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禅寺の徒弟がゆくーチベット僧院留学記ー

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チベット僧院デプン・ゴマン学堂への留学で学んだことや体験したことを書いています。
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#仏教

ゲルク派試験受験者の学習風景ーラプラプー

ゲルク派試験受験者の学習風景ーラプラプー

先日、ゴマン学堂の御堂のある建物に行き、ゲルク派試験受験者が学習しているところを見学してきた。

ゲルク派試験を受験する前提として、本山セラ大僧院、デプン大僧院、ガンデン大僧院では15年以上にもわたる仏教学習のカリキュラムが組まれている。その間、僧侶は論理学・般若学・中観学・倶舎学・戒律学を学ぶ。進級するには年度末試験に合格しなければならない。

各僧院のカリキュラムを全て終えると、次はゲルク派試

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夏安居が明けて長期休暇へ

夏安居が明けて長期休暇へ

インドの夏は雨が多く、草木が生い茂り、虫たちが活発に活動する。そんな時期に外を歩けば虫たちを踏み潰してしまうかもしれない。僧侶は動物の無用な殺生を避けなければならない。それで釈尊の時代から、夏の雨が多く降る時期は僧侶が一箇所に止まって修行をする期間が設けられている。この期間は夏安居(げあんご)と呼ばれる。夏安居は、内容の差異が多少見られるにしても、地域や宗派を問わず世界中の仏教寺院で行われている。

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デプン・ゴマン学堂年度末試験が開催中!!

デプン・ゴマン学堂年度末試験が開催中!!

チベット大僧院に在籍する僧侶は、各僧院で決められた課程に沿って仏教を学び、毎年試験を受けなければならない。

履修科目は大まかに分けると、仏教基礎・論理学基礎・認識論基礎・般若学・中観学・倶舎学・律学がある。

僧侶はこれらの科目を一つずつ履修し、毎年試験を受ける。試験に合格できなければ留年することとなり、再び学び直して次の年にまた試験を受けなければならない。ゴマン学堂では全ての科目を履修し終える

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ゴマン学堂長ケン・リンポチェに謁見

10月17日に日本を出て、長旅を経て18日に無事デプン・ゴマン学堂に到着。日本からデリーへは直行便で9時間半かかる。そしてデリーからフブリ(ゴマン学堂の最寄りの飛行場)までは1回乗り継ぎを挟んで約6時間かかった。

飛行機ではじっとしていればいいだけだがなかなか疲れるものだ。デリーでもう一泊してもよかったかもしれない。

本日はゴマン学堂長ケン・リンポチェ・ロサン・ゲルツェン師へご挨拶に伺った。写

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留学に向けて

島根県にある小さな禅寺に生を受けて以来、私は仏の教えに囲まれて育った。

小学校に上がると、毎日朝早くから父と兄と一緒に本堂でお勤めするようになった。10歳の時に得度してからは、小僧として近くのお寺の法要や檀家の法事等に随喜させてもらった。中学生にもなれば仏教を勉強し僧侶として生きていきたいと思うようになっていた。この時はただ僧侶に囲まれて法要に随喜することが楽しく、父の説法をする姿を見て、自分も

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