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ストレス反応でキャリア観は変化する⁉

人間、生きていればストレスからは逃れられません。

そして、ストレスとは必ずしも「悪」ではありません。

例えば、本番に強い人というのはストレスをどうにかしようとは考えず、感情や思考を切り替えることでストレスを味方につけている人だと思っています。

ストレスによって引き起こされる緊張状態では、アドレナリンが分泌されますから、普段以上の力が出たりするものです。

幼少期の短距離走を思い出してみてください。

一人で走るよりも、自分より少し足が速い人と一緒に走ると、タイムが上がったりした経験はないでしょうか?

これも、ストレスを上手に用いた例だと思います。

また、恋愛感情も一種のストレスだと個人的には考えていますが、私たちは、この苦しみは「ときめき」などというあやふやな言葉に置き換えて、むしろ迎合している人もいるのではないでしょうか?

「あー、ときめきたい…」とか。

ということで、今回はストレスについての個人的な見解を述べていきたいと思います。

「ストレス」だけがテーマだと、どこまでも話が広がりそうなので「キャリア」というセカンドテーマも設けました。

これからの季節は新卒入社だけではなく、新天地に賭ける離転職者も多いことでしょう。

皆さんと一緒に、考えていけたらと思います。



ストレスと向き合う際、一人で抱えきれない場合もあるでしょう。

そんなときは「カウンセリング」という専門家との時間も有効でしょう。

職業観やキャリア観についての悩みは「キャリア・カウンセリング」という領域で取り扱っていますが、名称はバラバラです。

理由は様々ですが、「カウンセリング」という言葉には心理学的要素が含まれていますから、相談をしたい人にとっては「いやいや、そこまでの悩みではないんですが…」とハードルになることもあるでしょう。

かと言って、「キャリアコンサルティング」と言われると、急にビジネスのニオイがプンプンして胡散臭く感じる人もいることでしょう。

話が脱線中ですが、名称はさておき、自分に合う相談相手が見つかればいいと思います。

さて、なぜ「カウンセリング」などといった言葉を持ち出したかと言いますと、仕事や職場環境、就転職や離職に関する悩みとは、すなわち「ストレス」です。

ストレスを取り扱っている学問と言えば心理学ですし、心理学についての学習は他者の相談を受ける人間にとっては必須科目です。

心理学には、体系化されたいくつかのストレスとの向き合い方というものがあり、それらを提示することで、相談者の心理的重圧を軽減させてくれます。

いくつか、ご紹介しましょう。



ストレスコーピング
ストレスの基(ストレッサー)にうまく対処しようとすることを、ストレスコーピングといいます。
ストレッサーによって過剰なストレスが慢性的にかかると心身へのさまざまな悪影響が考えられるため、健康を維持するにはうまくストレスコーピングすることが必要になります。

ストレスコーピングの方法は、大きく以下の2つに分けられます。

問題焦点コーピング
ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとすること
(例:対人関係がストレッサーである場合、相手の人に直接働きかけて問題を解決する)
情動焦点コーピング
ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとすること
(例:対人関係がストレッサーである場合、それに対する自分の考え方や感じ方を変える)

ストレッサーそのものが対処によって変化可能な場合は問題焦点コーピングが適当で、ストレッサーが対処によっても変化可能でない場合は情動焦点コーピングが適当であると考えられます。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-068.html
筆者により一部改編あり

レジリエンス
レジリエンスとは、困難で脅威を与える状況にもかかわらず、うまく適応する過程や能力、および適応の結果のことで、精神的回復力とも訳される。

最新 心理学事典より抜粋

エンパワーメント
エンパワーメントとは一般的には、個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになることであると定義される。

Wikipediaより抜粋

リフレーミング
リフレーミングとは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指す。

Wikipediaより抜粋



…どうでしょうか?

いきなり専門的な用語の羅列になってしまってスイマセン。

ストレスコーピングとは、ストレスを感じていると自覚するところから始まります。

そして、ストレスに対して、通常は「レジリエンス=耐える」や「リフレーミング=捉え直す」という概念が一般的です。

どちらも「情動焦点コーピング」だと言えるでしょう。

現代において、あるいは社会生活を送る上で、さらに言えば日本という国では「問題焦点コーピング」を積極的に行うことは少ないかもしれません。

理由は、端的に言えば二次的ストレスの可能性があるからです。

例えば、ハラスメントを受けていると感じている人が、相手に対して「ハラスメントをやめてください」といった場合、悲しいことに、より陰湿な行為に遭遇することも少なくないでしょう。

本当に遺憾ですが、私たちがストレスに対抗する最善策は「自分で何とかする」なのです。

この「自分で何とかする」やり方を複数知っていることが、レジリエンスの高い人間だとも言えるでしょう。

また、エンパワーメントとは「自己肯定感」や「自己効力感」を高めることです。

「私は悪くない」と考えることもエンパワーメントだと言えなくもないでしょうが、これは「転嫁」になりやすいので、個人的にはオススメできません。

あくまでも、自分の価値を自分で信じる心を持つことが大切だと言えるでしょう。



さて、ここからは個人的な意見ですが、ストレスへの対抗策で「自分で何とかする」と書きましたが、あなたの考える「何とかする」はどのようなものでしょうか?

最近になって、私は自分のキャリアを振り返る機会もあり、どのようにストレスと対峙してきたのか考えてみました。

大きな失敗や挫折は、大きなストレスとの遭遇でもあります。

最初は、耐えられず、打ちひしがれ、自暴自棄になったこともあったように思います。

ですが、ストレスとの戦いの中で養われてきたのは、耐性や思考の捉え直しだけではないと考えるようになりました。

振り返って、自分でも驚いたのですが、私はかなり負けず嫌いな性格だったようにも感じるようになっています。

「反骨精神」ではありませんが、ストレスに反発することで力を得ていたケースもあったのではないかと思うのです。

もちろん、逃げることも拒絶することもありましたが、少しずつ、この「反発力」が強くなっているからこそ、自己成長を実感できるのではないかと考えたのです。

ストレスを力に…。

仮に、このような考え方を「カウンター」と呼称しますが、「Resist=反発」よりも、返す力が大きいというか…。

「倍返し」などとは言いませんが、自分が受けたストレスの力に、自分の力を相乗して新たな力とするような感覚なのです。

…うまく言えなくてスイマセン。

ともあれ、人間は生きている限りストレスとは切っても切れない関係です。

どのように対応するか、個人差があるでしょうし、何が正解というのも個人によって異なるでしょう。

しかし、社会生活、もっぱら「働く」という領域において、ストレスへの反応があなたのキャリア観に大きな影響を与えるでしょうし、それは将来の生き方に影響を及ぼすと私は考えています。

逃げるもの、耐えるもの、見ないようにするもの…だけではない、力に変える手段を模索してみてはいかがでしょうか?

ただし、ほどほどに、お願いしますね。


ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。



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