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男にとっての女、女にとっての男とは?

ぼくはいま、大学で社会心理学を専攻している。

とはいっても、社会心理学なんて言ってしまえば「なんでもアリ」なので、そこからさらに自分の興味・関心に応じて、研究の矛先を先鋭化させていく必要がある。

ぼく自身も、来年の卒論執筆に向け、これから半年かけて自分の研究テーマを探っていく。

そんななかで読んだのが、『モテる構造:男と女の社会学』だ。

バーテンダーの林伸次さんという方がブログで紹介していて、面白そうだったので勢いでポチった。

内容としては、「モテ」や「男女関係」といった、いわば「学問」の対極にありそうな事象について、データや文献などを駆使しながら、非常に説得力のある主張を展開していく。

ふだん、ぼくたちが抱いている「モテ」や「男女関係」についての感覚が、客観的かつ論理的に記述されていて、読みながら何回も「わかる〜!」と膝を打った。

ということで、これから何回かに分けてこの『モテる構造:男と女の社会学』で、特にうなった部分について書いていこうと思う。

※読むひと(特に女性の方)によっては、本の内容やぼくの書いてることに怒りたくなってしまうかもしれないので、そうなりそうなひとはそっとこの画面を閉じてください...


男にとっての女、女にとっての男とは?

まずは、それぞれの性別に基づいた、4通りの人間関係の比較から。

①男にとって男は「力」
②男にとって女は「美」
③女にとって男は「気はやさしくて力持ち」
④女にとって女は「謎?」

この定義の言い出しっぺは、本の著者本人ではないらしいが、どこで聞いたかは忘れたとのこと。

ただこの人間関係、ぼくたちにとってもなかなか頷けるものではないだろうか。


①男にとって男は「力」

これは、男からみた男にとって重要なのは「力」、ということである。

つまり、男同士の人間関係においては、「力=上下関係」がモノをいう。

本中で記述されていた具体例も、「たしかにな〜」と納得してしまった。

男性が同等や目下の男性に「さん」づけすると、不自然に感じられる。相手をどう呼ぶかによって、二人の間の力関係が表現されてしまう、ということは、相手との力関係が決まらないと相手を名前で呼ぶことすら難しくなるということで、これが男性同士の関係である。

小学校〜高校でのクラスには、「スクールカースト」と呼ばれる、人気の度合いに基づいた序列のようなものが存在すると言われているが、あれの個人間版、そして高校卒業後も永続的に残り続ける上下関係が、男同士にはある。

出会ってからある程度の関係性を築くまでの間に、ぼくたちは自然と「おれが勝ってる」「このひとには負けてるかも」といった感じで、お互いの力量を計っているはずだ。

著者いわく、逆にここの上下関係が安定しないと(結果は別にどっちが上でも下でもよい)、その先の関係が構築できない。あいまいなままの関係は、しっくりこないのだ。

そして、男性同士の「友情」と呼ばれるものは、通常、この力関係が「同等」と認め合ったもの同士に成立する。

ぼくたちが同期や同級生といったことを気にするのは、友情を育むにあたり、力関係が同等であることが大事な条件だからである。

なので逆に、同期で同等だと思っていたひとが、自分より先に昇進なんかしようものなら、「友情」として構築してきた関係は一気に崩壊、なんてこともある。


②男にとって女は「美」

若干センシティブなところなので、まずは責任逃れのために、本書の記述を引用する。

「男にとって女は美」とは、男性が女性を評価する場合、「美しいか、どうか」という点に目が行ってしまうことにある。

つまり、あえて極端な言い方をすれば、男が女と接するときに見ているのは、「美しいかどうか」だけなのである。

そしてこれは後述するけれども、①で述べた『男にとって男は「力」』の話とも、おおきく関係してくる。

そのまえに、本著が『見栄講座』という本から引用していた「男性にとっての彼女は、女性にとってのブランドものに相当する」というフレーズを紹介しよう。

男にとって女は、ブランド物の装身具と同じで、高級品を身につけていればいるほど、周りから尊敬されます。ですから、独身の男たちはひとり残らず、毎晩枕元で「とびきりいい女と結婚できますように」と、神様にお祈りをしているのです。

さすがにぼく自身は毎晩枕元でお祈りまではしていないけれども、言わんとすることはよくわかる。

男性にとって女性は、周囲へのマウンティングの要素も兼ねている。そしてそれは、特に同性の男に対してだ。

ここで、前述の『男にとって男は「力」』という話をつながってくる。

いくら「美」の価値観は時代やひとによってそれぞれだといっても、上下関係を築くような近い関係のひととは、生きている時代は同じだし、価値観も似ている可能性が高い。

つまり、「美」の基準がある程度は共通なのだ。

だから、(自分にとっての)美人が奥さんや彼女であることは、同時に周囲(主に男へ)の「おれはこんな美人と付き合ってるんだぞ!」というアピールにもなる。

そして、この「男同士のマウンティング」の背景には、③女にとって男は「気はやさしくて力持ち」も関わってくるのだけれど...


スタミナが尽きたので、今日はここまで。明日つづきを書きます。


★社会心理学、おもしろいです。



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