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一瞬の夏、を読んだ。

一瞬の夏 / 沢木耕太郎 新潮社

朝倉未来さんがメイウェザーと対戦することがなかったら、読まなかったかもしれない。ボクシングは全く知らないスポーツではなかったが、積極的に情報をとりにいく対象ではなかった。

最近、文化人類学やフィールドワーク、そして「参与観察」という行為に興味を持ち合わせており、取材対象に密着することで生まれる、熱量や説得力に改めて舌を巻いた(本作では密着どころではない関わり方にも注目)。

沢木耕太郎さんのスポーツルポルタージュといえば、こちらを数年前に拝読していた。しかも旅行中のミャンマーで。

常にスポットライトを浴び続け、栄光を手にしたまま引退できるスポーツ選手は本当に一握りだろう。逆に栄光から凋落する人、栄光に全く縁がなく、世の中に気づかれないまま、ひっそり去ってゆく人もいる。

もがき苦しみ這い上がろうする姿を刮目したい。決して野次馬根性などではない。そこには嘘偽りのない、何をしてでも前に進み生きようとする、プリミティヴな人間讚歌があるからだ。

理由もなく勇気を与えられ、自分も前に進もうと思う。読書は素晴らしい。



読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。