インタビューという「言い訳」の有能さ
2日まえくらいに、「企業はオウンドメディアやnoteの効果をどのように測定するべきか?」というnoteを読みました。
そのなかで、このnoteの書き手である牟田口さんが、「オウンドメディアの想定外の効果」という項目で、下記のようなことを書いていました。
最後に、会社の直接的な効果とはあまり関係なくなってしまいますが、オウンドメディア「イケウチな人たち。」では、もう1つ想定外の効果がありました。
メディアに出てくれた方々と、関係がより強固になりそこからまた新たな関係性が生まれてお客様同士が繋がったり、法人でも様々な分野の面白い人たちとつながるようになったのです。社員と同じくらい、IKEUCHI ORGANICのプロダクトに愛があり、社外広報として自ら進んで発信をしてくれるのです。
この「関係がより強固になる」とか「お客様同士が繋がる」とかって感覚、ぼくも最近ちょうど少し感じ始めていたので、やっぱりそれは(オウンド)メディアを運営していくなかでの、ひとつの副次的な効果としてあるよなあと思いました。
たとえば、最近、ぼくのいる会社でも、少しずつ自社プロダクトのチャットボットサービスである『BOTCAHN(ボッチャン)』を使ってくれる方が増えてきて、会社として事例インタビューのようなものを出していこうという方針になっています。
そこでクライアントの元へ、ぼくも弊社の営業担当と一緒に、ライターとしてインタビューに伺うことが何回かあったんですけど、アポのまえに営業担当の人に「クライアントと会うのいつぶりくらいですか?」って聞いたら、意外と平気で「3ヶ月ぶり」とか「半年ぶり」とかって返ってくるんですね。
BOTCHANを導入してもらっていて、実際に効果も出てインタビューにまで応えてくれるクライアントだから、さぞかし営業担当は頻繁に会っているのかと思いきや、逆に効果が出ていて特に不満もないからこそ、普段のやり取りはチャットや電話で済ませてしまうことも多いのだそうです。
ただ、実際に会って「事例インタビュー」という形でお話を伺ってみたら、ふだんの業務では出てこない(≒わざわざ話さない)ような話も出てきて、そのなかには、さらに効果の改善に寄与できそうなヒントがたくさんあります。
実際に中長期的な成果をまだ測れていないのでなんとも言えないですけど、少なくとも、インタビューの現場だけに関して言えば、弊社の営業担当とクライアント側の担当の方が、より強固な関係になっているような関係がして、「インタビュー」は、わざわざ対面で会うひとつの言い訳(=きっかけ)として優秀だなあと思いました。
あと「お客様同士が繋がる」って話に関しても、先日、ぼくのクライアント同士が対談した記事を、書かせてもらうことがあって。
なんとなくお二人が話したら、意気投合するんじゃないかなあというのはあったんですけど、実際に対談してみたら、やっぱりすごく盛り上がってうれしかったです。
ただ、これがもしぼくが仲介になって「紹介します!飲み会をセッティングしましょう!」みたいな感じだったら、お互いに腰が重くなってしまって、お二人が会わないままだったってことも、十分にありえました。
「なにするかわからないけど、とりあえず会って話しましょう」みたいな出会い方って、結局そこからなにも生まれないことも、往々にしてありますよね。
でもこれが「メディア」という場があって「インタビュー」という言い訳を使ったからこそ、スムーズにアポの調整が進んだ側面も、少なからずあったんじゃないかなと、思っています。
「インタビュー」という大義名分があるからこそ、「これなんの時間?」というクエスチョンは生まれないし、対談を通じてお互いに話すなかで、事業の話や考え方などで、通ずるものも見つけることができます。
人間関係を縦にも横にも拡張するひとつの手段として、インタビューは秀逸なフォーマットです。
ただ、それは言わずもがなインタビューを通じて、相手にそれ以上のなんらかのギブをできることが大前提で、自戒の念も込めて、そこは使い勝手の良さに呑まれるのではなく、あくまでも使いこなす意識が大事だなと。
それは、インタビューを通じてのなんらかの新たな発見かもしれないし、メディア露出による、インタビュイーのPRへの寄与かもしれなません。
形はどうであれ、相手になにかしら提供できるものがあってはじめて、「インタビュー」が言い訳として機能することは、常に念頭に置いておく必要があります。
あと、冒頭で引用した一文の最後に、
社員と同じくらい、IKEUCHI ORGANICのプロダクトに愛があり、社外広報として自ら進んで発信をしてくれるのです。
とあったのですが、ぼくたちの会社では、社外の方に「BOTCHANいいよー」と代わりに発信してもらえる機会が、少しずつ増えてきてはいるもののまだまだ少ないです。
これはもうオウンドメディアとかインタビューとか関係なく、なにかしらのプロダクトを持っている人みんなが目指すべき姿。
鶏と卵みたいな話でも若干あるんですけど、ぼくたちの会社も、もっともっとプロダクトを磨いて、お客さんに喜んでもらって、社内とか社外とかっていう垣根を超えて、どんどんじぶんたちのプロダクトを発信していけるようにならねばなと思いました。
そしてそうやって、ぼくたちとお客さん、もしくはお客さん同士の関係性を強固にする過程で、インタビューは有能な手段のひとつだよねという話でした!
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