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「8Mile」レビュー

公式動画

公開

2002年

監督

カーティス・ハンソン

キャスト

ジミー・スミスJr. - エミネム
アレックス - ブリタニー・マーフィ
ステファニー・スミス - キム・ベイシンガー
リリー・スミス - クロエ・グリーンフィールド
デヴィッド・“フューチャー”・ポーター - メキ・ファイファー
チェダー・ボブ - エヴァン・ジョーンズ
ソル・ジョージ - オマー・ベンソン・ミラー
ウィンク - ユージン・バード
パパ・ドク - アンソニー・マッキー
ジャニーン - タリン・マニング
グレッグ - マイケル・シャノン

レビュー

エミネムの「Lose Yourself」の歌詞解説を書いていたところ、どうもこの映画を観ないと分からない部分が出てきたので20年ぶりぐらいに再視聴。

デトロイトの貧困地区で生活にあえぐ白人主人公(エミネム)が黒人しかいないクラブのラップバトルでのし上がる様子を描いた半自伝的作品。
この時点でエミネムはもうスーパースターだったが、作中ではそれを上手に消し、地方の貧困家庭の兄ちゃん感をプンプン出していて「へー」と感心。
ボストンにもあんな感じの貧しい白人兄ちゃんがいっぱいいたなあ…
工場で働いている様子などは本当にそういう職業の若者に見えた。

また、デトロイトの荒廃した感じや、登場人物たちの生活に疲れた雰囲気がとてもリアルで、ただのラップ映画というよりは没落していくアメリカのリアルを描く側面もある。
そういえばラップ自体もそんなに格好いいものとして扱われてはおらず、貧困から抜け出すための最後の武器という描かれ方。
しかも主人公が貧困から抜け出せたかどうかは描かれていない。
なんかどんよりと重たいまま終わっていくのがハリウッド映画、有名アーティスト主演映画にしては珍しいなと改めて感じた。

プロット自体はありきたりで、黒人社会の中で唯一の白人が勝つというのもゲンナリ。
まだそういうのが受けてた頃だったんだろう。
アメリカの貧困層のリアルな感じと、エミネムの意外な才能を堪能するべき作品かと。
ラップやヒップホップが好きじゃない人の方が楽しめそう。

主題歌「Lose Youself」歌詞解説はこちら。

八幡謙介の小説

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