見出し画像

【強い円は何処へ??】通貨は国家の信用力の鏡💴:日経新聞解説 2023/12/04

日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!


円に2つの24年問題 揺らぐ世界最大の債権国 日経QUICKニュース編集委員 永井洋一

 「強い円は国益だ」。1990年代後半に為替介入を手掛け、「ミスター円」と呼ばれた榊原英資・元財務官は11月下旬、日本記者クラブでの講演で持論を繰り返した。

 通貨は国家の信用力を映す鏡にほかならない。とりわけ日本円は来年が正念場だ。2つの2024年問題が迫る。

 1つ目は世界最大の債権国から陥落する可能性だ。日本の対外純資産は22年末時点で418兆円。2位のドイツは389兆円。ドルベースでは3.1兆ドル、2.9兆ドルだった。原理的には経常収支と対外純資産の増減はほぼ同じだ。

 そこで国際通貨基金(IMF)が予想する経常黒字を基に23年末と24年末の日独の対外純資産を推計すると日本は3.3兆ドル、3.4兆ドル。これに対してドイツは3.2兆ドル、3.5兆ドル。24年に逆転する。

 日本は輸出で稼ぐ力が相対的に衰え、経常黒字を海外での投資収益に頼るようになった。だが、そこにも重大な変化の兆しがみえる。

 11月24日の上海外国為替市場。円の対人民元相場が一時100円=4.7749元と人民元が05年に管理変動相場制に移行してからの最安値を更新した。
見逃せないのは対中経常収支の構造変化だ。22年1~3月期以降赤字が続き、23年4~6月期までの累積赤字は約4兆5000億円に上る。この間の対米黒字の2割弱を相殺した。

 主因は半導体関連など輸出の減少に伴う貿易赤字の拡大だが、現地子会社から得られる配当など投資収益の減速も軽視できない。中国景気の低迷に加え、習近平(シー・ジンピン)指導部による統制強化が影を落としている。

 「私の日経平均株価30万円予想はトルコリラ化する日本を想定したわけではない。それではうれしくない」。トルコ出身で複眼経済塾のエコノミスト、エミン・ユルマズ氏は危ぶむ。

 リラ化とは財政収支と経常収支の「双子の赤字」が慢性化するなかでインフレ率を下回る政策金利(実質マイナス金利)を続け、物価高騰と通貨安の悪循環を招いたトルコの法定通貨に円の未来を重ねた風刺だ。

 新型コロナショックが起きた20年3月から23年10月までのトルコリラと円の実質実効為替レートの下落率を比べるとトルコリラが21%に対し、円は29%と上回る。実質実効レートとは通貨の相対的な実力(購買力)を物価変動と貿易量などを考慮して算出した指数だ。

 同期間で70%以上のトルコリラの名目ベースの暴落は、年60%を超えるインフレが原因であり、その影響を除くと下落率は円より小さい。裏返せば「円の実質的な弱体化が際立つ」(ふくおかフィナンシャルグループの佐々木融チーフ・ストラテジスト)。

 日銀の資金循環統計によれば、証券投資信託を通じた海外への資金流出超過額(投資と回収の差額)は00年1月から23年6月までの累計で105兆円に達した。
円安局面で資金流出が加速する傾向が確認できる。来年1月から始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)は、個人マネーの伏流を本流に変える可能性がある。2つ目の2024年問題だ。

 日本企業にマネーを引き寄せる基盤である円の信認をゆるがせにはできない。海外投資家が円安でも日本株を買うのは世界最大の債権国だという安心感があればこそだ。

 それが薄れれば日本企業の収益や株価をドルベースでみるようになるだろう。そうなれば円安による収益の底上げ効果は通じにくくなる。

023/12/04 日本経済新聞 朝刊 15ページ

記事に対するコメント📝

今週の外国為替市場で円相場は落ち着きどころを探る展開とみられています

前週はドルが全面安となり、円も急速に強含んだ一方で、安くなったドルを買う動きも残ると考えられています
そのため、当面は140円台半ばから後半の値動きを予想する声が多いのではないでしょうか

また、円は対ユーロで上昇し、1カ月ぶりの高値圏にあります
欧州のインフレ鈍化が鮮明になり、円安圧力が後退していると考えられますね📝

また、上記の財務省のサイトより対外資産残高は、1,338兆2,364億円(対前年末比+81兆959億円、+6.5%)となりました

為替相場変動に伴う外貨建て資産の円評価額の増加(+108.2兆円)や、居住者による対外資産の取得超(直接投資+23.2兆円、その他投資+31.0兆円)等により、対外資産残高は14年連続で増加したと記載されています

この記事でも言及されているように、日本円は来年が正念場とみられています💴
日本企業にマネーを引き寄せる基盤である円の信認をゆるがせにはできませんから、この正念場を乗り越えていくために政策当局の責任が増えるばかりですね💦

ワンポイント解説🔖

実質実効レート(EER)とは通貨の相対的な実力(購買力)を物価変動と貿易量などを考慮して算出した指数です

$$
\\
EER=\displaystyle\prod_{i=1}^n(EX_i)^{\omega_i}\\     \\   =(EX_1)^{\omega_1}\times(EX_2)^{\omega_2}\times \cdots \times (EX_n)^{\omega_n}\\
$$

実質実効レートは、上記のように定式化されます
ただし$${EX_i}$$は、対$${i}$$通貨の為替レート指数、そして、$${\omega_i}$$は貿易量や経済関係の密接さなどで決まるウェイトとなります✨
したがって、これは多数の外国通貨に対する一通貨の平均的価値を表す指数と解釈できることになります💴

したがって、$${EER}$$は特定の2通貨間の為替レートを見ているだけでは捉えられない、総合的な為替レートの変動をみるための指標となります
具体的には、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間レートを、貿易額等で測った相対的な重要度でウェイト付けして集計し、算出することになります

よって、ある通貨(💴)がある通貨以外の世界の通貨全体に対して、増加しているか、減価しているかが判別できます💖

例題:実質実効為替レート

日本がアメリカ($${\omega_{US}=0.6}$$)、ユーロ地域($${\omega_{EU}=0.3}$$、イギリス($${\omega_{UK}=0.1}$$)の3ヵ国だけの経済関係にあるとし、基準時点から円がそれぞれの通貨に対して、25%、20%、12%増加したとしたら、実質実効為替レートはどうなるでしょうか??
解答は、以下の通りとなります📝

$$
EER_{\yen}=(125)^{0.6}\times(120)^{0.3}\times(112)^{0.1}\\                       =122.1299\risingdotseq122.3
$$

よって、円は外国通貨に対して平均22.3%増価したことになります📝
なお、今回は数値が大きくなればなるほど、円が増価したと定義している点にはご注意ください!

本日の解説はここまでとします📑
経済の動向をしっかり把握して、ビジネスに活かせる人間になりたいです

前回ご紹介した記事💖

マガジンのご紹介🔔

こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです

改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました
🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥

最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が

ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍
今後とも何卒よろしくお願いいたします!

この記事が参加している募集

#業界あるある

8,611件

#マーケティングの仕事

6,991件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?