エンジニアの若手はボーナスタイムがあるから無駄にするな
こんにちは、kenmaro です。
今回はエンジニアのキャリアについて書いてみます。
若手のエンジニアにだけ持つことが許されるボーナスタイム
についてです。
以前私は、
エンジニアを本気でやろうと思うなら、最高スペックのノートPCを自腹で買え
という記事を書きました。
少しだけ前記事から引用します。
私が、エンジニアを始める時になるべくハイスペックのノートPCを買うべきだ
と言ったのは、このボーナスタイムを最高の環境で過ごすことで、たくさん成長できると考えているからです。
そして、残酷なことにそのボーナスタイムはずっとは続かず、
5年以内に終わると考えています。
今回は、その限られたボーナスタイムとはなんなのか、ということについて自分の言葉で説明しようと思います。
何がボーナスなのか
キーワードを挙げるとすると、
成長曲線の角度が大きい
知らないことばかりなので経験すること全てを吸収できる
単純に若くてパワーがあり、時間を投下できる
というような感じでしょうか。
一つ一つ見ていきたいと思います。
成長曲線の角度が大きい
成長曲線は、もちろん働きはじめの段階が一番角度が大きいはずです。
知らない技術についてキャッチアップしたり、先輩やメンターからいろんなことを教わったりする中で、自分の中の引き出しが増えていきますが、その引き出しの数を一番増やしやすいのがこのボーナスタイムの特徴です。
知らないことばかりなので経験すること全てを吸収できる
まさに私がインターンをやっていた時や、1年目で感じたことです。
やること全てが新しく、やればやった分だけ新しいことにチャレンジできるような感覚がありました。業務の中ではインプットをする機会が多く、アウトプットする機会はそれほどない時期です。例えばAIのプロジェクトをやっていたとして、モデルの構造学んだり、前処理の手法、後処理の手法、ライブラリの使い方など、全てのことが経験になります。
単純に若くてパワーがあり、時間を投下できる
働きはじめは20代だと思いますが、体力で言うと一番ある時期だと思います。
自分の興味のある分野の論文をひたすら読んだり、開発に関連する技術を掘り下げたり、土日もノンストップでコーディングや勉強したり。そんな時間が自由に過ごせるのは20代の特権だと考えます。もちろん仕事だけやらなくてもいいのですが、自分がこのように技術のことに対して没頭できる時間は意外と貴重なものであることを意識しながら、このボーナスタイムを存分に過ごしてほしいともいます。
ボーナスタイムはいつなのか
一概に言えないと思う一方で、私の独断と偏見により、ボーナスタイムが発生する時期について言及します。
20代
エンジニアを始めて5年以内
この条件が私の中では一番しっくりきています。
20代はもちろん体力的にも無理できますし、集中力も高い時期だと思います。
エンジニアを始めてから5年以内という条件は、やはり成長曲線が高い時期だからです。
実際どんな人でも、2、3年すれば会社の中での技術スタックには精通できますし、プロダクトを開発しているのであれば、ほぼ全ての質問に答えることができたり、その技術を人に問題なく教えることができるようになるのも2、3年経てば普通でしょう。
5年目くらいになると、この成長曲線カーブは否が応でも緩やかにならざるを得ません。
3年目から5年目くらいに転職するエンジニアが多い理由の一つとして、この成長率が少し緩まってくることを感じ取るからだと思います。
このボーナスタイムが終わってきたと感じた時に、どのような働き方をすればいいかということについては後述します。
ボーナスタイムを作るための環境
環境については、私は比較的小さいスタートアップ企業にしか在籍したことがないため、
正直大企業にいたら自分がどう成長したのかはわかりません。
エンジニアにとっての小さい企業と大きい企業に勤めるという論争については以前記事に書いたのでそちらもご覧いただければと思います。
https://note.com/kenmaro/n/n9064ab0321d0
結論は大企業でもスタートアップ企業でもそれぞれ良いところがあるので、そのどちらが良いかは一概には言えませんが、
ボーナスタイムを作るための環境、という意味では一つキーワードがあります。
それは、
裁量権があること
だと思っています。
裁量権があるとは、少なくとも一つのプロジェクトにおいて自分が主体となって取り組めるものがあり、
何をやっていいか基本的に任せてもらえることです。
この裁量権についての有無は、私はスタートアップでも大企業でも本当に会社によるでしょう。
裁量権があることで、自分が主体となって開発に携わり、そこで学んだことや考えたこと、議論したことが全て自分の経験になります。
自分が作ったものが成功するにしろ失敗に終わるにしろ、そのプロジェクトは自分の中で大きな思い出と経験に変わるでしょう。
上司や先輩が主体となっているプロジェクトにずっとアサインされ続けるような会社もあるかと思いますが、この条件下ではボーナスタイムを起こすことは難しいでしょう。
