っていこう

このエントリーは、「あたなの家族の「旅育」を幸せにするポイントガイド」というテーマで書いています。以下の内容で少しずつ追加してきます。

はじめに

【あなたの家族の「旅育」を幸せにする提案(1)】データに振り回されると逆に損! 一般論のデータとゼロイチのわが子は全く別物!
「旅育」の概念と「旅育」データの落とし穴~ ←いまココ

第一部: 旅育の計画

  1. ママパパにとって子供と「旅」にでる意味って?

  2. ママパパ主導? 子ども主導?

  3. カロリー低い体験 カロリーの高い体験という視点

  4. 中学受験塾の先生にすすめられた北海道1週間クルマ周遊の顛末

第二部: 旅育を助けてくれる旅サービス

  1. 「旅育」をうたうホテルサービスの利用

  2. 我が家のホーム「博物館」「美術館」を決めるという手も

  3. 修学旅行先で学んだ経験の記憶ってありますか?

第三部: 旅育の深化

  1. 日常へのインテグレーション: 旅の学びを日常に活かす方法

  2. 旅育ジャーナル: 旅の記録とリフレクション

  3. 旅育アート: 旅を表現するアート活動

第四部: 旅育コミュニティ

  1. 旅育コミュニティの形成

  2. 旅育のシェアリング: 経験の共有と伝達

  3. 旅育プロジェクト: 旅育を通じた社会貢献

終わりに

  1. 旅育の未来: 持続可能な旅育の展望

  2. 終わりに: あなた自身の旅育を始めるために

付録

  • 参考文献

  • インデックス

「旅育」を親として受け止めたときに、知りたかったなということを段階的に理解して家庭での実践に移していただけるように設計した目次です。変更は加えつつ、このアウトラインに従って更新していきたいと思います。

数年以内に大学院で「子供の選択の自由の幅と自己肯定感」といったテーマについて学んでいきたいと考えていて。まずは身近なテーマから考えや方向性をまとめていきたいというのも、書いている理由です。

更新情報をお届けできるので、是非読書登録をいただけると更新する励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。

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