見出し画像

京都の提灯問屋さんと提灯キットをつくりました。

こんばんは、先日、京都の美濃利 柳瀬商店さんと一緒に、提灯キット「まめあかり」をつくりました。こちらについての作るまでのお話を書いていきたいと思います。


提灯キット「まめあかり」について

提灯キット「まめあかり」についてですが、提灯キット「まめあかり」は創業江戸末期の京都の美濃利 柳瀬商店さんが提灯を世の中に広めたいという思いでつくった提灯キットです。

提灯キット「まめあかり」
提灯キット「まめあかり」

特別な道具を使うことなく、実際の提灯に近い作り方で提灯を作ることができる提灯キットです。提灯を実際に製作する時に必要な型もボール紙で再現されていて、和紙も提灯で有名な岐阜県の美濃和紙も使われています。火の部分は、安全なLEDが使われています。このライトは、火がついているように点滅するライトです。

美濃利 柳瀬商店さんとの出会い

話はさかのぼって、今年の2月のことでした。私は、京都のDESIGN WEEK KYOTOという京都の工房や工場などいろんなものづくりを訪問や体験できるイベントに参加していました。

私がその日の最後に訪れたのが、美濃利 柳瀬商店さんでした。工房の中でお話を聞くと、提灯に絵を描いてる所を見せていただきながら気さくに提灯について色々お話していただきました。

話をしているうちに私が何をしているのかという話になり、「モノをデザインしています、特に、工作キットとかやっています。」という話になりました。その話をすると、「ちょうど提灯キットを作りたかった。」という奇跡的なタイミングが重なり提灯キットを一緒に作ろうというお話になりました。

美濃利 柳瀬商店 六代目 栁瀬憲利さん

キットを考えるが、うまくいかず。

京都から家に帰って、提灯の作り方をyoutubeで確認しました。普段、何気なく、見ている提灯ですが、こうしてみると、かなり作りこまれていると思いました。

そんな中、まず初めに検討したのが、提灯の型です。こちらは、実際は木材で作られていますが、意外と重いのではないか?キットを作り終えた後、必要なのか?販売する時のコストがかかるのではないか?など懸念点を抱いたので、紙にしようと決めました。

そして、最初に見よう見まねで作ったのが段ボールで作った型です。カットしながらも薄々気付いていましてが、組んだ時にふにゃふにゃです。これでは、これから巻く、骨に耐えることができないと思い、断念しました。

一番最初のプロトタイプ

うまくいかないなあと思いながら、栁瀬社長の元に行き、こちらの段ボールを見せに行くと、「うまくできてますね、仕組みは同じですよ。」とありがたい言葉を言っていただき、頑張ろうと思いました。そして、実際の提灯の型をいただき、これを参考に作ることにします。

キットが完成と思いきや、

他に良い方法がないかなと思い、検討した結果、ボール紙が良いのではと思い、ボール紙を購入し、ボール紙で型を作ることにしました。骨に関しては、今回制作する提灯のサイズ的に、竹を使うのは難しいと判断して、紙が巻かれたワイヤーを採用しました。

これを考慮して、試作品の完成です。あとは、実際に作ることができるのか、検証です。検証は、提灯を作ったことがない方々を美濃利 柳瀬商店さんで集めてもらい、検証を行いました。

検証の様子

結果、、

うまく、作れる方はいませんでした。型をうまく組めなかったり、提灯の骨をうまく巻けなかったり、和紙を貼り付けることが難しかったり、と課題が多く残るものとなりました。

自分が考えたものだからこそ、違和感なくできるものであって、実際にユーザーがやるのでは難しいもので、改良が必要であると感じました。ただ、これらのことをネガティブに受けとめるのではなく、より良いものができるとポジティブに受け入れ、改良をしては、検証していただき、また問題が見つかっては、検証していただくというプロセスを繰り返し行いました。

そして、完成!!

検証を繰り返すこと、半年後のことです。初めての方でも作れるものが出来上がりました。最初に起きた問題点に関しては、以下通りの解決方法で行いました。
・型をうまく組めない
型同士に切り込みを入れて、一度、組んだら外れにくいものにしました。切れ込みが、型の組む場所の印となって自然と組みやすくなりました。
・提灯の骨をうまく巻けない
骨(ワイヤー)の先端をフックのようして、型に引っ掛けて巻けるようにしました。これにより、巻いている時に巻き骨が型から外れません。
・和紙を貼り付けることが難しい
木工用接着剤を直接つけることで、細いワイヤーでもつけやすく、くっつけやすいものとしました。また、型にビニールテープを貼ることで、和紙と型が型を抜く時にくっつきにくいものとなりました。

型とワイヤー

他にも和紙の調整や、サイズの大きさなども美濃利 柳瀬商店の皆さんと話し合いながら決めていきました。

検証していただいている中で、検証に参加してくれた方から「街の提灯が気になるようになった。仕組みが分かると面白い。」なども声も聞こえ、大変嬉しい気持ちになりました。

いざ、販売へ

検証を終え、この提灯キット「まめあかり」をMakuakeで先行販売を行うことを決めました。その時、提灯キットの名前を栁瀬社長に相談した所、「この提灯キットできた提灯のサイズは提灯の一番小さいサイズである豆と同じくらいだから、まめあかりが良いのではないか?」と意見をいただき、提灯キット「まめあかり」と命名しました。私も可愛らしくて良い名前だと思いました。

提灯キット「まめあかり」は現在、Makuakeにて販売中です。ご興味ある方はご覧いただければ幸いです。
提灯キット「まめあかり」を通して、提灯がより身近なものになってほしいと願っております。

読んでいただきありがとうございました。

【提灯キット まめあかり】
提灯の作り方が体験できる本格的な提灯キット。
創業江戸末期の京都の提灯問屋、美濃利 栁瀬商店が「提灯をもっと身近に感じてほしい」という想いから、製作。型から骨組みまで組むことができ、火袋の和紙は、実際の提灯でも使用している岐阜県の美濃和紙を使用しています。灯りは、実際の火が点滅しているようなLEDライトとなっています。

<必要な道具>
はさみ、木工用接着剤、マスキングテープ、瓶
<セット内容>
型用ボール紙、台紙、針金、和紙、LEDライト、説明書

よろしければサポートお願い致します。いただいたサポートでモノを作ってnoteで発表していきたいと思います!