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インタビューの「下準備」はどの程度するか

去年の年末に、こんな記事を書きました。


>美女のセックス事情から、飲食店の家賃・売上まで。なんでも聞き出すbar bossa林さんのインタビュー術


いまこの文章を書いている時点で、この記事は97スキもしてもらっていて、ぼくの歴代記事最高のスキ数を誇るのですが、この記事中に、「下調べをしすぎることの弊害」っていう話が出てくるんですね。

一言でいうと、「事前に下調べをしすぎると、インタビュー当日の驚きがなくなってしまうから、あんまり事前に情報を仕入れすぎないほうがいい」という話で。

公開当時、記事のシェアをしてくれた人たちが合わせて言及してくれていたも、その「下調べの塩梅」の箇所が多かったので、やっぱりインタビューを普段からお仕事でされている人たちにとって、「下調べ」ってけっこうな重要トピックなのだなと、思った記憶があります。

ぼくはいままで、「下調べは可能な限りする...!」スタンスだったので、インタビューで林さんにしていただいた話は、「そういうやり方もあるのか!」と目からウロコでした。

だから、それ以来、インタビューの事前に仕入れる情報量を毎回調整してみたり、これまでのインタビューで、「面白い話を引き出せたインタビュー」と「あんまり面白い話を引き出せなかったインタビュー」をなんとなく思い浮かべて、そのときの下調べってそれぞれどれくらいだったけなと、振り返ったりしていたんです。

それで、結論から言うと、「(少なくとも現時点では)ぼくにはできる限りたくさん下調べして、インタビューに臨むやり方のほうが合っているかもな」と思いました。

事前の下調べの程度に影響を与えるひとつの大きな要因としては、「インタビュアーとインタビュイーで、どちらがどれくらい主導権を握るのか?」があるのかなと思っていて。

言い換えると、「下調べをするほど、インタビュアー側がインタビュー時の主導権を握る(比率と場合が多くなる)」ということです。


ちょっと脱線しますけど、YouTubeのホリエモンチャンネルでアシスタントを務める寺田さんという方が、以前の記事で「私はいかに堀江さんにたくさん話してもらうかどうかを考えてる」って旨の発言をしていました。

お仕事を任せていただいた以上、私のやるべきことはただ一つ、「動画のクオリティに貢献すること」。

機嫌が良かろうが悪かろうが、ホリエモンチャンネルはどう考えても「堀江貴文が話せば話すほど面白くなる番組」なんだから、話してもらうしかないんですよ。

(引用:「堀江さんに合わせるなんて、したことない」堀江貴文も認める女優・寺田有希の“大物対峙力”


堀江貴文さんくらい、ネタを豊富に持っていて、メディア慣れもしている(≒話がうまい)と、たぶん、インタビュアー(寺田さんはアシスタントだけど、メインの魅力を引き出すという意味では、本質的には同じ)があれやこれやと切り口を提示するより、ポンっとなにかひとつ的を射た球を投げれば、たぶんあとは話し手(=堀江さん)がうまいことやってくれます。

だから、いかにインタビュイーに気持ちよく話してもらうかという観点からも、インタビュアーはあまり情報を仕入れすぎずに「当日現場でいいリアクションをすること」が、面白い話を引き出すために大事なのかもしれません。


一方でぼくの場合、主にインタビューさせていただくのは、一般の社員さん(採用目的の社内インタビュー)だったり、創業間もないベンチャー起業の社長さんだったりします。

共通しているのは、「インタビュー慣れしていないこと」、そして「インタビュアー側がある程度主導権を持って、こっちからどんどん話の切り口を提示していくことが大事」だということです。

こっちからどんどん切り口を提示していくためには、事前にインタビュイーの情報をできる限りたくさん仕入れて、できる限り質問項目を練って、想定される答えの方向性をいくつか想定して、それぞれに合わせたインタビューの展開も、ある程度シュミレーションしておく必要があります。

(ただ、あまりにもガチガチにシュミレーションしすぎると、誘導尋問チックになってしまうので、そこの"なにが起きても大丈夫"の余白を残していくことも大事)

最低限の下準備だけして、当日に成り行きで予想外の展開!も、できるインタビュアーさんとかそれが合うインタビュアーさんもいると思うんですけど、少なくともぼくの場合は、その場で瞬時にベストな展開を導き出して対応していくよりも、準備に準備を重ねて、ありとあらゆる展開がある意味で「想定内」に進めていくやり方のほうが、合っているのかなと。

外から見たら、その現場での「想定内の対応」が、「臨機応変さがある」に映るかもしれないんですけど、実はその水面下でめっちゃ足をバタつかせているパターンです。


あくまでも「現時点」では、あと少なくとも「ぼく」はという前置き祭りですが、インタビュアーは下準備を可能な限り入念にする派と、意図的に調べすぎない派では、ぼくは前者が合っているのかもしれないなという話でした!

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!!!すこしでも面白いなと思っていただければ「スキ」を押していただけると、よりうれしいです・・・!