【総括!読破しました🔥】「日本の為替介入の分析」:経済論文解説 No.26 2023/08/28


Introduction:卒業論文は早めに仕上げたい💛

私もいよいよ卒業論文の執筆に
取りかかる時期がやって参りました👍

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
卒業論文の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
卒業論文を1%でも
完成に向けて進めていきたいと思います

私の卒論執筆への軌跡を
どうぞご愛読ください📖

今回の参考文献📚

今回、読み進めていく論文は
こちらのURLになります👍

『日本の為替介入の分析』 伊藤隆敏・著
経済研究 Vol.54 No.2 Apr. 2003

前回の内容📖

総括:先行研究を読み終えて🌟

この先行研究では、2001年7月に日本で初めて公表された為替介入のデータ(1991年4月から2001年3月)を用いて、為替介入政策のいろいろな側面についての考察が行われています

まず、最初に介入の制度的な側面を説明、さらに、10 年間の介入の局面を概説しました

一般的に、円高の進行は、円売り・ドル買いを誘発し、逆に円安の進行は、円買い・ドル売りを誘発します
これは至って当然のメカニズムであると考えられます📝

https://www.nikkei.com/markets/kawase/

なお、観察期間に限っては、125円よりも円安(円ドルレートが、126 円以上)の水準での円売り・ ドル買いの介入実績はなく、125 円よりも円高(円ドルレートが、125円以下)の水準で の円買い・ドル売りの介入実績はありませんでした

つまり、日本の通貨当局は、ドルをドル価値が安いときに購入し、高いときに売却するという資産運用をしていたことが考察されます

また介入政策が為替レートに与える影響
についての数量分析
も実施されています

「為替介入が行われた日の前後の為替レートがどのように変化したか」について分析をしています

加えて、介入直前の為替レートの変化に比較して介入直後の為替レートの変化が介入の意図して方向に動いていたかどうかと検討しています

すなわち介入効果の有効性についての議論です

推計結果より概ね、 そのタイミングでの
介入政策に期待された為替レートへの効果が
得られていた
と言えるでしょう

さらに、回帰分析により
すべての日次データと使って、介入が、介入が無い場合に比べて、統計的有意に為替レートに影響しているかどうかを検討しました

私の卒業論文においても以下のようなGARCHモデルを用いた為替レートの変動や時系列データに対する実証分析に挑戦したいと思います

$$
\\
GARCH(1,1)  Process\\     \\s_t -s_{t-1}=\beta_0+\beta_1(s_{t-1} -s_{t-2})\\    \\+\beta_2(s_{t-1} -s_{t-1}^T)+\beta_3Int_t+\\    
\\\beta_4IntUS_t+\beta_5IntIN_t+\epsilon_t\cdot\cdot\cdot(2)
\\     \\      \\where,\epsilon_t=v_t\sqrt{h_t}  with   v_t\backsim N(0,1)\\   \\h_t = \alpha_0 +\alpha_1\epsilon_{t-1}^2+\alpha_2h_{t-1}
$$

推計結果:介入効果の回帰分析

その結果、観察期間を全期間とした場合と
観察期間を1990 年代の後半(正確には、榊原英資氏が、国際局長に就任して以来)に限った場合については、介入は意図した効果を発揮していた=有効であったことがわかります👍

また推計結果より為替レートに与えるインパクトの大きさは、アメリカと日本の同時介入が、通常に日本の通貨当局の単独介入よりも、20-50倍の効果を有することがわかりました

日本の通貨当局による介入のうち
一週間以上を間を置いたあと"最初の介入"は、回帰式におけるβ5の係数に表れています

その結果は、そうでない場合よりも
有意に大きな効果を持つこと
が判明しました

最後に、介入政策による
通貨当局への利益
を推計しました💰

ある仮定のもとで、介入利益は、①直接の売買益、ドルを買い越した分についての
②期末(2001年3月)の未実現評価益、さらに(観察期間のほとんどの期間において)金利の低い円で借り入れ、金利の高いドルの資産を保有することからの、③金利差益に分けて考えることができます

その結果、介入利益は、10 年間で
おおよそ9兆円にのぼることがわかりました

利益を出す介入は、ミルトン・フリードマン的に考えて、相場を安定的にしていたことになります

その意味で、日本の通貨当局は
10年間にわたり円ドル相場の安定に寄与してきた
と考えることができるのでした📝

本日の解説は、ここまでとします
このような歴史や先行研究をしっかり理解した上で、卒業論文執筆に取り組んでいきたいです

次回から、英語の先行研究を読み進めていくことにしましょう🔥

今回、私が卒業論文執筆において取り上げる
24年ぶりの「円安是正」介入は本当にレアな経済政策ということを再認識できたような気がします💖

私の研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる
簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥

本日の解説は、以上とします📝

今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように
努めてまいりますので
今後とも宜しくお願いします🥺

マガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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