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『コウノドリ』命の尊さとヘルスエデュケーションを学べる漫画

みなさんは、「コウノドリ」という漫画をご存知でしょうか?私は、ある病院に行ったときに、綾野剛さんらが映っているコウノドリのドラマのポスターを産科の医局の前で見ました。そのときは、「産科は、仕事が不規則で大変で、訴訟リスクも大きいから、担い手が集まらないよなあ。」ぐらいにしか、思いませんでした。産科の募集に使われるぐらいだから、いいドラマなんだなあ、とも感じていました。

何かの拍子にたまたまAmazon Primeで「コウノドリ」のドラマを見て、涙が止まりませんでした。子どもが生まれて、そんなに日がたっていないといったこともあるかもしれません。ドラマに感動したので、その勢いで漫画を全巻一気に読みました。(昨年、最終巻が発売されましたね。)話は重いのですが、コマの構成がシンプルなので、読みやすかったです。

コウノドリを読んで、改めて命の尊さを強く認識しました。正解のない問いに対して、鴻鳥先生と四宮先生等が家族の幸せについて真剣に考え、時には激しく意見をぶつけ合うシーンは、私も考えさせられ、胸が熱くなります。苦悩する家族を見て感情移入します。親として100%ではないですが、気持ちが理解できます。命を守る、幸せに生き続けるという重い命題に対して、常に判断して行動している産科、新生児科の方々にに頭が下がります。(もちろん他の医療者にもですが)

この漫画を読むと、命の誕生をたくさん見るので「生きているってということは尊い」ことを教えられました。中にはお母さんが亡くなってしまう悲しい場面もあります。また、ヘルスエデュケーションを学ぶためにも、是非子どもにも読んでほしい漫画です。「コウノドリ」の中には、風しんのワクチンや今話題になっているHPVワクチンについても述べられています。(それぞれ厚生労働省様と講談社様の下記のHPを参照)  この漫画は「こうしろ、こうあるべきだ」というメッセージ性が個人的には強く感じない分、子どもが自分と他の人の健康について真剣に向き合うきっかけを与えられると思います。それに、自分が苦しいときは誰かに頼っていいということも教えてもらいます。漫画・ドラマでも医師(他の診療科も含めて)、看護師、助産師、医療ソーシャルワーカー等、多くの人が協力して、患者さんの悩みの解決に努めています。「困ったときは、何でも言ってください。」という、鴻鳥先生の優しい声が聞こえてきます。自分だけ、家族だけで抱え込まず、助けを求める大切さを知ってほしいです。

私が「コウノドリ」で好きな場面は、鴻鳥先生と四宮先生の熱い意見のぶつかり合いもあるのですが、鴻鳥先生が産科医をやめそうになったときに、病院を離れていた四宮先生が来て、つっけどんな言い方で止めるところです。言葉数が少なく、クールな四宮先生らしいやり方なのですが、鴻鳥先生に続けてほしいという気持ちが、ひしひしと伝わってきます。家族の幸せのために考え抜いて行動を共にしてきたからこそ、意見がぶつかってもお互いに尊重し合える関係なのでしょう。

「コウノドリ」、人の命について真剣に考えさせられる漫画です。理想論やあるべき論はない、色々と学べる漫画だと思います。読んでみてはいかがでしょうか。

#マンガ感想文

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