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うみを知るまで

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#眠れぬ夜のことば紡ぎ

うみを知るまで

いつからか、夜が怖くなった。
思い当たる理由は、いくつかある。
小学生の時に、ある恩人がいた。
ある日、その人と喋り、また来週と、手を振って別れた。
そして数日後に、亡くなった報せを受けた。
まだ人が死ぬとか、そういうことを全くわかっていなかった。
告別式に出て、亡くなってから初めて対面した。
その時、人生で初めて人の死に顔を見た。
正直に言うと、その頃の僕は怖くなってしまった。
ついこの前まで、

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うみを知るまで(2)

朝でも夜でもない時間。

それが僕の時間になって、一番安らぎを得られる瞬間だった。
いつしか、人生に答えを求めるようになってしまった僕は、図書館で伝記ばかり借りて読んだ。
どうしたら、名の残る人間になれるのか、わかると思ったから。
世界の偉人や、天下人は苦悩していたのだろうか。
己がなんなのか、どうあるべきか。
きっと、こんなことを考えてる時点で、僕は、偉人ではないし、非凡な才能を持ち合わせていた

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