見出し画像

COMPOSITION 04 〜参加から展示まで〜

11月3日(木)〜11月6(日)まで松屋町のPAGE GALLERYで開催されたCOMPOSITION 04という展示会に参加しました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

私は、シルバーマントという作品を展示させていただきました。今回も参加から作品の制作について当日の展示会の様子など書いていきたいと思います。

シルバーマント

COMPOSITIONとは

COMPOSITIONは関西在住の若手デザイナーの創造性を研鑽するプロジェクト。
プロダクトデザイナー江口海里が毎回テーマを設定し、 参加デザイナーが可能性を模索、検討したプロセスと成果を発表する展示会です。

COMPOSITIONのWEBサイトより

COMPOSITION自体については江口さんのnoteでも書かれていますので、そちらを参照してもらえればと思います。

テーマは白銀比

今回、江口さんからいただいたテーマは、「白銀比」です。白銀比とは縦と横の比率が全体が1:√2である比率のことで、コピー用紙のAサイズにも使われるなど馴染みのある比率です。

いただいた初めの時は、前回の「両面性」よりも具体的で取り組みやすいテーマであるなとも思いました。

初めに思ったのは、「折り」で何かやりたいということでした。元々、仕事で紙との接点は多いため、これを活かしたもので売れるプロダクトができたら売りたいという気持ちもありました。

そう思って、折りの本を買って折りについてリサーチを始めました。やっていく中で、折るという行為の魅力、一枚の紙がこんなにも変化するということに喜びも感じました。

そうしながら、最初にできた作品はこちらの作品です。

これは、上と下を反転させることで色が変わる紙袋です。折り線を堺に交互に色がついているので、動かした時に色が変わります。

この作品をミーティングで発表してみると、参考として見方によって色が変わるプロダクトを見せてもらえました。ああ、良い事例を見れて良かったと思ったと同時に、何かこれで良いのかなとも思いました。

白銀比についてもう一度考える

ミーティング後、せっかくの機会なのだから、事例がないものを作りたい、チャレンジしたいという思いの方が強まりました。また、この作品は白銀比ではないものでも作れるではないか、コンセプトに白銀比の要素をもっと入れたいとも思いました。

そして、もう一度、白銀比について考えることをしました。今まで調べた情報を整理すると、白銀比は、法隆寺や銀閣寺などの建築、キティちゃんやドラえもんなどのキャラクターにも使われています。

しかし、これは全体像を見て、白銀比とみたもので、白銀比を多く取り入れたものはないのではないかと考えました。

早速、実験で白銀比で作ったをたくさん並べてみました。

実験資料

並べてみると並べた時の模様が爬虫類の皮膚的な的な生物的なものを感じました。さらに調べてみると白銀比と生物の細胞について関係があることがわかり、これでいこうと確信が持てました。

爬虫類の皮膚的な要素から丈夫さをイメージされ、防災用のアルミシートを最初は思い浮かべましたが、自分の想いとして、機能を優先するプロダクトではなく何か抽象的なことが作りたいと考えていたので、防災のプロダクトではなく、白銀比の実験的な作品として作り出そうと決めました。

実験したエンボス


988個のエンボスをつける

アイデアが決まったので、早速制作に取り掛かります。まず、イラストレーターで人が覆えるほどの大きさの長方形(1189mm×1682mm)に988個の長方形データを作成します。これはイラレで手作業でやりました。本当は、プログラミングとかでできたら楽だったのかもしれませんが、技術不足でできませんでした。

次に、MDFボードを先ほど作ったイラレデータでレーザーカッターを使いカットしていきます。レーザーカッターは堺筋本町にあるTHE DECKさんのものを利用させていただきました。

レーザーカッターでカット

これで木型の完成です。次はエンボスの作業です。
キャンプ用のアルミシートを繋ぎ合わせて、その上にオーロラフィルムを貼ります。オーロラフィルムはエンボスを強調させるためにつけました。

ここからが大変です。アルミシートに木型を押し当てトランサー(ボールペンのようなもの)で一個一個エンボス加工をしていきます。

1個1個つけていきます

大変でした。記録写真をもっと撮っておけばよかったと思ったのですが、その気力がありませんでした。特に、エンボスの量も多いに加え、一人暮らしの1Kには大きすぎるものでした。

作業のたびに、椅子とテーブルを移動させないといけなかったので、本気で作業場が欲しいと思った瞬間でした。仕事終わりにこの作業というのもしんどい作業でした。

木型

designboomにのった!

作品が完成すると、江口さんに写真を撮ってもらい、展示の準備に取り掛かる段階に入るのですが、今回の展示メンバーが各作品の翻訳の提案をしてくれて、作品が翻訳されることになりました。

私は、せっかくだからイタリアのデザインメディアのdesignboomに投稿しようと考え、投稿してみました。すると、載せてもらえました。頑張ってエンボスして良かったなあと思った瞬間でした。

生命をきわださせるためにボサボサで撮影に挑みました

展示の日

いよいよ展示の日です。前回よりも開催が短い分、来場者は来るのだろうか、シルバーマントは受けいられるだろうかと不安な気持ちもありつつ、開催されました。

結果、来場者は100名近くもこられました。前回に続いて2回目の方もいて嬉しかったです。また、私のSNSも見てくれていた方もいて、SNSはあまり得意じゃないけどやっていて良かったと思いました。

以下、シルバーマントのいただいた感想です。

・爬虫類みたい、虫みたい
・オーロラが綺麗だね
・どうやって作ったんですか
・ファッションとしても使えそうだね
・鞄にしたら面白いね
・こんな防災道具あったら欲しい
・前回の作品と振り幅ありますね
・これは手で手作業なんですか

などなど、ありがたい意見をたくさんいただきました。

展示中の様子

会期中にはカクテルパーティーも開催されて、展示メンバーや来場者の方とたくさんお話しすることができました。普段、会社で働いているだけでは話せないような同世代や学生の方、フリーランスの方など話せて自分の世界が広がった気がします。

こういった関係を持つとともに何か継続できるような関係にもなりたいとと思いました。

今後の展開

シルバーマントは今後の今回の展示で終わりではなく、どこかで展示できたり、発展したりできたら嬉しいです。今後の発展方法についても考えます。前回のPETBEDもほんのちょっとではありますが、前進している最中なので、継続を頑張りたいです。

最後に

今回もプロデュースしていただいた江口海里さん、展示準備をご協力していただいた皆さん、今回も本当にありがとうございました。打ち上げの時に江口さんの大阪のデザインへの想いを聴けて良かったです。私も何か力になれればと思います。
また、今回一緒に展示していただいたメンバーの皆さん、皆さんのモチベーションは自分自身の刺激になりました。話せて楽しかったです。

ここまで、読んでいただきありがとうございました。

Photo by KAIRI EGUCHI
制作協力 THE DECK

プロデューサー/ディレクター
江口海里
参加メンバー
甘塩 / Daen / 吉澤健太 / 古井翔真 / 大津寄信二 / おさまるおさめる研究会 / 筒井喬之 / YOSUKE SHIMANO / 塚本裕仁

よろしければサポートお願い致します。いただいたサポートでモノを作ってnoteで発表していきたいと思います!