グリーンウォッシュって?(産経新聞)

グリーンウォッシュって?
2024/1/30 16:00

日本のグリーンウォッシュ規制って?
商品、サービスなどの広告や表示を対象とする景品表示法と環境省の「環境表示ガイドライン」がある。ただ、景品表示法は企業自体のイメージ広告などには適用できず、環境表示ガイドラインは強制力がない。現行法制度での適切なグリーンウォッシュ規制は難しいという見方が多い。

つ旦
産経新聞様、どうぞ。過去にアゴラで指摘した記事3本です。

たしかに、景表法は該当する広告がかなり限定されます。環境表示ガイドラインも強制力はありません。
しかし、法やガイドラインの精神に企業活動が抵触している点についてはメディアからもっと強く指摘してほしいものです。

産業界の側も、狭義の規制法がなければアピールしたもの勝ちだ、とりあえず脱炭素と言っておけば良いんだ、なんていう昨今の風潮は改めるべきです。こんな社会にならないために、自ら策定し開示した行動指針があるはずなのに。

「再エネ100%」表示の多くが優良誤認ではないか
2023.01.30 06:50

これが景品表示法違反(優良誤認)であれば、よく製品広告などで目にする「自社工場にて100%再生可能エネルギーで製造しています。非化石証書(またはJ-クレジット、森林クレジットなど)を活用」といった類の表示も優良誤認にあたるのではないでしょうか。
(中略)
景表法におけるいわば狭義の違反要件は専門家に譲りますが、少なくとも法の精神には完全に抵触しており、広義の優良誤認に当たるのではないでしょうか。

「再エネ100%」表示は環境表示ガイドラインに反する
2023.01.31 06:50

景表法はいわばハードローであり、狭義の違反要件については専門家の判断が必要ですが、少なくとも法の精神には抵触しています。
一方で、ソフトローと言えるのが環境省発行の「環境報告ガイドライン」です。法律ではないので罰則等はありませんが、国が事業者向けに発行しているガイドラインですので当然順守しなければなりません。
(中略)
消費者の誤解や誤認を招きかねない脱炭素表示が蔓延している今こそ、すべての企業がこのガイドラインを順守しなければならないと感じています。

「再エネ100%」表示も企業行動指針に反する
2023.02.02 06:40

3回にわたって述べてきた内容をまとめると、「再エネ100%」表示はハードローである景表法の精神に抵触しており、ソフトローである環境表示ガイドライン、ならびに企業が自ら策定し宣言している行動指針に対しては明確に反しています。

非化石証書やJ-クレジットは国が認めている制度だから問題ないという姿勢は思考停止と言わざるを得ません。狭義の法令違反さえ避ければよいのであれば、そもそも行動指針なんてものを策定しわざわざ外部に宣言する必要はないはずです。

これは企業倫理の問題なのです。「この製品は再エネ100%(つまりCO2排出ゼロ)です」と子供の目を見て言えるのでしょうか。消費者や顧客に優良誤認を与えないよう、企業や広告主など情報を発信する側には高い倫理観と節度が求められます。


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