【池田信夫】「石炭火力ゼロ」がバングラデシュの人々の命を奪う

https://agora-web.jp/archives/230504015412.html

「「若気の至り」ではすまない」。
池田信夫さん意外とお優しい。

大人でも気候正義やESG、SDGsに染まって石炭火力反対なんて活動したり発信している人は多い。途上国の経済発展を阻害し環境問題を悪化させていることに気がついていない。

日本の石炭火力は、次の図のように世界一クリーンである。日本の発電所が撤退したら、それよりはるかに大気汚染のひどいバングラの発電所が稼働するだけだ。送電網の貧弱なバングラでは、再エネは使い物にならない。

先進国で電力インフラが大きな問題にならないのは、豊かになったからだ。大気汚染よりCO2を気にするのは、先進国では大気汚染はほぼ解決し、残る環境問題は温暖化だけだからだ。

しかし一人当たりGDPが2500ドルのバングラで大事なのは、100年後の気温ではなく、きょうの生活に必要な電力である。途上国で気候正義を実現するために必要なのは、まず豊かになることだ。そのためには、途上国が自力で国土開発を進められる電力などのインフラ整備が重要である。

段ボールデモをやっている活動家は、主観的には「気候正義」を実現しようという善意でやっているのだろうが、その結果は停電と大気汚染である。バングラの人々の地獄への道は、環境活動家の善意で舗装されているのだ。


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