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続いていく。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104879523/picture_pc_8fed9a7669e91828d6a8f1e1b2d36224.jpg?width=1200)
ある日、工事現場でたまたま出会った一枚の写真。
それは、古い家族写真だった。
きっと100年以上も前の写真。
見るにそれは、
ネガフィルムが誕生するよりも前の、
写真が普及し始めた時代のもの。
そこに写る人々は、まさか100年後に僕の手に渡って
こうしてまじまじと顔を見られるなんて、
思ってもみなかっただろう。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104878606/picture_pc_7d8e00643408077ce7c34f639b706160.jpg?width=1200)
今、僕らが写真を撮るのは、
なぜだろう。
まさか遠い未来に、誰かに見てもらうことを前提として写真を撮ることはないと思う。
ただの記録として、
もしくは誰かの共感を求めて。
写真を撮る理由なんて、
十人十色だと思う。
でも、もしもその写真が、
遠い日の誰かへ宛てたメッセージになるとしたら、
僕らは一体、何を残すのだろう。
何を伝えたいと思うのだろう。
写真は、
時間も空間も想いも、
全てを乗せて運んでいく。
シャッターを切った瞬間から、
写真は自分の元を離れて遥か彼方へと旅を始める。
どこまでも続く水平線の端を探して、
長い長い航海に出る。
行く先は誰にもわからない。
様々な“もうひとつの時間”の中を漂い、彷徨って、
出会い、別れ、朽ち果てるまで旅を続ける。
そうして紡がれた遠い日の記憶は、
確かに輪郭を帯びて、あなたの元に届く。
あなたはその写真に出会い、別れ、
そしてまた、新しい写真が生まれる。
写真は続いていく。
これまでも、これからも。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104880721/picture_pc_e6eb54715f3a34aca1d240684504c435.png?width=1200)
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