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#014_「わたしが見ていたら、あなたたちは見られるためのヨガをやるでしょう?」

「きょう出来ないことを、きょう出来るようになろうとしない」

という言いかたを、アーサナのセッションでよくします。

「ヨガ教室は習いごとなので、出来ないことが出来るようになるのが目的だし、それは早いほうがいいし、自分は評価されているし評価は良いほうがいいし、お金払ってるし」

という考えかたを、ぼく自身ヨガを始めたころしていましたが、尊敬すべきタカヤマ先生は目を閉じていたわけです。

「わたしが見ていたら、あなたたちは見られるためのヨガをやるでしょう?」

背伸びしてなにかを手に入れるのではなく、既に手に握っているものに気づくという行為に、ぼくらは驚くほど慣れていなくて、そんなことをいわれてもいったいどうしたらいいか見当もつかないので、呼吸を聴いたり、鏡のない場所を選んだり、先生が目を閉じたりします。

急ぐことをやめたとたんに手に入るもの。

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