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子どもが出てくる映画の話をしよう。その10。じつは少年SF『スーパー8』

子どもが出てくる映画には、子どもがある壮大な事象にまきこまれ、仲間たちとなんとか乗り越えていくという、いわゆる冒険アドベンチャーorファンタジーものがある。

その最近の大ヒットが、前にも書いたNetflixの『ストレンジャー・シングス』だろうが、これと同じ系列にある『スーパー8』も忘れてはならない。

なんといっても、製作は泣く子も黙るスピルバーグ。監督はのちに『スターウォーズ』の続編も手掛けたJ.J.エイブラムスである。

映画は、1970年代後半という、おいしい時代設定下での少年たちのひと夏のアドベンチャーを描いている。1970年代~80年代は、日本でも漫画アニメが前面にでてきて、子どもの文化といわれていたものが、文化の先端をいきはじめていたころだ。

さて、映画では少年たちは、夏休みを利用して自主映画をとるのに夢中になっている。模型やフィギュアづくりが好きな主人公に、爆発マニアの少年や・・。そして撮影の夜、たまたま鉄道の大事故にいあわせてしまうのだが、そのフィルムにはとんでもないものが映っていた…。

家族の問題あり、恋ありと、予備知識なく見ていたら、いったいどこへ話がいくのかわからないくらい、最初からいろんな要素がふられ、いきなり大惨事がおこり、実はなんとSF 映画でもあったとかなり後でわかってくる。Netflix連続ドラマじゃないから、あれこれ語るには尺が短かすぎたせいか、ネットでの評価はイマイチでややB級っぽいが、そこもきらいじゃないぞ。

さてさて主人公の少年はおいといて・・この自主映画監督をするでぶっちょで大柄な男の子の話をしよう。騒々しい家族のなかで育ち、監督脚本にせいをだし、映画づくりに本気だ。でも、主人公男子が自分がスカウトしてきた子と親しくなりムッとしてる。そういうことをまったく気づいていない純朴そうな主人公にもアタマにくる。・・ということを当人にぶちまけるシーンがいい。

<いいんだよ。どうせおれはデブだしなっ。でも一番むかつくのは、お前らが両思いだってことだよ!>(※記憶で復元したので正確ではありません)

わかるわ〜。そしてなんていいやつなの。

すっかり彼に感情移入してしまい、主人公のかかえるセンチメンタルが薄らいでしまったほどだ。

この映画のエンディングでは、彼らが実際につくったゾンビ映画という、おいしいオマケを観ることができる。本編を凌駕するとはいいすぎだろうが、少年たちのもうひとつの活躍ぶりにニヤつくこと間違いなし。

ところで、この映画では少年たちが襲われる(おきまりの)大ピンチのシーンがある。それを見てるとき、家人がさらりといった。

「こういうアメリカ映画は、子どもが絶対死なないから安心して観れるな」

そういえば・・

この映画でも、結局子どもは大ケガはしても命まではなくさなかった。ほかの映画でも、パニックがおこり世界が滅亡の危機になっても、宇宙人が、恐竜が、謎の生命体が襲ってきて、大人たちが食いちぎられても、決して子どもが死にいたる残虐なシーンはない。なんだかんだいって助かる。知らないだけかもしれないが、すくなくともわたしは見たことがない、気がする。

これは、ハリウッド・エンターテイメントの矜持なのか。

フィクションだろうと、いや、だからこそ、してはならないことがある。エンターテイメントはそうであってほしい。

「みんなのギャラリー」から、少年たちが自主映画を撮ったときの古い駅舎に似た画像をお借りしました。Thanks.













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