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【逆転の極意】先制された時のセルフコントロール #1087

おはようございます。
耳たぶにチョロ毛が出てきて、オッサンレベルが3上がった森下です。(#何を守ろうとしてるのか)

W杯で日本代表が見せてくれた見事な逆転劇。その要因をメンタルトレーニングの観点から考えてみたよ。というお話です。

<先制すると>

ちなみにこれを書いているのはスペイン戦が終わった後で、クロアチア戦の結果は知りまへん。

おそらくベストを尽くして良い試合を見せてくれてることだと思います。

さて、盛りに盛り上がってる今回のW杯ですが、その要因にはやはり過去優勝経験のある強豪国であるドイツとスペインに対して劇的な逆転劇をしたということがあると思います。

強豪国に先制を許すということは、普通に考えたら通常の失点よりもダメージはデカいはずです。そこから勝つためには2点も決めなければならないですからね。

実際にPremier Leagueの過去7シーズン中、先制点を上げたチームが試合に勝つ確率は69%、引き分けになる確率は19%、逆転勝ちの確率はわずか12%だったそうです。

Jリーグでも過去の試合データから分析をすると先制点を決めたチームの勝率は67.3%で、先制されたけど逆転勝利をする確率は13.67%です。

こうしてみると、先制点をされた後の逆転勝利をすることがどれだけ難しいことなのかがわかります。

ましてやそれがドイツやスペインという強豪国相手にやってのけたのですから、お見事としか言いようがありませんね。

<なぜ先制されるとヤバいのか>

先制点をされると勝利がガクッと下がってしまう理由にはメンタル的な理由が大きく関わっていると感じます。

強豪国に限らず(どのスポーツにも言えるけど)相手に先制を許すということは、試合の心理的な主導権を相手に握られやすくなってしまいます。

必然的に攻めなければならない状況になるわけですからね。そうなるとそこから焦りや力みが生まれやすくなります。

相手に主導権を握られてる状態では、すべての判断や行動が後手になっているということです。

「相手が攻めてくるから守れ」
「攻めてるのになぜ決め切れない」

相手のプレーに対して反応しているので、攻めさせられてる、守らされてる状況になりやすいんですね。言い換えると「集中させられてる状態」なんですね。

「ここを見てください」と言われて、そこを見るような集中には持続力がありません。

こないだのドイツ戦、スペイン戦でもそうなってもおかしくはなかったんです。

でも日本は主導権を相手に渡すことなく、良い集中をし続けていました。

そんな場面でも良い集中をし続けるためには「予測」をし続けることです。

「次のプレーはどうなるか」
「相手はどう攻めてくるのか」
「相手は何をされるのが嫌か」

そうした予測は主体的な集中を生み出します。後手にはならずに先手を打つことができる。

先制をされても、動じることなく自分たちの役割を理解し、それをこなすことに徹底していました。

特にスペイン戦。スコア的には優位だったスペインの方が、押されていた印象を感じたのは僕だけではないはずです。

<逆転のプラン>

もうひとつ大事なのが「まだいけるぞ」と思えているかどうかです。専門的に言えば自己効力感を持てるかどうかですね。

先制をされた時に「うわ、ヤバい」「もうダメかも」と感じているか、「まだいける」「こうすれば大丈夫」と思えているかでその後のプレーは大きく変わってきます。

ドイツ戦もスペイン戦も前半は我慢をして、後半に勝負を仕掛けてきました。

おそらく戦術、プラン、それぞれの役割をチーム全員が共有して理解できていたのだと感じます。

特にスペイン戦では、1戦目のドイツ戦の逆転劇のイメージが強く残っていたわけですから、逆転へのイメージは強く出来ていたことでしょう。

プラン、やるべきこと、やるべきでないことが明確になっているからこそ、集中も高まり、判断や決断も早くなります。

さらに、狙ったか狙っていないかはわかりませんが、前半をリードされた状態で終わっていたことも影響があると考えます。

リードしている相手は基本的に「今のままでOK」「このまま作戦を続けよう」となりがちです。

そこへハーフタイム明けのメンバー変更からのプラン変更。相手に対応する隙を与えぬ間に攻めていく。

まさにスペイン戦ではそのプランが的中したのではないでしょうか。試合の立ち上がり、ハーフタイム明けはチャンスなのです。

そして前半に逆転されるよりも、後半逆転される方がプレッシャーを感じます。

まだ後半あるから大丈夫と思うのか、後半に追いつかれてしまったという時間的なプレッシャーです。

ましてや格下だと思っていた相手に後半追いつき追い越されたわけですから、焦りやネガティブなイメージが出てきて空回りやすくなりますよね。

そこでも日本は油断することなく、主体的な集中で、やるべきこと、役割をこなして果たしていきます。

他にもいろんな要因が絡み合って劇的な結果を生んだわけですが、逆転をするために必要なことは、相手を感じ(駆け引きして)良い集中をし続けることです。

<まとめ>

①先制点を取られると相手に主導権を握られ、受動的な集中になってしまいやすくなる。

②主体的な集中を続けるためには「予測」をし続けること

③「いけそうだ」「これなら大丈夫」と思える具体的なプラン、やるべきこと、役割を明確にイメージすること

こう、ドラマチック体験を見させてもらうとこの後の試合も期待してしまいますよね。果たしてどうなるのか楽しみです!

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森下健(もりしたけん)
1986/10/31 埼玉県三郷市出身。
学生時代は水泳に没頭。専門種目はバタフライ。現在はトライアスロンにハマっている。青春真っ只中。
奥様と息子(5歳)と娘(1歳)の4人家族。横浜在住。
メンタルトレーニングの情報を中心に書きたいと思います。

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