何も予定のない日をつくる

昨日は、昼から橋の下でお酒を飲むイベントに参加する予定だった。だけど、大雨警報が発動したため、急遽中止に。まる一日予定がなくなった。連絡がきたのは、家を出る直前だったから、その日一日やらないといけないことはすべて終わらせていた。

つまり、自由だ。いつもなら、カレンダーやマップを眺めながら何をしようかと考えるところだが、気の赴くまま一日を過ごすことにした。

まず向かったのは、ずっと行きたかったクレープ屋さん。生クリームたっぷりのチョコバナナクレープを注文した。クレープを折りたたんだ後、さらに上から追いクリーム。ご褒美クレープだ。口の中いっぱいに広がる甘さと、盛りに盛られたなめらかな生クリームが私を包み込む。日頃の忙しさを忘れ、ゆっくりと味わう贅沢な時間。この甘美な瞬間に浸りながら、心の中に静かな幸福感が広がっていくのを感じた。

時間に追われながらする読書も、この日は自分のペースでゆっくりできた。学びのある内容、好きな言葉をノートに書き写す。いつもより、ゆっくりとていねいに。心に焦りのない読書は整う。

読書の合間に、窓の外を眺めながら、ぼんやりと今後のことを考えた。急かされることもなく、焦ることもない。思考が自由に巡る。仕事のこと、プライベートのこと、ちょっとした将来の夢。それらが混ざり合いながら、少しずつ形になっていく。

夕方になり、雨がポツポツと降り始めた。窓を開け、雨音を聴きながら、今日一日を振り返る。突然ぽっかり空いた一日だったはずだけど、心は満たされている。自分と向き合う時間、好きなことをする時間。この予定のない一日で、自分の中にあった曖昧な思いや迷いが少し整って、心の中がすっきりとした。

忙しい日々の中で、たまには意図的に「何もしない日」を作ってみよう。それは、自分を見失わないための大切な時間になる。波のない静かな一日が、思いがけず人生の次の一歩を踏み出す力を与えてくれるかもしれない。時には、甘いクレープのように、自分へのご褒美も忘れずに。