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年を重ねると、心ときめく瞬間が増える

ウォーキングがてら、いつもは使わない食料品店に行ってみた。

産地直送の新鮮な食料品が売り場に並ぶ。
スーパーマーケットと変わらないようにも見えるけど、少しずつ違っている。

肉コーナーでは、「ベーコン」と表示された肉が、角煮のように分厚く不揃いに切り落とされ、とてもおいしそう。肉の量り売りもしていて、その隣には揚げたてのコロッケやカツがさりげなく置かれている。このコロッケを食べるためだけに、また来ようと誓った。

魚コーナーも、風変わりしている。スーパーではそのときよく取れた魚が大量にパック詰めされて並んでいることが多い。だけど、ここでは色とりどりの魚が並ぶ。種類が多いのだ。その分、同じものがたくさんは置かれていない。早い者勝ちである。

30cmほどあるタコの足だけが刺身用として売られているのを初めて見た。タコのぶつ切りが大量に作れる。エビを食べるみたいに、上からぶら下げてかぶりつく、みたいな夢のような体験もできそう。

小型水槽もあり、中ではサワガニが元気に動き回っている。1匹単位で売られていたが、いったいどうやって持ち帰るのだろう。食用なのか観賞用なのか、買い手に判断をゆだねられているのも面白い。

個人的には、野菜コーナーで自分の心が躍っているのを感じた。
小松菜や水菜、ほうれんそう、うまい菜などが、土に生えているような新鮮さで陳列されている。葉がぴんっとしているのだ。しかも、量が多いし安い。
いつものスーパーでは、1週間くらいで使い切らないといけないだろうな、という鮮度だ。今日出会った野菜たちは、1ヶ月くらい持ってしまいそう。嬉しくなる。

このときふと、食料品売り場で心が躍るって、みんながそうじゃないよな、と思った。日常的に自炊をして、買い出しをしている人じゃないと、今日の私の感覚は得られない。

実は、この売り場には引っ越してすぐの頃に来たことがある。そのときは、あまり何も感じなかった。自炊をほぼしていなかったからだ。

コロナ禍がきっかけで、家でごはんをつくって食べるようになり、お惣菜コーナーだけでなく、食料品売り場を満遍なく利用するようになった。何かひとつでも知っておけば、基準ができ、他の場所へ出向いたときに違いに気づけるようになる。

年を重ねて、心ときめく瞬間が増えたと思う。
新しい経験が積み重なり、ものの違いに気づける瞬間が増えたからだろう。違いを見つけ、良いものに触れられる経験は楽しい。

年を重ねるのって、やっぱり素敵だ。

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