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「インタビュー=相手の話を聞くこと」ではない

エピソードをいただいて帰るわけですから、話してくれる相手に、逆に自分はどんなおみやげを置いていけるか、を考えるのは当然です。

一昨日から魔法をかける編集の感想を書いてるんですが、今日は昨日に引き続き、本中で公開されている編集術を紹介します!

本中では8つの編集術が取り上げられていて、昨日は1つ目と2つ目について書いたので、今日は3つ目から書いていきます。


③声を声のままに

著者の藤本さんはその仕事柄、地方での仕事が大半なのですが、そこで絶対にぶち当たるのが『方言の壁』です。

ただ、藤本さんはできる限り方言をそのまま活字化していく方針で編集しているそうで、理由は

方言にかぎらず話し言葉というのは、多少意味がわかりづらくなろうとも、それ以上に、伝わり、想像できることがある

と考えているからです。


この項目を読んで、ぼくは少しヒヤッと&ホッとしました。

というのも、以前ぼくはまさに、方言を全部標準語に直した記事を出そうとしていたからです。

記事はこれなんですが、

去年、所属するwevnal(ウェブナル)で来年入社予定の内定者に、ぼくがインタビューをさせてもらったものです。

彼とぼくは同じ年だったのでお互いにタメ口で話し、且つふたりとも関西出身だったので、インタビューでは両方とも関西弁が炸裂していました。

最初、そのまま書き起こそうかと思ったんですが、先輩から『関西圏以外の人が関西弁を活字で見ると、キツく感じたり場合によっては煩わしく感じたりすることがある』と教えてもらってもいたので、記事にするときはやっぱり標準語にしようと思いました。

片方だけが関西弁ならまだしも、ふたりとも関西弁全開はさすがにパンチがありすぎるなと。

ただ、エレベータで鉢合わせた、また別の先輩にその話をフラッとしたら『えっ、関西弁のままのほうが面白いじゃん!』と言ってもらい、急遽、関西弁はそのままにして記事化することにしました。

公開してみたら『関西対談いいね!』と言ってもらったり、数字としても彼と同じ年に入社する新卒7人のなかで、2番目に読まれているインタビュー記事になっているので(話の流れ的には1番のほうが良かった!)、いまは方言を方言のまま記事にして良かったなと思っています。


ただ、これまた昨日書いた1つ目の編集術『台割は適当。尺をフレシキブルに!』と通ずるところがあるのですが、あくまでもこの術は『いざというときの変化球』程度の位置づけにしておくべきです。

普段はベタな台割でやっているから、たまにやる邪道な台割が生きるのであり、基本的に標準語&丁寧語の記事を書いているから、関西弁&タメ口の記事に新鮮味を感じられます。

実際、藤本さんも本中で

だからってただありのまま載せればよいというわけじゃないから難しいんですけど・・・・・・。

と言っています。

この術は、『ここだ!』というときの奥の手として使うべきです。


④インタビューの基本は会話

『インタビュー』というと、どうしても受け身なイメージがあるかもしれませんが、藤本さんは

インタビューとはいえ、あくまでも、普段の会話と違いはない

と書かれています。


この言葉の少しあとに、今日のnoteの冒頭で引用した

エピソードをいただいて帰るわけですから、話してくれる相手に、逆に自分はどんなおみやげを置いていけるか、を考えるのは当然です。

という言葉が続くわけですが、ここはぼくも意識しているところというか、ぼくもそうなろう!と思っていることです。

ただ単に話を聞かせてもらうだけじゃなくて、こちらからもなんらかのお返しをする。


本中では

何がきても自分のフィールドで返せる得意分野があればそれが一番です。

とあるんですが、ぼくにはそれがないので、とりあえず『相手の話をキレイに要約すること』『話の流れのなかで論理的に気になるところがあれば、そこをつつく』という、インタビューの基本のキのところだけは精度高くやろうと心がけています。

インタビューが終わったあと『話しているなかで頭が整理できた!』や『自分のなかでまた新しい課題が見つかった!』と言ってもらったときは、あぁ最低限の役割は果たせたかなと少しうれしくなります。


ただ逆に、これはどこまでいっても『最低限の役割』でしかなくて、インタビューというある種の属人性の境地みたいなことをどうせするなら、とことんその属人性を高めて、『藤本のインタビューだからこそ出てくる言葉』を引き出せるようになります。

そのために必要なものはまだうまく言語化できてないので、それは引き続き考えます。

藤本さんのこの項目での締めくくりの言葉を借りれば、目指すべき姿は『インタビューと言いながら、その実、自分との関係性でともに生み出したクリエーション』です。


今日はここまで!

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!!!すこしでも面白いなと思っていただければ「スキ」を押していただけると、よりうれしいです・・・!