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日本語が勉強したくてもできない外国人の子どもたち

ケビンです。

先日、こんなニュースをみました。

公立学校に通うための日本語能力が不十分と判断されても、十分な日本語教育を受けることができない外国人の子どもたちが日本中で1万400人いるとのことです。

日本語が勉強できない子どもたちとは?

少し説明が必要だと思うので、説明してみますね。

今、日本には多くの外国人労働者が住み始めています。ニュースによると、去年の1年間では、海外から約287万人の外国人が日本に流入し、日本の全人口のうち、外国人が1.76%を占めるようになりました。今までにない、非常に多くの外国人が日本に移住してきているのです。

日本に入国してくる外国人は単身の人たちだけでなく、家族で来日する人もいます。当然子どもたちもお父さんやお母さんと一緒に日本に住み始めるわけです。

外国人の子どもたちは大きく分けて「1. インターナショナルスクールで勉強する。」「2. 日本の公立・私立学校で勉強する」の二つの選択があります。ある家庭の子どもたちはインターナショナルスクールで英語で勉強しています。けれども、ある家庭は金銭的理由や母国の教育に合った学校がないためにインターナショナルスクールに入れることができません。また私立学校も経済的に難しい場合が多くあります。そのような家庭は日本の公立学校に入れるという選択しかありません。

子どもたちはそのようにして公立学校に入って勉強を始めますが、教室に入っても、日本語が話すことができないので、コミュニケーションが取れません。また日本語を読み書きすることもできないので、勉強をすることもできません。先生たちも、他の子どもたちもその外国人の子どもとコミュニケーションが取れないので、どのようにしていいかわかりません。先生も子どもたちもどうしていいか分からず混乱してしまうのです。

この日本語教育が必要とされている外国人の子どもたちのために、文部科学省は日本語教育のための先生を配置しているのですが、その先生の数が少なくて無支援状態であるというのがこのニュースの内容です。

アメリカはどうなっているの?

アメリカは移民大国ですので、このような問題はよく聞きそうなものです。実際アメリカではどうなっているのか、僕の印象を書きます。

アメリカの入国管理研究局によると、2017年には4,450万人もの人々がアメリカに移住してきました。毎年多くの外国人がアメリカに移住してきます。常に全世界から人々がアメリカに自由とアメリカンドリームを求めてやってきます。また、政治的な理由で移住してくる人たちもいます。例えば、僕が日本に引っ越す前は、中東からの難民、シリアやイラクなどからきて人々が多く受け入れられていました。

アメリカに移住してくる人たちの多くは必ずしも英語が話せるわけではありません。当然移住してくる子どもたちの中には英語ができない子もたくさんいます。

そのような子どもたちのために、僕の住んでいた州では、それぞれの学校区にESL(English as a Second Language) の先生たちが配置されています。その先生は、教員免許と同時にTESOL(Teaching English to Speaker of Other Languages)という英語教育の専門資格を持ち、授業中や放課後に英語教育の必要な子どもたちを教えています。

アメリカの教育は州ごとに異なりますので、すべての州でこのような先生がいるかどうかは分かりません。けれどもアメリカの実情を見ると、ESLの必要性は非常に高いので、サポートがある程度しっかりしているのではないかと思います。とはいえ、アメリカの教育レベルは場所によって非常に差があります。特に移民の子どもたちが多い地区は比較的教育のレベルが十分ではない可能性もあります。

問題点は何?

日本に話題を戻してみましょう。このニュースの問題点は何か、僕なりにちょっと考えてみました。三つの観点からです。

1. 政府の外国人受け入れの問題
2. 教育現場の問題
3. 外国人移住者の問題

まず、日本に入国して生活する外国人のためのシステムが追いついていないということです。政府は改正出入国管理法で今後5年間で最大約34万5千人の外国人労働者を受け入れることにしました。その中で「特定技能」の資格の一部では家族も一緒に住んでも良いという条件を設けました。けれども、僕はこの制度を含めて、外国人労働者の家族に対してのケアは十分に考えられていないと思います。今現在入国している外国人の子どもたちにこのような問題が起きているので、これからもっと多くの外国人労働者が入ってきたときに、どこまでこの問題が大きくなるか分かりません。

二点目は学校の教育が外国人の子どもたちに対応できていないということです。日本の学校の先生は非常に優秀だと思いますが、外国人に対しての理解が深くないと感じます。これは僕自身が子どもたちを公立の学校に入れるかどうかを考えた時に、公立の先生たちとお話をして感じたことでもあります。例えば、外国人の子どもたちをお客さんのように見られている印象を受けました。また、日本語教育の先生のための資格がないことも問題です。アメリカの例ではTESOLのことを挙げましたが、日本にはそれに相当する公的な資格がないそうです。言い換えれば、日本語を教える資格を作ることができれば、より確実なサポートができると思います。

三点目は、外国人移住者の問題ですが、日本で住むことを過小評価しているかなと思います。これは僕が外国から日本に来ているから言えることかもしれませんが、日本に来る外国人も全く問題がないわけではありません。アメリカに移住する人たちがアメリカンドリームを求めているのに対して、日本に来る人たちもその多くがジャパニーズドリームを求めて来日します。その中には、お金のことばかりで、家族のことや子どものことをあまり考えていない人がいると思います。

僕は日本人ですが、アメリカで育ったので日本で住むことが決して楽ではないことを聞いていましたし、今それを実感しています。ある意味で僕も少し甘く考えていたところもあるかもしれませんが、日本は島国で、ある意味閉鎖的なので、外国人にとってはとても難しい国であることを覚悟して来日する必要があると思います。

まとめ

日本に外国人が来て、お仕事をしたり生活をすることは良いことだと僕は思います。それは日本人にとっても外国人にとっても両方です。

そのためには外国人が日本に住みやすいようにできると良いと思います。子どもたちが日本で勉強をして、日本語を話すことができるように整えられたら素晴らしいです。

何よりも、子どもたちが犠牲にならないように、子どもたちが幸せに、そしてこれからの未来を作り上げる希望として、日本で育ってくれたら嬉しいですね。


ありがとう。

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