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【日経新聞解説📰】現在のアメリカ経済情勢を徹底的に考察した結果🔥

日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!


米連邦準備理事会(FRB)による金融政策運営の方向性

米利上げ、手探りの到達点 FRBが11会合ぶり停止、物価見通し誤算続き 「あと2回」疑う市場

【ニューヨーク=斉藤雄太、ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利(総合2面きょうのことば)を据え置くと同時に、年内の到達点の見通しを引き上げた。

粘り腰の米経済や根強いインフレ圧力が背景にあるが、将来の急激な景気の冷え込みを招く「引き締めすぎ」への不安も増している。
追加利上げの実施に市場は懐疑的な見方を示す。(関連記事を総合2、金融経済、グローバル市場面に)

 利上げは11会合ぶりに止まったものの、FOMC参加者による年内の政策金利の到達点予測(中央値)は5.6%に引き上げられた。
足元の政策金利は5.0~5.25%。
0.25%ずつの利上げ幅なら、少なくとも次々回の9月会合まで終結できないことになる。

 しつこいインフレを踏まえて利上げの到達点を引き上げるという展開はこの2年間で繰り返されてきた。
まだインフレは「一過性」との立場を堅持していた2年前は、参加者の予測中央値で2023年末の政策金利を0.6%と見込んでいた。
インフレ定着のリスク認識を改め、既に利上げを始めていた1年前でも同3.8%とみていた。

 「ほぼすべての参加者がさらなる金利の変更(利上げ)を必要だと考えている」。
パウエル議長は14日の記者会見でこう強調したが、今回は政策金利を据え置いた。
ややちぐはぐに映る対応に景気の先行き不安やFOMCメンバー内の認識のズレが垣間見える。

 「短期金利は1年あまりで5%上昇したが、(家計の消費や企業の投資など)需要側が金利上昇の影響を十分に感じるのに1年は十分な長さとはいえない」。
5月末、バイデン政権がFRBの副議長候補に指名しているジェファーソン理事は、利上げの効果が時間差で実体経済に表れることを強調した。

 米経済には今後、他の逆風も重なる。一つは新型コロナウイルス流行時の給付金支給や行動制限で積み上がった余剰貯蓄の減少だ。
サンフランシスコ連銀が5月に公表した試算によると、21年夏のピークで約2.1兆ドル(約290兆円)あった余剰貯蓄は5000億ドルまで減り、消費を支える効果は23年10~12月期にも切れる可能性がある。

 中堅・中小銀行が融資に慎重になるシナリオも残る。
パウエル議長は14日の会見で、中小銀行が積極的だったオフィスなど商業用不動産向け融資の不良債権化リスクを「注意深く監視している」と述べた。
追加利上げが銀行の経営不安を高めるリスクを問われ「我々は金融の安定にも責任を負っており、常に考慮している」とも答えた。


 FOMC参加者の23年末の政策金利見通しをみると、あと1回の利上げないし現状維持を見込むのが計6人と全体の3分の1を占める。
追加利上げの必要性を巡り、意見の相違や迷いが生じている様子もうかがえる。

市場はこうした点を見透かす。

 「タカ派とハト派の間で取引が成立したと推測することもできる」。

JPモルガン・チェースのマイケル・フェローリ氏は、利上げを見送りつつタカ派姿勢を演出した今回の発信がFRB内の妥協案だった可能性に触れつつ「2回の追加利上げが必要になるとは考えていない」とした。
実際、金利先物市場で追加利上げは「あと1回」がメインシナリオのままだ。

 米株相場の上昇基調も大きく崩れなかった。ナスダック総合株価指数は14日に前日比プラスで取引を終えた。

 背景には、コロナ対応の大規模緩和に伴うマネーが市場に大量に残っていることがある。
FRBの総資産は足元で約8.4兆ドルとコロナ前の2倍の水準だ。
徐々に資産規模は縮小しているが、緩慢なペースでしか正常化が進んでいない。

 余剰マネーが株や債券に向かい、資産効果が消費を支えたり、金利に低下圧力が加わったりすると、金融引き締めの効果をそぎかねない。
昨年には市場の緩みをFRB高官がけん制する場面もしばしばあった。
市場の楽観ムードがいつまで続くかは読み切れない。

2023/06/16 日本経済新聞朝刊 1ページ 1611文字

記事に対するコメント📝

政策金利が景気・物価安定へ上げ下げにおいて、なぜ有効なのでしょうか?

