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ケンヨウ
2020年3月4日 13:42
今から遡ること20〜30年前のこと。僕は90年代という時の流れの中にいた。制服のポケットから垂れるチェーン。呼び出しベルに一喜一憂。紙のメディアを買い漁り、足で自分のアイデンティティを得る。クルクル回る円盤が僕らの世界の中心だった。音楽が途切れないように、やさしく足を運び必死で衝撃を和らげた。いつでも心底信じられるのは、耳から得る旋律とその目で見た活字だけだった。まさに僕のミームのコ
2020年3月11日 11:17
1994――恋の訪れとドーナッツ澄み切った空を見ると、外へ出かけたくなった。左利きの偉大なミュージシャンが死んだことを新聞で知った。涙は出なかったけれど、僕の心が軋むような圧力を感じた。ある土曜日、寄宿舎から駅の方へ向かう道すがら。あの頃は、スマホがない時代だったから、歩く時は決まってポケットに手を突っ込んでいた。もちろん目線は鼻から上が当たり前で、いろいろな景色を見ているような見てい