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「はじめに」を公開します。
以下は、4月13日発売の『からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界』の冒頭「はじめに」です。講談社の許可を得て、転載しています。
本書は、からだの錯覚を扱う本です。よくある錯覚本かというと、おそらくはそのようにはなっていません。
錯覚というと、視覚の錯覚を想像する人が多いのではないでしょうか。実際、検索サイトで「錯覚」という語を入力すると、「動いていないのに動いているようにみえる」「同
小鷹研究室の錯覚論争、10年代後半における身体の耐えられない軽さ(第一報)
以下の文章は、「小鷹研究室の錯覚論争2016-20」(オープン・スペース2021 ニュー・フラットランド, 2021.10.30 - 12.19, NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])において、壁面に展示されていた3つのパネルに記されていた文章を転載したものである。
本稿は、本格的にアバターの時代へと突入したと言われて久しい2030年以降の現代社会のカオス的狂乱を読み解くうえで
[趣旨文2] 注文の多い「からだの錯覚」の研究室展2:言語学との対話、ことばとからだのイビピーオ(伊藤雄馬 × 小鷹研理 on 金井学)
趣旨文1につづいて、この投稿では、月末に迫った錯覚展示のゲストトークに焦点を当てる。ゲストトークは、3日間の展示の中日にあたる26日(土)に、有料(1500円)で開催される。ゲストとして言語学者の伊藤雄馬さんをお招きし、アーティストで僕の古くからの友人でもある金井くん(金井学)が、司会を引き受けてくれた。以下では、この異色の組み合わせに至った背景について触れていこうと思う。参加に迷っている方は、ど
もっとみる[趣旨文1] 注文の多い「からだの錯覚」の研究室展2:人体の幾何学的転回
11月25〜27日に、ナディアパークにある名古屋市青少年文化センターにて、研究室展示『注文の多いからだの錯覚の研究室展2:人体の幾何学的転回』[公式HP]を開催する。前身の研究室展フォーマットである、岐阜で開催していた(2015年が初開催の)『からだは戦場だよ』から数えると7回目、名古屋に場所を移して、『注文の多いからだの錯覚の研究室展』と名前を変えてからは、2年ぶり2回目の展示となる。だから、本
もっとみるめまいの症状を持つ集団、OBE率が高い。(Cortex, 2018.7)
Lopez, C., & Elzière, M. (2018). Out-of-body experience in vestibular disorders – A prospective study of 210 patients with dizziness. Cortex, 104, 193–206. https://doi.org/10.1016/J.CORTEX.2017.05.026
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