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水田復活プロジェクトのことを食べる通信の編集後記で書いたのでこちらにも

水田復活プロジェクトという名前を掲げて、耕作放棄された水田を市民の皆さんと一緒に復活させようと取り組んできた。

ちゃんとお米ができるのに何年かかるかと思っていたが、1年でできたことは耕作放棄地の復活に時間がかかるという先入観を少し変えることができたのかもしれない。1年を通して継続した活動をすることで、見えることは多かった。まず、継続して参加する方がとても多かった。

田植えや稲刈りのイベントはよくあるが、それ以外のお世話の部分にも楽しんで、積極的に作業をしてくれる方が多かった。そして、感想はまた来年もやりたいと。当初に思っていた以上に反応があった。よく取材をしていて、自分の話は面白くないと思いますよという生産者さんがいる。はっきりと言おう、絶対にそんなことはない。おいしいものを作ろう、育てようとする仕事には絶対に心惹かれる部分があるし、それは伝わる。現に、今回の参加者には確実に伝わっているものがある

このプロジェクトを通して、確信したことがある。農業の魅力は、まだまだ伝えきれていないし、それを知りたい人は多いということだ。もしかすると、松戸という人口も多く、都市に近いからできるんだという人もいるだろう。果たしてそうだろうか? 今回、ねぎ農家の唐澤さんと一緒に取り組んだ耕作放棄地の復活は、周りからは1年では無理、何年かかるかわからないと言われていた。

たしかに、経験としてそういう場合はあっただろう。しかし現に、復活した。実際にお米を食べても、おいしいお米だった。経験というのは役立つことも多い。ただ時にそれが成長を止めてしまうこともある。うちは田舎だから、農業に興味がある人は少ないという話をよく聞くが、それは本当だろうか? 実際に農家じゃない人はいないのだろうか? もしかすると農家こそ、他のやり方を知るチャンスかもしれないのだ。どの業界でも、それは無謀だ、無理だという話はあるだろう。

創刊3号目で特集した、山武のいちごは、減反政策で田んぼの転換を迫られて、いちごを始めた人がいた。当初はいちごなんて無理だと言われたそうだが、今では、それが街の名産として大きな産業になっている。何事もやってみることでチャンスは広がるのだ。

そういった意味でも今回の水田復活は大きな気づきを与えてくれた。そして何よりも、この活動を楽しい、またやりたいと農業に対して前向きに感じる人が多い。専業でなくても、忙しい時、自分ができる時にはやりたいというのは、新しい仕事の仕方かもしれない。これは本当にチャンスだ。人手不足だから、、、その対策に何をしてきただろう。できる方法が一つ見えてきたのではないかと思う。

そして、大人から子供まで本当に年齢幅広い参加者同士が自然と交流している姿は、これこそ地域活性化ではないだろうかと感じた。この1年、唐澤さんには大変お世話になった。この活動はこの先、農家さんにとって一つの参考になる形に、仕上げていこうと思う。来年もまた楽しみにしてもらえたらと思うのと、ぜひ機会があれば、松戸まで体験をしにきてもらいたい。百聞は一見にしかず、ぜひ自分の目で何が起きているのか、見てもらえたらと思う。

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