男女関係の非対称性について
昨日に引き続き、『モテる構造:男と女の社会学』を取り上げる。
昨日のnote:男にとっての女、女にとっての男とは?
まずは、それぞれの性別に基づいた、4通りの人間関係の比較からおさらいする。
①男にとって男は「力」
②男にとって女は「美」
③女にとって男は「気はやさしくて力持ち」
④女にとって女は「謎?」
昨日は、①と②について取り上げた。
ということで、今日は③から。
※読むひとによっては、本の内容やぼくの書いてることに怒りたくなってしまうかもしれないので、そうなりそうなひとは、そっとこの画面を閉じてください...
③女にとって男は「気はやさしくて力持ち」
これまでの①②と違うのは、要素が2つ入っているということだ。
①の男と男の関係にとって重要だったのは「力」、②の男と女の関係において重要だったのは「美」だけだったけれでも、今回は「やさしい」と「力持ち」の2つが存在する。これはどういうことか。
まず「力持ち」のほうは、①で挙げた「力」と、ほぼ同義であるととらえて問題ない。
つまり、女性にとって重要なのは、「男性たちのなかで力を持っている男」ということである。
「力」の定義は広範囲にわたるが、それよりもここで注意すべきポイントは、男が男を判断する際の基準と、女が男を判断する際の基準が「同じ」、ということである。
つぎに、「やさしい」の要素にふれよう。
女性はよく、「やさしい男性が好き」といった発言をする。ただこれは、なにか大事な前提条件が抜け落ちている気がする。
それよりかは、「(力を持っていて自分のストライクゾーンに入っている)男性が、やさしくしてくれるとうれしい」のほうが近いと思う。
ただこればっかりは、男のぼくが書いている限り(本の著者も男性)、推測の域を出ないのだけれど...。
④女にとって女は「謎?」
最後4番目は、女にとっての女の存在である。....なんだけれども、なんとも歯切れが悪い。「謎」と言っているうえに、「?」まで後続に付与されてしまっている。
著者自身も、かなり困惑した様子だ。
男性のように、社会的地位による上下関係を気にするようでもないし、美しさといった基準で判断しているわけではない。(中略)
父-息子関係は、力比べをしてしまい、対等で親しい関係になりきれないのに対し、母-娘関係は、どちらが上で、どちらが下といった基準は、あまり問題にならないように見える。
著者と同じ男であるぼく自身も、女性が女性を評価する際のポイントは、よくわからない。
男女関係の非対称性
それぞれの性別からみた4パターンの人間関係で興味深いところは、その「非対称性」だ。
男性のあいだで人気のある男性は、おうおうにして女性にも人気があるけれでも、女性に人気のある女性が、男性にも人気があるとは限らない。
つまり、男性に対する両性の基準はほぼ一致するけれでも、女性に対する評価基準は、男女によっておおきく違う。
本著では、この「非対称性」をひとつのキーワードとして議論が展開される。
この非対称性は、ほかにどんな影響をおよぼしているのか、この非対称性がうまれた社会背景には、いったいどのようなものがあるのか、などなど。
そのあたりの詳しいところは、明日以降に書いていこうと思う。
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