例えばポジションがしっかりと決まっているような企業(コンサルタントの企業とかがイメージとして私は近いです)では、最初の3〜5年くらいは分析業務を行い、役職があがると裁量権が大きく増えるような感じだと思います。
エンジニアであれば、このように裁量権が低いまま3〜5年を過ごしてしまうと、気づかないうちにボーナスタイムも終わってしまう可能性が高いです。
ボーナスタイムには何をすれば良いのか
何をすれば良いのか、は本当にシンプルです。
自分の好奇心のままに、一生懸命仕事をすることです。
燃えているモチベーションに自分でブレーキをかけることなく、ひたすらに楽しむことです。
このときに、周りに迷惑をかけたり、態度が悪くなったり、だれかを見下したりすることは決してやってはいけません。
自分の組織に貢献するというベクトルは崩さずに、その中で自分が興味をモテることのベクトルの大きさと方向も調整しながら、あとは楽しむだけです。
そのような時間を数年過ごすことができれば、大きな経験と知見を得ることができると思っています。
ボーナスタイムが終わってしまったと感じる瞬間とは
自分は正直このボーナスタイムは今落ち着いたなと感じています。
自分の取り組んでいる専門分野の知識が、人から頼られるレベルになったと感じたり、開発に必要な技術への知見が溜まったと感じたり。
ボーナスタイムが落ち着いたのはそのような瞬間でしょうか。また、後輩がまさにそのボーナスタイムを謳歌しているところを目の当たりにしているからでしょうか。
働く上で、ボーナスタイムが終わったように感じることは、実は素晴らしいことだと思います。
ポジティブに捉えれば、それだけ自分が成長したと言うことであり、会社などの組織内でも貢献できるようにやっとなったということです。
しかし、ネガティブに捉えると、業務でやっていることに真新しいことがなくなったり、ルーティン作業が増えていたり、前ほど熱中して仕事していないなと感じたり、だと言うことだと思います。
このように、自分のエンジニアとしてのボーナスタイムが落ち着いてきたな、
と感じた時に、どうすればいいのか、アクションを書いてみたいと思います。
会社外での活動を始める
例えば自分であれば、2年目の自分の目標は副業で仕事をもらうことでしたし、3年目以降は個人開発やハッカソンに出場することでした。
5年目になった今は、副業は一旦やめて自分のコンテンツを作って伸ばしていくことを、会社の組織とは関係ないところの目標にしています。
会社組織の内部でのパフォーマンスを落とす必要はないですし、むしろ本業は大事にするべきだと思いつつ、それ以外でもなにか自分が熱心に取り組むなにかを用意しておくことは大事です。
ボーナスタイムが落ち着いた時にそのような新しい取り組みや目標を決め、それが新しいボーナスタイムの種子になるように毎日継続して水をあげることが重要です。
アウトプット重視の勉強法に変える
ボーナスタイムの間は、まさにインプット重視の働き方が効率が良い時期だと思います。
この時期が落ち着いて、自分にある程度知識や経験が溜まったと考えたら、思い切ってアウトプットをたくさんやるような勉強法に切り替えることが大事です。
インプットしている時間帯は確かに楽しいです。論文を読んだり、本を読んだり、技術について調べたり、そういう時間ももちろん大事なのですが、インプットに使っている時間と少なくとも同じだけの時間を、理想を言えば8割はアウトプットを意識的に行うことが、このボーナスタイムを超えた後のよい働き方だと思います。
アウトプットには、SNSやブログなどを使った発信や、後輩に自分の知っていることを惜しみなくギブして同じようなエンジニア仲間を作ること、ビジネスサイドの人たちに積極的に関わってフィードバックやアドバイスをすることなどでしょうか。
アウトプットに自分の8割以上の力を使って、これ以上できないくらいやってみると良いと思います。自分が発信するコンテンツがないということはないはずです。ボーナスタイムで得た経験は、必ず発信に値します。自分がアウトプットする上で、人から感謝されるにはどのようなことが必要なのかとか、多くの人にみてもらうためには何が必要なのかとか、そういうところを磨いていきましょう。
最後に
さて、今回は、
若手のエンジニアにだけ持つことが許されるボーナスタイム
というテーマで、
ボーナスタイムとはなんなのか
ボーナスタイムには何をすれば良いのか
ボーナスタイムが終わったと感じたら何をすればいいのか
について書いてみました。
ぜひこれから就職を考えている学生の方や、若手の方に読んでもらいたいと思います。
そして、仮に若手ではないとしても、自分で次のボーナスタイムを作るための働きかけや心の持ちようなど、自分の力でどうにでもなるということを意識して、これからも頑張っていきましょう。
今回はこの辺で。
@kenmaro
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