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【円は日本の価値💴】止まらない円安圧力と高まる為替介入への危機感💦:日経新聞解説🌟 2023/08/18

日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!

円146円台半ば、為替介入に強まる警戒 3週間で8円安

 円安が加速している。円相場は1ドル=146円台半ばと9カ月ぶりの水準まで下落し昨年9月に政府・日銀が円買い介入した水準を下回った。
米金利上昇が引き金となり、3週間で8円も円安方向に振れた。急ピッチな下落を受け、市場では介入への警戒が高まる。

 円は16日のニューヨーク外国為替市場で1ドル=146円台を付け、17日の東京市場でも146円台で推移した。2022年11月以来の円安・ドル高水準となる。
7月28日に日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正を発表した直後に1ドル=138円前後まで円高が進んだ。円はその後3週間で8円も下落した。

米金利上昇続く
 円の急落を受け、がぜん介入への注目が増してきている。政府は「行き過ぎた動きには適切な対応を取る」(鈴木俊一財務相)と為替相場の過度な変動を抑えるために介入をするという立場をとる。市場では円安の水準とともに進行スピードが重要とみる向きが多い。

 政府・日銀にとって悩ましいのは、今の円安が米金利の上昇に起因していることだ。米長期金利は足元で4.3%前後となり、10カ月ぶりの水準まで上昇した。

 背景には堅調な米景気がある。10日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸び率が13カ月ぶりに加速。16日に公開した7月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨でも大半の参加者が「さらなる引き締めが必要になるかもしれない」と認識していることが明らかになった。

防衛ライン意識
 日本の長期金利もYCC修正前の0.4%台から0.6%台まで上昇した。だが米長期金利の上昇幅が上回り、日米の金利差は3.6%程度とYCC修正前より拡大した。
さらに日本の実質賃金は減少が続き、足元の物価高に賃金の上昇が追いついていない。円安を止める材料を日本から提供する余地は限られる。

 政府・日銀は昨年9月22日、24年ぶりに円買い・ドル売り介入に踏み切った。同日の円の安値は1ドル=145円90銭で、市場では政府の防衛ラインの目安として意識する声が多かった。
足元の円安の進み方は昨秋に匹敵し「いつ介入があってもおかしくない」(バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジスト)との指摘がある。

 円安による物価高も介入への警戒を高めている。特にガソリン高は生活に自動車が欠かせない地方住民の懐を直撃する。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは「消費者の不満がたまり、政府が介入への判断に傾きやすい状況にある」と読む。

 米商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッジファンドなどの円の売越額は足元で1兆円前後と昨年9月と同程度まで膨らむ。
昨年は介入後、10月下旬以降の3カ月で25円も円高が進んだ。介入を意識しつつ政府の姿勢を試すようにじりじりと円安が進む展開となる可能性がある。

23/08/18 日本経済新聞 朝刊 1ページ 1175文字

記事に対するコメント📝

経済学部を卒業する以上、周囲よりも
金利や為替レートといった
経済のファンダメンタルズについて正しく
理解しておかなくては、経済学部での
知識習得は意味がありません🥲

経済の仕組みや重要な変数の動向を
正しく理解することができれば
きっとビジネスでも活用できる
チャンスが増えると思います

何より金融リテラシーが求められる
時代ですから、このような取り組みは
将来に繋がると信じています

経済学理論解説:金利平価🌟


登場する記号一覧は、以下の通りです

$$
S : Local  currency  exchange  rate \\
i =  Interest  rate  \\
( i = 1, …, n )\\
I : Investment  or  Profit \\
* : Foreign  Variables \\
F : forward  rate \\
e :  Expectation  value
$$

金利平価と実質金利

財市場において価格を指標とした裁定を通じて一物一価の法則が成立するのと同様に、
資産市場においては、異なる通貨建て資産から得られる利子収益を指標として、共通通貨建てに換算した利子収益が裁定を経て均一化すると考えられます

この考え方は、金利平価( Interest Parity)と呼ばれています

ここで、資産の満期が1年である
自国通貨建てと外国通貨建ての資産の金利を
それぞれ it 、it* 、資産を購入する時点と満期時の為替レートをそれぞれ St 、St+1 、投資額を It とした場合、自国・外国通貨建て資産に投資した場合の1年後の収益額(Id & If) は以下のとおりに定式化できるのです

$$
I_{t+1}^d = I_t ×(1+ i_t) \\    \\
I_{t+1}^f = (\frac{I_t}{ S_t}) ×(1+{i_t}^*) \times{S_{t+1}}
$$

金利平価が成立する場合、上2式が等しくなるとされています

要するに、自国と外国で同じ額の資産を同じ
期間運用した時に得られる収益に差がない
ということです

ここでの関係を整理すると、金利平価の成立を表す下式①(金利裁定式)が得られるのです

$$
Interest  Power  Parity \\   \\
(1+i_t)=(1+{i_t}^*)×(\frac{S_{t+1} }{S_t})…①
$$

金利平価が成立するための条件💎

金利平価が成立するためには、財市場における一物一価の法則の成立と同様にある条件が存在します

①国際資本取引に対する障壁(為替管理
先物為替予約の不履行リスク、利子課税など)が存在しないこと

②資本取引コストが存在しないこと

③資本収益に関する情報が取引主体間にて
完全に共有されること

という条件が満たされる必要があるのです

資産市場と財市場との性質の違いから
購買力平価の成立条件に比べ
金利平価の成立条件は(少なくとも先進国間の資本取引においては)比較的容易に満たされることがわかりますね🤔

