見出し画像

「いつでも会える」は「きょうも会わない」に変貌する

コクヨが、面白いサイトを作っていました。


>金曜夜限定の日用品ECサイト、なぜ開設? 運営元のコクヨに聞く


金曜の夜8時から、翌朝土曜日の10時まで訪れることができるサイトです。

ちなみに、いま(23時20分)はちょうどサイトを見れます。


今回のアイデアの出発点は、冒頭の記事によると、担当者の方の「客が興味・関心を持ってくれそうな企画にしたい」だったそうです。

たしかに、「いつでも使えること」が強みのオンラインで、あえて「使えるための条件を設ける」のは、面白いなと思いました。


まえに書いた、

というnoteともつながってくるところがあるのですが、ぼくたちはインターネットやSNSによって、とにかく人やモノに「常時接続」されるようになりました。

それがぼくたちのいろんな能力や機会を拡張してくれたことはたしかなのですが、その一方で「いつでも使える(会える)」という強みが、「だから別にきょうじゃなくてもいいや」、そして「きょうも使わなくていっか(会わなくていっか)」という弱みへ変わってしまう危険性も、ときにはあります。


そこであえて、今回の場合は「時間」という制約を設けることによって、「コクヨのこのサイトは金曜の夜にしか空いていないから、"いま"アクセスしなきゃ!」という、きっかけを作り出しています。

あとただの思いつきですけど、時間以外でたとえば「土地」に制約をつけるとすれば(インターネットの持ち味は、どこでもだれでもアクセスできるところなのに!)、北海道に住んでいる人しかアクセスできないサイト、みたいな。

北海道に住んでいる人は、少なくとも1回は見てみたくなるし、それ以外のエリアに住んでいる人にとっては、「北海道へ旅行に行ったときは、ぜひともアクセスしてみよう」と思うかもしれません。


ただ、単純に制限を設ければ興味・関心を惹きつけられるっていう簡単な話ではなくて、インターネットの特徴を意図的に消してるんだから、そこはその特徴を消したことによるデメリットを打ち消すくらいの、圧倒的な「本物のクオリティ」が求められるなと思っていて。

実際、コクヨの担当者の方も、

営業日を限定すると、「サイトにアクセスしたけれど、オープンしていなくて買えなかった」などと、購入を諦めてしまう客もいるかもしれない。企画担当者は「そうした懸念がないわけではない」としながらも、日時を限定した方が客からの興味・関心を得やすいのではと考えた

と言っているように、もちろん諸刃の剣でもあるわけです。


「中身が圧倒的に面白い」からこそ、「面白いのに制限されている→興味・関心を引き立てられる」という図式が成り立つわけであって、中身が面白くないものに制限を組み合わせても、それは単に閑古鳥が鳴くだけ。

今回のコクヨの例の場合は、中身のサイトがイケてたからこそ、話題になったと言えると思います。


ということできょうは、順番としてはまず、圧倒的に魅力的な「コンテンツ」をつくって、その面白いコンテンツに触れてもらう「きっかけ」として、あえて制限を求めるやり方もありだなという話でした!



最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!!!すこしでも面白いなと思っていただければ「スキ」を押していただけると、よりうれしいです・・・!