ここから理解を深めていく必要があると思いますので、丁寧に解説します😊

私の浅い知識、学部レベルの学習ならびにnoteでの解説ではこのような議論で限界です・・・🙏🏻

米国の政策金利(FF金利)について

政策金利とは、中央銀行が景気や物価の安定を目的に上げ下げする金利のことであります

米国の政策金利は、フェデラルファンド(FF)金利と呼ばれています

FF金利は、米国の民間銀行が資金をやり取りする際に使う短期金利に分類されます

景気の過熱やインフレを抑える目的で金利を
上げ、
景気が悪く物価上昇率が低迷している時には下げて景気を刺激するのです💖

以前も経済理論解説の記事において
このような議論の解説をしておりますので
こちらの記事もご一読いただけるとさらに理解が深まると思います✨

https://note.com/kens_reading1/n/n4d48f252a3c9?magazine_key=mf5d541e6f8df

今回の記事によると、米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で
FF金利の誘導目標を5.0~5.25%に据え置いたとのとです

FRBはリーマン・ショック時にゼロ金利政策を導入後、2015年から段階的に利上げを進めていますね
アメリカ経済の回復によって、経済の実力を反映する利子率が高まってきたと考えても良いでしょう

しかしながら、2019年からは利下げに転じ、新型コロナウイルス禍を受けて20年3月には政策金利を事実上ゼロまで引き下げていました

日本の政策金利と非伝統的な金融政策

現在の日銀の政策金利は金融機関が日銀に預ける当座預金の一部に適用される金利を指し現在は、マイナス0.1%です😂

これにより、民間銀行はかなりネガティブな
影響を受けていることも想定されます

日銀は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)のもと、この当座預金の一部の適用金利をマイナス0.1%

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りをゼロ%程度とすることを目指していますね📝
※BoJの非伝統的な金融政策については
マガジンよりご確認の程お願いいたします

動学的総需要-総供給モデルによる解説

なぜ、インフレ抑制(=物価を安定させること)と国民所得(国内総生産)の増大を同時に達成できないのでしょうか?🤔

この問いを思い浮かべた方も当然いらっしゃると思います

金融政策当局も「物価の安定」と「国民所得の増大」を目標に活動しているわけですから、ここには何か問題点がありそうですよね📝

結論から述べると、インフレ抑制と国民所得(国内総生産)の増大にはトレードオフの関係があるのです

この関係を、動学的な総需要-総供給モデルとテイラールールを使って簡単に考えていきましょう

参考文献ならびに解説はこちらを参照しました

このモデルは、①動学的IS 曲線
②フィリップス曲線、 ③金融政策ルール
④フィッシャー方程式(事前の実質利子率の関係)、⑤適応的期待から構成されるものです

モデルの説明:記号の定義

登場する記号(モデルの内生変数、外生変数、パラメーター)は、以下の通りです👍

$$
Endogenous   variables\\
GDP(GNI)  = Y_t \\
Inflation  rate  = π_t \\
Expected   Inflation  rate  = _t{π^e}_{t+1}・・・①\\
Real  Interest  rate   = r_t \\
Nominal  Interest  rate    = i_t
$$

Yt はt期(今期)の実質国内総生産(GDP)ないしは実質国内総所得(GNI)です
πtは今期のインフレ率,①は t 期に形成された t+1期の 期待インフレ率
r は実質利子率、iは名目利子率を表します
これら5つの変数がモデルの内生変数です

$$
Exogenous  variables\\
National  rate  of  GDP_t   = \bar{Y_t}・・・①\\
Target  of  Inflation  rate  = {π_t}^*・・・②\\
Demand  shock   =  ε_t \\
Supply  shock    = ν_t
$$

上から順に、補足いたしますと
①は、t期(今期)の GDP の自然水準
②は、中央銀行のインフレ目標値
ε は需要ショック,ν は供給ショックを表します

これら4つの変数はモデルの外生変数です
なお、需要ショックと供給ショックは
平均ゼロの確率変数と仮定します☺️

$$
Parameters : (α, ρ, Φ, θ_π, θ_Y) >0\\
notice   [θ_π + θ_Y=1.0]
$$

α :総需要が実質利子率に反応する度合い
ρ :自然利子率
Φ :インフレ率が GDP に反応する度合い
θπ :中央銀行が名目利子率をインフレ率に反応させる度合い
θY :名目利子率を GDP に反応させる度合い
を表します
なお、これらのパラメーターはすべて正の値としましょう

