【介入政策効果の持続性🌟】「Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility」:先行研究解説 No.7 2023/09/05
Introduction:卒業論文は早めに仕上げたい💛
私もいよいよ卒業論文の執筆に
取りかかる時期がやって参りました👍
何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました
これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍
論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
卒業論文の進捗は滞ってしまうと思います
だからこそ、この「note」をフル活用して
卒業論文を1%でも
完成に向けて進めていきたいと思います
私の卒論執筆への軌跡を
どうぞご愛読ください📖
今回の参考文献📚
今回、読み進めていく論文は
こちらのURLになります👍
Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility
Toshiaki Watanabe (a), Kimie Harada(b)
(a)Faculty of Economics, Tokyo Metropolitan University, 1-1 Minami Ohsawa, Hachioji-shi, Tokyo 192-0397, Japan
(b)Graduate School of International Accounting, Chuo University, 42-8 Honmura-cho, Ichigaya, Shinjuku, Tokyo 162-8473, Japan Received 18 September 2002; revised 13 February 2004 Available online 21 November 2004
読み終えた先行研究📚
『日本の為替介入の分析』 伊藤隆敏・著
経済研究 Vol.54 No.2 Apr. 2003
前回の内容📢
Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility
Watanabe, Toshiaki, and Harada, Kimie
4. An analysis based on the component GARCH model
前回の投稿で取り上げたコンポーネントGARCHモデルは以下のようになります📝
$$
\\Compornent GARCH Model\\ \\
r_t = a + b(i_t-i_t^*)+c_1I_t+c_2I_t^*+\epsilon_t \cdot\cdot\cdot(9)\\ \\\epsilon_t =\sqrt{h_t} z_t ,z_t \backsim i.i.d. N(0,1)\cdot\cdot\cdot(10)\\ \\h_t= q_t +s_t \cdot\cdot\cdot(11)\\ \\s_t = (α + β)s_{t−1} + α(\epsilon_{t-1}^2-h_{t-1})+\psi_1 |I_t| +\psi_2 |I_t^*| \cdot\cdot\cdot(12)\\ \\q_t=ω+\rho q_{t-1}+ \varphi(\epsilon_{t-1}^2-h_{t-1})+\theta_1|I_t|+\theta_2 |I_t^*|\cdot\cdot\cdot(13) \\ \\\therefore, 0 < (α + β) < ρ < 1\\ 0 < \psi < β, α > 0, β> 0, ω> 0 \\
$$
4.2. Estimation results
式 (9) ~ (13) から構成されるコンポーネントGARCHモデルの推定結果は次のとおりです
この推計結果を表 3 に示しています
次に、式(12)の推定結果に移ります
円/ドル為替レートのボラティリティの短期的な要素に対する日銀とFRBの介入の影響は
それぞれ推定式の係数におけるψ1とψ2で捉えられます
前半で、観測されたこれらの係数は
どちらも統計的に有意ではなく
日銀やFRBの介入のどちらも円/ドル為替レートのボラティリティの短期的な要素に影響を
与えていないことを示しています📝
ただし、後半では、ψ1の推定値はゼロを
大幅に下回っていますが、ψ2の推定値は
依然として重要ではありません💦
これは、観察期間の後半では日銀の介入が
円/ドル為替レートのボラティリティを低下させますが、FRBの協調介入がこの安定化効果を高めるわけではないことを意味しています
短期ボラティリティ成分の持続性の度合いは、係数α+βで表されます
前半のαとβの推定値の合計は
0.1208と0.0203で
統計的に有意ではないほど小さいです
後半の推定値はそれぞれ0.0000と0.9343で、短期ボラティリティへのショックは
長期ボラティリティへのショックほど持続的ではないものの、後半も依然として持続していることを示しています📝
持続性の程度について直観を得るには
ショックの半減期hを計算すると役立つ場合があるとされています
推定値ρ=0.9897、およびα+β=0.9343は、長期ボラティリティに対するショックの
推定半減期 h が約67営業日であるのに対し
短期ボラティリティに対するショックの推定半減期は、約10営業日であることを意味します
つまり、日銀介入による安定化効果は
介入後10日で半減するということです📝
したがって、介入は短期的なボラティリティを低下させるだけであり、長期的なボラティリティには影響を与えないということが明らかになるのです🥺
平均方程式(9)の推定結果は
GARCHモデルを使用して得られた推定結果とほぼ同じになっています
つまりc1とc2で捉えられる日銀とFRBの
介入の効果は、観察期間の後半において
5%の有意水準でプラスであり、この値は
統計的に有意であると解釈できます
これは、円ドル相場の水準において介入政策の効果が有効であることを示しています
ただし、最初の期間ではc1とc2の推定値は
重要とは言えません😅
コンポーネントGARCHモデルでも同様に
c1の推定値はゼロ未満であり、
c2の推定値は正となっています
したがって、1990 年代初頭の介入の失敗は、3.2節でも言及したように急激な円高により
為替レートの水準において日銀の介入が
効果的でなかったことを示唆しています
c1+c2で測定した日銀とFRBの共同介入の
合計効果は、結合係数は -0.0758と
依然としてマイナスでした
ただし、1つの重要な違いはコンポーネントGARCHモデルを使用した後半のbの推定値は、片側検定を使用すると5%の有意水準で
有意に負になるのに対し、GARCHモデルを
使用すると有意ではないことです📝
したがって、日米翌日物金利差はマイナスとなり、日本の金利低下(または上昇)が円安(または円高)を引き起こすことを示しています👍
したがって、日本当局のゼロ金利政策は
円/ドル為替レートの水準に悪影響を及ぼしたという解釈ができるのです😥
本日の解説は、ここまでとします
このような歴史や先行研究をしっかり理解した上で、卒業論文執筆に取り組んでいきたいです
今回、私が卒業論文執筆において取り上げる
24年ぶりの「円安是正」介入は本当に
レアな経済政策ということを再認識できたような気がします💖
私の研究テーマについて🔖
私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝
日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)
経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します
だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています
決して学部生が楽して執筆できる
簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています
ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥
本日の解説は、以上とします📝
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように
努めてまいりますので
今後とも宜しくお願いします🥺
マガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので何卒よろしくお願い申し上げます📚
最後までご愛読いただき誠に有難うございました!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
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