他方、①式において重要なポイントは
外国建て資産の購入時に、満期時の為替レートが予見できないことであります

投資家が将来の為替レートをいかに捕らえるかによって、2種類の金利平価の考え方が存在するのです

カバー付き金利平価(Covered Interest Rate Parity: CIP)

投資家が為替リスクを嫌うならば
外国建て通貨資産を保有する際に、先物市場での為替の先渡契約を通じて収益額を確定させることができますね

つまり、満期時(t+1 時点)にドル資産の収益額を先渡レート(F)で売却するという契約を結ぶことにより、資産購入時(t 時点)に円建て収益額が与えられることになるのです

この場合の金利裁定式は以下の通りになります

$$
Covered  Interest  Rate  Parity\\
CIP: (1+ i_t) = (1+{i_t}^*) \times(\frac{F_{t,t+1}}{ S_t} )\\    \\  \\
or  i_t = {i_t}^* + f_{t,t+1} - s_t  …②
$$

なお(ft,st)は自然体数値を表す値になります
要するに変化率を表しているということです

この関係は、先渡契約により、カバーされた無リスクの裁定条件であるという意味から
「カバー付き金利平価(Covered Interest Rate Parity: CIP)」と呼ばれるのです

なお、上式の右辺の fは
「先渡プレミアム(もしくは現先スプレッド)」と呼ばれ、CIPが成立するためには、内外金利差が先渡プレミアムと等しくならなければならないことがわかります

例えば、満期時における先物レートが直物レートより1%下回っている(自国通貨高)場合、外国金利は国内金利を概ね1%上回っている必要があるということです

CIPは、国際資本取引に対する障壁がない限りにおいて成立します

事実、日米間の3 ヶ月物預金金利差とカバー付きの金利平価を示す資料からは、両国間の現先取引が完全自由化された 79 年 5 月以降、両者がほぼ同一の軌跡を辿っているというデータがあります

カバーなし金利平価(Uncovered Interest Rate Parity: UIP)

前回の投稿では、カバー付き金利平価について学習しました

$$
Covered  Interest  Rate  Parity\\
CIP: (1+ i_t) = (1+{i_t}^*) \times(\frac{F_{t,t+1}}{ S_t })\\   \\
or  i_t = {i_t}^* + f_{t,t+1} - s_t  …②
$$

この式よりわかることは、先渡契約により
カバーされた無リスクの裁定条件
であるということでした

しかし、国際資本投資を行う主体の全てが投資に先物カバーを行うものではありません

すなわち、将来の為替レ ートに関する投機的な判断に基づきオープン・ポジションをとり、収益の獲得を図ることも充分想定されます

この場合、満期時(t+1 時点)の為替レートは、t+1 時点の先渡レートではなく、
投資家の期待為替レートによって表現されることになるのです

これをカバーなし金利平価(UIP)と呼ぶことにしましょう

$$
Uncovered  Interest  Rate  Parity \\
(1+i_t ) = (1 +{i_t}*)\times(\frac{{S_{t+1}}^e}{S_t})\\    \\
or,  i_t  ≒ {i_t}^* + {s_{t+1}}^e-s_t・・・③
$$

ただし、小文字の(s)は、自然対数値を取った値と考えてください

要するに、変化率に近似したような値で表現しているということになります

上式の関係は
「カバーなし金利平価(Uncovered Interest Rate Parity:UIP)」と呼ばれ、
上式右辺の第二項と第三項は自国通貨の期待減価率を示しています

$$
Expected  Depreciation  Rate\\
=[{s_{t+1}}^e-s_t]
$$

UIPが成立する状況

では、いったいUIPはどのような場合に
成立するのでしょうか?

一緒に考えていくことにしましょう
ここで、CIPにおける先物レートとUIPにおける期待為替レート の差をリスク・プレミアム(rp)と定義することにします📝

$$
Risk  Premium\\
rp≡ f_{t,t+1} - s_{t+1}^e・・・④
$$

上式④のリスク・プレミアムが
正の値をとる場合について考察しましょう

すなわち先物レートが期待為替レートよりも
切り下がっているケースです

より具体的な数値例を考えると、先物レートが 1 ドル 120 円、期待為替レートが 110 円で
あったと状況設定しましょう

ここでは、投資家による期待の平均値が 110 円である一方で、リスク回避的な選好を有する投資家は、円が大幅に減価する(例えば 1 ドル 130 円になる)可能性を考慮して、120 円における先物取引を行うかもしれませんね

これはつまり、ドルに比べて円の為替リスクが大きいことを示しています

逆に、上式④のリスク・プレミアムが負の値をとる場合には、ドルの減価に対して プレミアムを支払うことを意味しますね
これは、円に比べてドルのリスクが大きいことを示しています

これまでの議論を整理すると、UIPが成立する場合は、上式のリスク・プレミアムがゼロとなることが必要です(rp=0)

これはつまり、為替リスクの面でドルと円が同一である状態です

すなわち自国通貨建て資産と外国通貨建て資産が完全代替的であることを示唆しています

資産市場における経験が示す通り、内外通貨建て資産が完全代替であることは想定し難く
UIPは必ずしも成立しないことが多くの実証分析においても示されているのです💦


本日の解説は、以上とします📝

ぜひ、これらの知見をベースとして
実際の世の中の経済動向に当てはめて考えていくという応用を効かせ経済の仕組みを基礎的モデルからご理解されることを推奨いたします💗

一緒に毎日インプットする習慣を身につけて、アウトプットの機会をたくさん創出できるように取り組んでいきましょう

付録:私の卒論研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥

関連記事のご紹介📗

また以下、OECDのデータサイトより為替レートの時系列を記載しました


ご興味のある方は、ぜひご覧ください💝

マガジンのご紹介🔔

こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
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あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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