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日本人だけが知らないグローバル資本主義社会で避けられない3つのこと

私は、毎日日本で仕事をしている中で、気をつけていることが一つある。それは、世界で正しく評価される知識と経験を身につけることである。これから話すことは、これまでに終身雇用型の日本社会が崩壊し、超少子高齢化社会が進む先に来るそう遠くない日本の未来についてである。インターネットや人が移動するためのコストが世界的に下ることで、日本は、人々の生活のあり方が大きく変わる転換期を迎えている。そのような大転換を迎える最中で、日本でまずは自分自身の今後の生活を守る意味で是非これから述べる未来予想図について一度考えて頂けたら幸いだ。

努力主義から成果主義へのシフト

今まで日本の産業は、企業のメンバーシップ型雇用制度により、企業を念頭に従業員の社会福祉を担保する社会的機能が存在していた。しかし、近年日本は近代化を進めるに当たって、日本企業はこれから努力主義から徐々に能力主義や成果主義への評価基準がデファクトスタンダードになるのではないかと思う。欧米圏で仕事をしたことのある人であれば、当たり前の話だが、企業は人を採用する時に「Job Description」(業務内容)の提示をする。

これは、つまり仕事内容に合わせて給料や職位が決まるのだ。これは、一見すれば、資本主義社会においてきちんと資格や仕事経験を積んだ人が正しく評価される事を念頭においた雇用の考え方で公平に捉えられるかも知れない。しかし、よく考えて見ると、その業務内容や資格が無いと仕事を貰えなくなる社会では、未経験者や低学歴者は非常に厳しい状況に置かれるリスクがある。

日本では、大学で文学を学んでいるのにも関わらず、ITエンジニアとして就職できる事は十分にあり得るが、欧米圏ではまずありえない。もし仮に現在文学を専攻していて、ITエンジニアを目指す場合、大学の専攻を変えるか、企業でエンジニアのインターンを見つけるためにITに纏わる資格取得が必要になる。そのため、欧米圏で仕事を探す予定の学生は、かなり早い段階からキャリア設計を考える癖が付きやすい。日本では、大学期間をモラトリアムとして捉える人も多いが、今後より海外との人材競争が加速すると、できるだけ早い時期から自分の専門性や経験を身につける必要が出てくるだろう。

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日本は、買う側ではなく、買われる側

日本は、今後より貧乏になることをご存知だろうか?日本のGDPは、ここ20年ほぼ横ばいで、お隣の中国や韓国と比べると高度経済成長期はジャパンバッシングが世界中で起こるほど日本のプレゼンスは高かったが、今では少子高齢化と製造などの得意な産業界の経済鈍化などにより、日本の人材&技術投資へのチャンスを失いつつある。

日本政府は断固として日本の財産を守る姿勢を保とうとすれば、近い未来、外資による土地や日系企業の買収合戦が行われる可能性は十分に有り得る。2021年現在においては、金融、製造、物流などあらゆる産業で、国内勢が合併し、資本を一元化することで、海外に立ち向かうつもりでいるが、果たしてどこまで中国やアメリカ勢に競合していけるのかは未知数である。

ここで言いたいのは、みなさんが現在もし日本の有名企業でお勤めの場合は、ある日突然外資に買収され、気づいたら日系企業では無くなっていることもあるので、常に自分の身は自分で守る姿勢でいることが今後重要になっていく。

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ジェネラリストよりもスペシャリストよりもエバンジェリスト

お客様の為に作ったものが簡単に売れる時代は、戦後は確かにあった。なにせ、インターネットがなかったぐらいの時代は、世界中ものがとにかくなく、製造業に強みのあった日本は、良いものを作りさえすれば、世界中で買いたい人がたくさんいた。しかし、最近は日本の製品がコモディティー化してしまい、日本のものがただ高いだけで製品力が他社と変わらなくなると、ジェネラリストのようなただ一般的な業務をマルチに対応できるだけでは、他人と差別化する事は難しい。

では、スペシャリストはどうか?一見、エンジニアのようなスペシャリストは、今後も安泰に見えるようだが、ここも非常に辛い価格競争に巻き込まれる可能性が高い。なぜなら、昔に比べて今では、あなた自身が研究や磨いてきた技術は、ちょっとしたイノベーションで全く無意味になることがざらにあるからだ。

私がお勧めしたいキャリア設計の一つに、エバンジェリストという考え方がある。エバンジェリストは、不特定多数の技術や専門知識を持ち、ユーザーの課題に合わせて個別最適化されたソリューションを考える事である。エバンジェリストは、若干スペシャリストにも近いが、エバンジェリストは、スペシャリストと違い、何か特定の技術に固執する事はない。彼らは、基本的に社会情勢を汲み取り、未来に求められる先端技術を誰よりも早く吸収して、それを適切な市場に持っていく。

エバンジェリストになる為には、正直複数の専門的な知識に好奇心を持ち、幅広い人たちの課題を汲み取れるだけのジェネラリスト的な視点も求められる。この話を聞いていると、とても難しい業種に聞こえているかもだが、それだけグローバル資本主義社会では、時代の変化に柔軟に対応できる人が今後生き残れるのである。

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最後に

世界は、これからより公正な社会になるのかも知れない。しかし、その先に待っているのは熾烈な超競争社会や複雑な課題が生まれる混沌の時代かも知れない。しかし、そのようなVUCA時代で、落ち込む必要もないと思う。なぜなら、今の時代に求められるスキルは、どれだけ周りよりもユニークで有り続けられるかであるからだ。つまり、自分の強みや性格を正しく理解し、個性を大切にする事なので、未来に対して絶望する必要はない。むしろ、個性あふれる社会になることに自信を持つことが重要であると思う。

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