補足すると、需要ショック (ε)は、総需要に影響を与える外生的な諸要因を表す確率変数です

例えば、将来の経済状態に関する
人びとの期待が改善すると、投資支出や
消費支出が増えて総需要は増加するので
ε は正の値をとるのです👍

モデルの構築:5つの関係式

マンキューの動学的な総需要 - 総供給モデルは、1次式で表現した IS 曲線、フィリップス曲線、金融政策ルール(テイラー・ルール)およびフィッシャー方程式、適応的期待の5つの関係式から構成されます
これらを順に解説していくことにしましょう

動学的財市場均衡曲線

$$
Dynamic  IS   equation \\
≡ Y_t = \bar{Y_t} - α(r_t -ρ)+ ε_t  ・・・(1)
$$

(1)式は、財・サー ビスの総需要と総供給が均衡する状態を示す「IS 曲線」です
実質利子率と財・サービスの総需要
それゆえ GDPとの間には負の関係があることがわかりますね🙄

実質利子率が上昇すると、投資支出や消費支出が抑制されて総需要は減少する関係を示しています📝

またパラメーターより、総需要の実質利子率感応度 (α)が大きいほど、GDP は実質利子率の変化に対して大きく反応します

また、GDPの自然水準が高まると
その分だけ GDPは拡大することになるのです

フィリップス曲線

$$
Phillips  curve ≡\\ π_t = _{t-1} {π_t}^e + Φ( Yt - Yt ) + ν_t ・・・(2)
$$

(2)式は、「フィリップス曲線」を表します
インフレ率は、前期に形成された
今期の期待インフレ率、GDP ギャップ
および外生的な供給ショックによって
決まるとされていますね👍

このように、過去のインフレ期待が現実のインフレ率に反映されるとする点は
フリードマン(M. Friedman)が自然失業率仮説を説明するために用いた「期待で調整されたフィリップス曲線」と同じ であり

(2)式は「新古典派型フィリップス曲線」と呼ばれるものに該当します
※詳細は各自学習いただけますと幸いです🙏

供給ショックについては、インフレ率に影響を与える外生的な諸要因を表す確率変数でしたね

例えば、国際的な石油価格の高騰や凶作による農産物価格の高騰が発生すると
多くの企業が生産コストの上昇に見舞われ
物価は上 昇しますので、νは正の値となります(ネガティブなショック)

反対に、著しい技術進歩や国際的な石油価格の低下が起こると、多くの企業の生産コストは
下がるため、物価は下落します
よって、ν は負の値をとるのです
(ポジティブなショック)

金融政策運営の基礎:「テーラー・ルール」

以下に記述することが
今回の投稿のキーポイントになります🔑

この政策運営の基礎を理解することで、なぜ政策金利の変動が経済に影響を与えるのか
ひいては「インフレの安定化」と「国民所得の増大」を同時に達成することが不可能である
理由が見えてくるかもしれませんね📝

$$
"Taylor  Rule"  for  Monetary  Policies\\
FF rate ≒ i_t = π_t + ρ+ \\θ_π(π_t - {π_t}^*)+θ_Y(Y_t -\bar{Y_t})・・・(3)
$$

(3)式は、名目利子率に関する金融政策ルールを表します

これは、中央銀行が 設定する名目利子率 の目標値は、インフレ率 、自然利子率(ρ)
インフレ率 の目標値からの乖離、および GDP ギャップ に基づいて決定されるとするものです
この関係式は、一般に「テーラー・ルール」と呼ばれています💖

金融政策ルールのパラメーター(θπ,θY) はともに正の値でありましたから
インフレ率が目標値を上回る場合 やGDPが
自然水準を上回る場合 には、中央銀行は
金融引き締めを図ろうとするため
名目利子率を引き上げるのです📝

$$
(π_t - {π_t}^*) >0  or   (Y_t -\bar{Y_t})>0 \\
Monetary   Tightening ⇒  Δi_t >0
$$

