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けん
2023年1月19日 14:20
夕陽の映る海面が翡翠色の波を立てていた砂浜には忘却の孤城が波にさらわれ崩れてゆく波は肌で触れれば暖かく、丘には琥珀色のすすきが夕凪の涼風になびいて心地よかった。丘の上には赤と白の灯台が独り静かに砂浜の音楽を聴いていた。
2023年1月17日 15:56
まっ白な雪の中に指で文字を刻んだ。明日にも消えちゃいそうな震えた文章を書いたよ。なぜなら僕の想いは誰にも届きそうにないから。雪のように積もる想いも寒さに震えた感情も何もかも踏み潰されて凍りついてしまった。凍った僕の心は春を待ち、叫んでいる。
2023年1月13日 19:41
泡沫に飲まれる沈没船 波に崩れ、深海を静かに漂う。木片は腐り果て、粒子となってやがて海水となった。かつて船だった場所は水底の砂地に窪みを残しやがて窪みから鮮やかな海月が生まれた。海月は水底で唯一の光源となっていつまでも漂っている。
2023年1月11日 19:09
夜闇に浮かぶ 光の胞子粒寄せ合えば 肌暖かく六花の盛る 蝦夷のカラマツ淡く揺蕩う 一筋の気霜藻岩山から夜景を望みながら 1/11
2023年1月7日 16:37
世界を照らす太陽よ なぜ沈む あまねくものを 生成したにも関わらず あまねくものを 育んだにも関わらず 我らを見捨て なぜ沈む 世界はすでに 真の闇に包まれているのに西日差す夕方の車窓から 1/7
2023年1月4日 23:16
揺蕩う鬼火に誘われて遮断機を乗り越えた単調な警報音赤く点滅する警告灯甲高いソプラノが鳴る不協和音 耳鳴り泥濘と混ざり 吐瀉に溶ける