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[すこし詩的なものとして]0047 声が聞けたなら

当たり前にめぐる季節も、日々を彩る風景も、
気がついたらずいぶんと時が経っていた。

忘れてたよ。
空の色なんて。
そう頭の中で呟いた。

見上げた空では、
雲がゆっくりと散歩をしている。
歩くことも忘れて、見上げた。
空の映る、君の目、
静かに小さな空が広がる。

淡くて、
少しやわらかな風が
ほほを伝う。

当たり前のように見てきた景色も
少しずつ
少しずつ
色も形も変わってきた。

流れる時に
僕も
少しずつ、少しずつ
変わってきたのだろうか。

吹きすさぶ風に
足を止められて
僕は歩くことも忘れてしまった。

絹のような雲
誰かが手を離した風船
誰かが
誰かのコトを想い
いつしか巡る

その先をゆけば
海でも見えるだろうか

白んだ月は
夜を待っているのだろうか

流れる時を僕は見守って、淡いやさしい光を待つよ。

歩くことも忘れたっていいんだ。
君の声が聞けるなら。

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今日の東京の空はカラッとしたでした。
朝、会社までの道すがら、足元ばかりを見ないように
目線を上に向けると、コバルトブルーよりやわらかな青が広がっていて、
思わずスマホで写真を撮ってしまいました。
そんな朝もいい。
そんなことを思いながら、大きく深呼吸をしました。

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