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【連載小説】私、悪役令嬢でしたの? 侯爵令嬢、冒険者になる ~何故か婚約破棄されてしまった令嬢は冒険者への道を選んだようです、目指すは世界最強!魔王討伐! スキルは回復と支援しかないけれど……~
50. 令嬢、メンバー募集する ①
ギルドに戻ったエマはカウンターの向こうで微笑むアンナに声を掛けた。
「アンナさん、実は相談に乗って欲しい事があるのですけれど、宜しくて? 」
「なんでしょう? エマさん」
「実は────」
アンナの快諾の声にエマはここまでの経緯を話して聞かせ、自分達ノブレス・オブリージュに不足している遠隔攻撃が出来るメンバーの追加を希望している事を一気に伝えたのであった。
「遠隔攻撃ですか…… 魔法使いとかですよね? あまり聞いた事が無いですよね、攻撃魔法の使い手とかって……」
首を傾げて考え込むアンナに対してエマの後ろからマリアが言う。
「魔法でなくても良いのです、ストラス様みたいなスキル持ちの方とかいませんのでしょうか? 」
マリアの言葉に同意の頷きを揃え、一斉にアンナの顔を覗き込むエマ、イーサン、デビット。
覗き込まれたアンナは多少ビビりながらも考えを言葉にする。
「うーん、そうですねぇ…… スキルを持っている冒険者自体が希少なんですよねぇ…… そもそもスキルと呼ばれる固有の能力って身分の高い、王族や建国期から続いている貴族の方々にしか発現しないものですからねぇ…… その上数少ないスキル保有者の殆どは既にどこかのパーティーに所属しているでしょうし、ストラスさんの様なソロのスキル持ちとなると…… う~ん」
「アンナ、だったら何日か前にナセラの街から移って来たデニーを紹介してやったらどうなんだ? 」
「ギルドマスター! 」
悩んでいるアンナに対して声を掛けたのはルンザの街の冒険者ギルドのマスターらしい。
ちょくちょくギルド内で顔を見掛けてはいたものの、ギルドマスターだとは知らずにいたエマは、立ち上がって丁寧な挨拶をするのであった。
「はじめましてギルドマスター様、私はエマ、供は左からイーサン、デビット、マリアと申しますの、どうぞお見知りおきくださいませ」
言葉に合わせて礼を揃える四人。
「あ、ああ、こちらこそヨロシクな、ギルマスのガンズだ」
やや引き攣りながらも言葉を返したガンズにアンナが話し掛けた。
「マスター、デニーさん、ですか? 大丈夫ですかね、あの、デニーさんの事でしょう? 」
「? なんでだ? 遠隔攻撃のスキルを持っていてソロ冒険者、ランクもノブレス・オブリージュと同じシルバーだし、最近の納品を見る限りでは、エマ達と同じように壁にぶつかってるみたいだろ? ピッタリなんじゃないか? 」
「そうですけど…… あの、えーっと…… ご紹介、するんですか? あの、大丈夫でしょうか? 」
いつになくゴニョゴニョと言葉を濁すアンナに対してエマが身を乗り出して言った。
「是非! ご紹介して下さいませ! そのデニーさんにお伝えくださいな、ノブレス・オブリージュが貴方を待っている! と! 是が非でも、お願いするのですわぁ! 」
ガンズがアンナの肩をポンと叩いて言う。
「ほらな、エマも言ってるじゃないか、間を取り持ってやりなさい」
「は、はあ」
アンナはまだ気が乗らないようであったが、期待に溢れキラキラしているエマの瞳を見つめながら諦めたように言うのである。
「分かりました、デニーさんにお伝えしますし、面談場所も準備しておきますね…… ただ一つだけ言っておきますよ、エマさん、お会いしてから少しでも気になる事があったり不審だなと思った時は確りお断りするか、判断を保留にするかして私に言ってくださいよ! そうすればこちらからお断りしても良いんで」
「? 承知いたしましたわ、では、連絡を取って頂いたら直ぐにでも面談ですわね! 今日は冒険はお休みにして宿でその時を待っていますわね」
笑顔のエマにアンナは首を横に振りながら答えた。
「いいえ、デニーさんは人気の無い早朝、まだ薄暗い未明にしかギルドにいらっしゃらないんで、一番早くても明日になると思いますよ、今日は自由にお出かけされて大丈夫です」
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お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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