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間違ったワークライフバランス

ほぼ1年ぶりの投稿になります。大変ご無沙汰してました。2021年もコロナ禍が継続し、自宅で過ごす、自宅で仕事をする時間が増えたことで働く人々の仕事に対する考え方もより一層変化したのではないかと思います。特にワークライフバランスに対する意識の変化は、部下や取引先を見ていても明確に感じられました。

限られた時間で与えられた目標を確実に達成する。そしてプライベートの時間も確保する。素晴らしい考え方で、外資系企業では本社幹部から末端まで浸透し、実行されている考え方です。

しかし日本において(特に日本企業において)、この考え方を誤解している方はまだまだ多く、限られた時間で与えられた目標を確実に達成するという大切な部分を疎かにし、プライベートの時間を確保する権利ばかりを主張するモンスターが多いのが実情のように感じています。

まず、モンスター達に共通するのは、限られた時間の定義を勝手に9-17時の8時間勤務定時内と決めつけている事です。外資系社員にとってそもそも定時という概念はなく、8時間勤務などという概念はそもそもありません。

限られた時間とは自分で判断するものであり、与えられた目標を確実に達成するためには、自身の判断と責任の下、限られた時間を柔軟に変更します。目標達成のために週末2時間かけて資料作りが必要なら自らの意思で対応する、業務に必要な知識があればプライベートな時間の一部を割り当てる、誰かに決めれた勤務時間など関係なく、自身の判断と責任の下に行う、これが一般的な働き方です。

一方、モンスター社員達は、9-17時の勤務時間外は仕事に関係する事は完全に排除すべきだと考えています。日本の大手企業を中心に残業をするなという指示が出ている企業に勤めるモンスター社員の中には「会社から仕事をするなと言われている」と堂々と宣う輩もいるくらいです。

さらに問題なのは、これまで長時間残業を通じてようやく実現していたパフォーマンスを、9-17時の限られた時間内で効率よく実現しようという意識も欠如しています(もちろん、今まで以上にパフォーマンスを上げようなどと微塵も考えていません)。これまでと生産性は変えず9-17時分の仕事をこなせればよいと考えているモンスターが非常に多いのです。

ただでさえも能力が低く生産性が低いにも関わらず、労働時間を自ら進んで制限し、その限られた労働時間でのパフォーマンスを上げる努力もしない人々。

そんな社員ばかりが増えれば、所属部門や企業の業績悪化は避けられません。(余談ですが、最近日本企業を中心に、円高、コロナ禍、材料高騰などを理由に値上げが頻繁におこなわれていますが、これらはこじつけで実態は日本人がパフォーマンスを上げず働かなくなった結果、無駄にコストばかり増加しているからだと考えています。)

悪循環はそれだけにはとどまりません。業績悪化に伴う給与カット、さらには倒産そして解雇を通じて労働市場に放り出されることも起こりえます。その時、能力が低く、生産性も低い、加えて権利ばかり主張して働かない。そんな人材を雇う企業は存在しないでしょう。

よくニュースやメディアを見ているとインタビューに応え政府や世の中に自身の給与や失業に不満を垂れているのをよく見るのではないでしょうか?ここまで読んでいただいてもうお分かりだと思いますが、政府、世の中が悪いのではなく、悪いのはほかならぬ自分自身なのです。

給料が上がらないと不満を垂れ流している時間があれば、まずは自分の意識改革を行うべきだと思います。

2022年はコロナ禍も3年目に突入します。大手の日本企業であっても、業績を見ると指数関数的にコロナ禍の影響を受けて財務が傷んでいるところも多くあります。プライベートの時間を確保する権利ばかりを主張している間に、気が付けば自分が労働市場に放り出され、無価値な自分を思い知らされることになります。

そして、惨めな自分を直視することができず、政府や世の中に不満を垂れる羽目にならないようにしたいものです。

近いうちに、ますます知恵をつけるモンスター社員についても書いてみたいと思います。

2021年はお世話になりました。2022年もどうぞよろしくお願いします。


大手企業6社を経て某外資系のマーケティング本部長してます。祥伝社より『もう会社に頼らない。SNSブランディングという生き方』出版。米国MBA取得。年収増、転職、リストラ、外資系の実態などの話をしています