反対に、インフレ率が目標値を下回る場合や GDP が自然水準を下回る場合には
中央銀行は金融緩和をはかり、名目利子率を引き下げる政策を実施します

$$
(π_t - {π_t}^*) < 0  or  (Y_t -\bar{Y_t}) < 0 \\
Monetary   Easing ⇒  Δi_t <0
$$

また、パラメーターの値にも注目しましょう
中央銀行が名目利子率をインフレ率に反応させる度合い(θπ)の値が大きいほど
中央銀行はインフレ率の目標値からの乖離に大きく反応します

また、反対に名目利子率を GDP に反応させる度合い(θY)の値が大きいほどGDPの自然水準からの乖離に大きく反応するのです

要するに、このパラメーターθπとθYは、インフレに対してより敏感に対応するか
国民総所得(総生産)に対してより敏感に対応するかを表していることに他ならないのです
よって、中央銀行の政策運営者の意向によってこのパラメーターの値が決定されインフレを抑制するべきか
それとも国民総所得を増加させるのか、
という政策運営のトレードオフが発生します✨

テイラー・ルールの大切なポイント

テイラー・ルールを理解する上で
大切なポイントは、以下となります
金融政策ルールのパラメーター
(θπ)が1よりも大きな値を取る

ということです📝

$$
θ_π >1 
$$


フィッシャー方程式

$$
r_t = i_t - _t{π_{t+1}}^e  …(4)
$$

(4)式は、名目利子率と実質利子率の関係を表す「フィッシャー方程式」に該当します

フィッシャー方程式によると「名目利子率は実質利子率と期待インフ レ率の和」ですから
実質利子率は、名目利子率から期待インフレ率を差し引いた値として表されるのです
テイラー・ルールの大切なポイントより
1%のインフレ上昇は、それ以上の名目利子率の上昇を引き起こします
よって、インフレが実質利子率の上昇に繋がるという点を必ず抑えておいてください
だからこそ、2%インフレ目標などが設定される理由も整合性があるように思いますし、実質的な経済の実力を現す利子率が高まることで
経済成長に発展するというメカニズムが説明できるのです

適応的期待の関係式

$$
_t { π_{t+1}}^e = π_t …(5)
$$

(5)式は、人びとの抱くインフレ期待は「適応的期待」(adaptive expecta- tion)によって形成されることを示します

ここでは議論の単純化のために
「人びとは過去の観察値に基づいて
インフレ期待を形成する」と仮定しましょう

すなわち、人びとは、t + 1 期(次期)の物価は
t 期(今期)のインフレ率と同じ割合で上昇すると予想するので
t期に形成された t+1期の期待インフレ率
t 期のインフレ率に等しいのです

以上の仮定はどの期にも当てはまるから,(5)式の表記を1期分だけ後にずらせば
以下の関係も逐次的に成立します

$$
_{t_1} {π_t } ^e = π_{t-1} … (5)’
$$

つまり、t-1期(前期)に形成されたt期
(今期)の期待インフレ率は
t-1期のインフレ率に等しくなるのです👏🏻

以上の(1)〜(5)の関係式より
動学的総需要-総供給モデル
(Dynamic AD-AS model)の均衡点が導出されるのですが、、
これ以上の解説は控えようと思います🙏🏻

総論❤️

現在のアメリカ経済は
新型コロナウイルスによるネガティブな
需要ショックからの景気回復段階

並びに、ロシア-ウクライナ間の紛争や
米中貿易摩擦などの問題によって
ネガティブな供給ショックに直面していることが想定されます🤔

よって、財価格が上がり、物価高騰による
記録的なインフレーションを経験しています

この経済現象に対して
Taylor Rule に基づく金融政策ルールによれば

現在のインフレ率が、政策運営当局のインフレ目標値を上回っていますから
金融引き締め政策の一環として
「名目利子率≒政策金利(FF金利)を引き上げることになるのです😊


今回の記事の内容は
ご理解いただけたでしょうか?
このようにモデルから理解することができば
現実経済の動向を最低限把握することができるのです

このような力は社会人になってからも
きっとどこかで発揮されることを信じて
これからも励んでいきたいです💖

マガジンのご紹介🔔


こちらのマガジンにて
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠にありがとうございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が

ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍
今後とも何卒よろしくお願いいたします!

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