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エドンマーティヌの墓

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全ての事象はエロスが内在している―― 有名なトレジャーハンターである祖父の「神の光」を受け継いだ、大学生の江口イリア。しかし、受け継いでから2年、その能力が発現することはなかっ…
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2020年12月の記事一覧

エドンマーティヌの墓⑬

 私たちはオーキド博士に連れられ、洋館の中に入った。外観こそお化け屋敷のようだったが、中…

ケノヒ
3年前
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エドンマーティヌの墓⑫

 私は、あまりに不釣り合いな建物に口をあんぐりと開けていた。白く、骨のような木々と、スチ…

ケノヒ
3年前
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エドンマーティヌの墓⑪

「――ここはどこなの?」  電車を降りて、更にバスに乗った。駅でさえ、草が野放図に生えて…

ケノヒ
3年前
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エドンマーティヌの墓⑩

「わ、見て見てイリア! すごい、大自然だよ。やっとここまで来たねえ」 「お? うん、おえ…

ケノヒ
3年前
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エドンマーティヌの墓⑨

「――さっきの質問の答えだけど」アスカが話を切り出した。私は、相変わらず麻婆豆腐を噛み締…

ケノヒ
3年前
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エドンマーティヌの墓⑧

 濃いグレーのニットのタートルネックに、シュッとした藍色のロングスカート。うわ、これ、年…

ケノヒ
3年前
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エドンマーティヌの墓⑦

「よし」アスカは本を閉じて、私に聞こえるように言った。「場所も分かったし、明日お墓行くよ!」 「え!? 明日……? だって明日、金曜日じゃない」 「知ってんだよ、イリアさん。君、金曜日は全休にしてるでしょ。哲学科は、金曜日にいい授業、あんまりないもんね」  くっそ、こいつには嘘をつけないか。これだから頭のいい奴は。 「そ、それに十一月も終わりに近づいて、こう、すんごく寒いんじゃないかしら……。外出たくない」 「ならなおさら、これからもっと寒くなるでしょ! 行けるとき行っとかな