「DNA」って何なの??②
どうも、「日々是実験!!」
ケニアpです。
「生物学って面白いやん」シリーズの第二回目になります。
前回、「DNAはA,T,G,Cという4種類ある化学物質で、水に溶ける」ということをお伝えしましたが、
今回は構造面を中心に、語っていこうと思います。
1.「二重らせん」という美しい構造
DNAが二重らせん構造をしているということは、聞いたことがある人も多いかと思いますし、高校生物では絶対習います。
遡ること1953年、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによって、DNAの分子構造が明らかになり、分子模型が作られました。
DNAの構成単位であるヌクレオチドが、リン酸と五炭糖の部分が結合していくことによって、1本の「ヌクレオチド鎖」という鎖状に連なる構造をとります。このヌクレオチド鎖が2本寄り添うと、塩基同士の弱い結合(水素結合)によってはしご状のような形となり、この2本のヌクレオチド鎖がらせん状にねじれることで、「二重らせん構造」となっています。
このとき、塩基同士の結合には2種類あり、アデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)がそれぞれ特異的に結合します。
これを「塩基の相補性」といって、AとT、GとCはペアリングして結合するんですよね。
つまり、ある一本のDNA配列が「...AAGTCC...」となっていると、この配列に相補的にくっつく配列は「...TTCAGG...」となるんです。
二重らせん構造と聞いて、とても複雑なんじゃないかと一瞬思いますが、
2本のDNA配列(ヌクレオチド鎖)がある
↓
AとT、GとCはペアになるというルールのもと結合
↓
2本のDNA配列がねじれて二重らせんになっている(ちなみにねじれ方は右回りです)
という極めてシンプルな3ステップで成り立っています。
二重らせんとしてねじれる理由は、
・自在に折れ曲がることができる
・小さい体積で多様なDNA配列を作ることができる
・相補的であることで、片方の配列に傷がついて損傷しても修復することができる
これらがよく挙げられます。
【ここで面白ポイント】
生命の設計図と言われるDNAの構造は、二本の配列が相補的に結びついてねじれた「二重らせん構造」をとることで、数多くの情報をパッケージングしている!
2.「熱」によって変形する!?
二重らせん構造をしていると説明してきましたが、実はDNAは形を変形させることができるのです!!
特に「熱の温度」によって、形を変えます。
一般的に、高温になると物質は溶けたり形を変形させたりするイメージってありますよね。
氷を温めたら溶けていきますし、水で洗うよりお湯で洗った方が汚れが取れやすかったり…
熱が物質に与える影響というのは身近なところに数多くあります。
DNAも熱による影響を受けます。
【ここで面白ポイント】
DNAは高温になると、二重らせん構造がほどけて1本ずつに分かれ、
温度を低下させていくと、再び二重らせん構造になり、元に戻る!!
これ、すごくないですか??
この性質のことを「DNAの変性」といいます。
高温になったとき、DNA配列がバラバラになるのではなく、配列を保ったまま、塩基同士の結合が離れるため、1本のDNA配列の状態になります。
そしてここが肝心なところ。
高温で1本になってしまったDNAはゆっくり温度を元に戻して下げていくと、DNAの塩基同士の相補的な結合(前半で申し上げたペアリングです)によって、再び2本のDNA配列となり二重らせん構造に戻るのです、、!!
塩基同士のペアリングによって再び結合することを「DNAのアニーリング」といいます。
一度解離してしまったものが元に戻る性質に、衝撃を覚えました、、
この性質をもとに作られた技術が、今や毎日のようにニュースで報道されている「PCR」なんです。
(PCRの原理についてはまた別の記事で詳しく語ろうと思います。)
【まとめ】
・DNAは、2本の鎖状につながったDNA配列(塩基配列とよく言います)が塩基同士のペアリングによって結合し、ひねることによって二重らせん構造をしている。
・この二重らせん構造は加熱すると離れて1本の塩基配列となり、温度を低下させていくと再び結合して二重らせん構造になる。
いかがでしたでしょうか。
今回は構造のお話を少ししてみました。
まだまだお伝えし切れていないことは山ほどありますが、興味のある方は是非調べてみてください。
DNAのこと、より興味を持っていただけたら嬉しいです!
次回は「遺伝子」について語ります。DNAとの違いは?遺伝子は何者なのか、入り口の部分をお話しする予定です。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
ケニアp
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