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-Day 1- イスラエル3.5日間の滞在で1000人に夢を聴く(後編)

後編です。

『エルサレムで突撃バイトした24歳の日本人は、僕』


-葛藤から決断へのスピード

そんな葛藤を抱えながらも、Old city へと足を進める。

その中で、自分は今の気持ちを思い切って友人に言ってみることにした。
「さっきあんなこといったけど、自分には今1000人に聴くっていう"課題"があって、特に、ターゲットっていうのも決めてないわけで、なのに今、人を選ぼうとしている。これって、自分に対しての甘えなのかもしれない。」

友人は静かに僕の話を聞いていた。

そして僕は、続けた
「うん、決めた。聴くわ。まだ数十人にしか聞いてないのに人を選ぶという結論を出すのは早いかもしれない」

そこからOld cityまでの道中、そんなに人は多くなかったが、積極的に聞いて回った。

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Old cityに着き、門をくぐると、そこはもう商店街がひしめき、観光客でごった返していた。

商店街で話を聞いても営業妨害になるだろうし、ごった返してる中、止まって聴くのも難しい。

どうしたらいいか分からずとりあえず、別の門へ向かおうと足早に歩を進めた。

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別の門から出ると大通りにでた。そこは、さすが安息日と言わんばかりの静かな景色が広がっていた。

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お店は1つもやっていない、路面電車も走っていない。ちらほらと現地の人であろう人がいるくらい。

よし、ここで聞いていこう。早速ペンとノートを持ちながらどんどん聞きにいった。

質問をすると、真剣に、にこやかに答えを返してくれる人が大勢いて非常に嬉しかったのを覚えている。

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-無知による恥

そんな幸せな時間も束の間。

インタビューをしていると
超正統派と言われる黒いスーツに黒いハットを被った男性が僕たちに近づいてきた。[画像はイメージです]

そして、突然、
「何をしているんだ」
とすごい形相で聞かれた。

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僕たちは、こういうことをしていて、話を聞いていただけなんだ、と話すと

「今日は、安息日(シャバット)なのを知らないのか?安息日にユダヤ人に声をかけるんじゃない」

と言われ、無知な自分を恥じながら、声をかけてはいけなかったのか、知らなかった、教えてくれてありがとうと言い、彼は去っていった。

凹んだ

さすがに、凹んだ。

というより、申し訳なさの方が強かった。

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安息日、人に話をしてはいけないなんて知らなかった。でも知らなかったで済ませれるわけではない。にこやかに答えてくれていた人も、こいつマナーなってないなぁって思われたのかなぁなどと、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

※後ほどAirbnbのホスト(ユダヤ人)に聞くと、安息日に日にペンを持たせてはいけないだけで、話かけるのは問題ないとのこと。

-打開策という名のフレッシュジュース屋さんとの出会い

さて、安息日の日にユダヤ人に話しかけてはいけないといわれても、だれがユダヤ人で、だれが違うのか、日本人の僕たちの目では正直見分けがつかない。。。。どうしたものか、場所を移せばいいとかの問題ではない。そもそも、やってはいけないことをしてるのだ。。。

「もう一回Old City戻ろう」

Old Cityは観光客で人があふれている。ということは、聞ける人もたくさんいるわけだ。でもあの状況でどうやって聞く?考えた結果、僕にはアイデアがあった。できるかどうかわからないけれど、アイデアだけはあった。

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Old City に戻った僕たちは案の定また、人ごみの中に入った。商店街の人たちがお土産品を売っている姿を横目に目的地の場所へ歩を進めた。

着いた。

でも、最初は通り過ぎた。

心に迷いがあった。

「ダメだろうきっと。やめよう。」

少し進んでから、

「何考えてんだ。やってみなきゃわからんだろう。ここで終わらせたら何しに来たんだ」と自分を奮い立たせた。

友人に、

「ごめん、さっきのお店まで戻る。」とだけ言い残し、踵を返した。

とある、フレッシュジュース屋さんの前で僕は止まった。そして目の前にいるアラブ人であろう人にこう言った。

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「僕は日本人で名前はケントっていいます。イスラエルで1000人に夢を聴くっていう個人的なプロジェクトをやっているんだけれども、今日は安息日でなかなか人と話せない。だからここで1時間だけバイトさせてほしい。ジュースは作れないけれど、声を出して客を呼ぶことはできる。その代わり、客が来たら、夢を聞ききたい。いいですか?」

フレッシュジュース屋さんのおっちゃんは、無言で僕の話を聞き、親指を立ててgoodのサインをした。

「え?いいの??」思わず僕は聞いてしまった。

するとおっちゃんは、

「中入りな。」と言い僕は店の中に入った。
店の中に入ったといっても小さいフレッシュジュース屋さんの中だ。

さっきまでおっちゃんが声かけをしていた場所に誘導され、

「ここでやってみるか?」と言われ、僕は力強く返事をした。

-さあ。ここからが勝負だ!

「ようこそ!フレッシュジュースだよ!ものすごくおいしいよ!どう?そこの君!1杯15シェケルだよ!飲んでかないかい?」

目いっぱい声を出し、客寄せをした。周りの商店街の人から、変な目。というより、ニヤニヤした目で、変な人がいるなあ笑くらいで見られた。商店街の子供たちも何やってんだあのアジア人と言わんばかりで、ニヤッと笑ってこっちを見ていた。

通り過ぎていく観光客も、驚くというより、ニヤッと笑ってくれる人が多かった。その中でも少しづつ、物珍しさに人も集まってきた。

そこで一人ずつ、夢を聞きながらジュースを売りながらをしていた。
おっちゃんも協力してくれて、

「ジュース買った人は、こいつに夢を教えてあげてなー」

くらいのテンションで声をかけてくれた。

少しずつ人が集まった後、おっちゃんが、

「どれ、もっと人を集めるにはどうしたらいいか教えてやるよ」

と、言い、店前に立つと、世界のあらゆる言語で、どう?ジュース飲まない?と声をかけていた。

おお、すげえと思いつつも、おっちゃんの呼びかけには、、、、、正直あまり、人は集まらなかった。笑

気を取り直しえて、その後も、呼びかけを続けていると、隣のお店のおっちゃんが「お前の声うるせー!」と怒鳴られたりもしたけれど、周りは笑って、気にするな、どんどんいけ!声をかけてくれた。

そんなこんなで1時間を軽く過ぎ、色々な人に夢も聴けたし、

なにより

エルサレムでやってやった!

という気持ちだった。多分、エルサレムのOld Cityで突然バイトさせてほしいと言って1時間強働いた日本人は僕だけじゃなかろうか。

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右から二番目が例のおっちゃん。その両隣は息子とのこと。
ちなみにお父さんの夢は、「世界を廻ること」
お父さんの左にいる兄(15)は、「エアコンを作ること」

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お父さんの右にいる弟(13)は、「お父さんみたいになること」

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帰り道、もう夕暮れだった。そんな中僕の気持ちは充実していた。よし。よくやった。よくやったぞ。俺。と言い聞かせながら、帰路についたのを覚えている。と同時に、1000への道は遠い、、、

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もちろん、帰り道にも声をかけながら歩いて帰った。

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家についてシャワーを浴びると、気づいたらベッドに吸い込まれるように寝ていた。

-余談-

サングラスをかけながら1日中歩くとこんなに日焼けします。

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1日目終了

夢を聞けた人数:92人

残り:908人







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